[スポンサーリンク]

C

コーリー・バクシ・柴田還元 Corey-Bakshi-Shibata (CBS) Reduction

[スポンサーリンク]

 

概要

プロリンから容易に誘導されるキラルオキサザボロリジン触媒とボランを用いて、ケトンの不斉還元を行う方法。環状、鎖状を問わず様々なケトンを高いエナンチオ選択性でアルコールに変換する。

反応時間も短く実験手順も容易で、基本的には温度を保ちつつ混ぜるだけで進行する。

α,β-不飽和ケトンに対しては1,2-還元様式で反応が進行することにも注目。

基本文献

 

反応機構

オキサボロリジン-ボラン複合体の結晶構造解析から、Dual-Activation機構が提唱されている。すなわち、下記のようにホウ素がルイス酸として働いてケトンを活性化しつつ、窒素がルイス塩基として働いて還元剤のボランを活性化する。(参考:J.
Org. Chem.
1993, 58, 799.
)
cbs_reduction_2.gif

反応例

キラルなアリルアルコールは不斉炭素ー炭素結合形成の前駆体としてとらえることができる。例えば以下の例(Aspidophytineの合成[1])ではCBS還元→Ireland-Claisen転位により、構築困難な不斉四級炭素中心を立体選択的に合成している。
cbs_reduction_3.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] He, F.; Bo, Y.; Altom, J. D.; Corey, E. J. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 6771. DOI: 10.1021/ja9915201

 

関連反応

 

関連書籍

[amazonjs asin=”047017577X” locale=”JP” title=”Catalytic Asymmetric Synthesis”]

 

外部リンク

関連記事

  1. ゼムラー・ウォルフ反応 Semmeler-Wolff React…
  2. Aza-Cope転位 Aza-Cope Rearrangemen…
  3. ゾーシー・マーベット転位 Saucy-Marbet Rearra…
  4. ジュリア・コシエンスキー オレフィン合成 Julia-Kocie…
  5. 金属水素化物による還元 Reduction with Metal…
  6. 相間移動触媒 Phase-Transfer Catalyst (…
  7. ピーターソンオレフィン化 Peterson Olefinatio…
  8. 2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル保護基 Troc Pro…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 【書籍】機器分析ハンドブック1 有機・分光分析編
  2. 外部の大学院に進学するメリット3選
  3. 【日本精化】化粧品・医薬品の原料開発~「キレイ」のチカラでみんなを笑顔に~
  4. マテリアルズ・インフォマティクス適用のためのテーマ検討の進め方とは?
  5. 劉 龍 Ryong Ryoo
  6. ブルース・ギブ Bruce C. Gibb
  7. ヒドリド転位型C(sp3)-H結合官能基化を駆使する炭素中員環合成
  8. トランス効果 Trans Effect
  9. 【11月開催】第3回 マツモトファインケミカル技術セミナー 有機金属化合物「オルガチックス」の触媒としての利用-シリコン、シリコーン硬化触媒としての利用-
  10. 4つの性がある小鳥と超遺伝子

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP