[スポンサーリンク]

一般的な話題

新生HGS分子構造模型を試してみた

[スポンサーリンク]

先日速報にて、製造業者の廃業によって幻となった、分子模型モデルの復活をお知らせしました。記事:【速報】HGS 分子構造模型「 立体化学 学生用セット」販売再開!

新たに販売のみならず制作を担うようになった丸善さん。今回、その丸善の担当者に再発売された「立体化学 学生用セット」のお話を伺い、さらに分子模型を実際に触ってみましたので、使用感もあわせてお伝えしたいと思います。

もう発売しているの?

当初の予定(6月)より少し遅れましたが、7月から書店やオンライン経由で発売が始まっているようです。

HGS分子構造模型 立体化学学生用セット

HGS分子構造模型 立体化学学生用セット

丸善出版
¥5,940(as of 07/27 06:30)
Amazon product information

使用感を試してみた

百聞は一見に如かずですので、この動画を御覧ください。

動画を見てもらえれば、わかりますが、画像でも解説します。

見た目は以下の通り、めちゃくちゃシンプルですね。できる限りパッケージにかかるコストを抑えているそうです(理由は後述)。シールを剥がすと、右下図のように小さな工具箱のようになります。

中を開けると、部品表がでてきました。学生用セットなので、学習に最低限の必要な部品が入っています。特殊な結合(三員環や金属)などは無いようです。

実際に中身をみてみましょう。左が旧型、右が新型HGS分子構造模型です。正直画像では全く区別つかないですね。パット見た違いは、新型の方が光沢があります

よーくみてみると、結合部分の構造が違います。旧式(左)は太さが2段階になっているのに対して、新生のものは全体の太さは同じですが、根本の方に線が入っています。より精巧になっている感じがします。

さて、実際の使用感は…旧式と全く同じです。旧式と一部結合の太さが違うらしく、スカスカな結合があります。互換性がないと丸善さんはいっていますが、その点さえ除けば全く同じ様に使うことが可能です。詳細は動画を御覧ください。

まとめ・今後の予定

というわけで、今回新型のHGS分子構造模型学生セットを試してみました。前回の記事でも述べたように、鋳型をゼロから作成したそうです。鋳型の値段を聞いてみましましたが、びっくりな価格です。かなりの数のセットを売らなければ完全に赤字になります。そんななか、分子を愛する化学者のためにつくってくれた、丸善さんに心から感謝申し上げます。

なお、そういった理由で、生化学セットや、アドバンスドセットなどは全く作成は進んでいないようで。皆でこの匠の分子構造模型を購入してサポートしましょう。

追記:かなり人気なのか、オンラインショップによっては大幅な送付遅延が生じているようです。

関連記事

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 第47回天然物化学談話会に行ってきました
  2. Q&A型ウェビナー マイクロ波化学質問会
  3. 第19回ケムステVシンポ「化学者だって起業するっつーの」を開催し…
  4. 創薬におけるモダリティの意味と具体例
  5. 全フッ素化カーボンナノリングの合成
  6. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」③(解答編…
  7. 炭素をつなげる王道反応:アルドール反応 (2)
  8. それは夢から始まったーベンゼンの構造提唱から150年

注目情報

ピックアップ記事

  1. 化学者がMidjourneyで遊んでみた
  2. コーリー・バクシ・柴田還元 Corey-Bakshi-Shibata (CBS) Reduction
  3. アンモニアを室温以下で分解できる触媒について
  4. MT-スルホン MT-Sulfone
  5. 世界の化学企業ーグローバル企業21者の強みを探る
  6. 飽和C–H結合を直接脱離基に変える方法
  7. 化学反応を自動サンプリング! EasySampler 1210
  8. 2012年イグノーベル賞発表!
  9. 134回日本薬学会年会ケムステ付設展示会キャンペーン!
  10. ビアリールのアリール交換なんてアリエルの!?

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP