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一般的な話題

MEDCHEM NEWS 34-3 号「2023年度メドケムシンポ優秀賞」

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日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープンアクセスとなりました 34-3号 (2024年08月発行)の紹介です。

各項目のタイトルおよび画像から該当記事へ飛べます (新しいタブで開きます) ので、隅々までご覧ください!

(著者様のご所属は掲載当時のものです)

■巻頭言

若手研究者が国際競争に打ち勝つには
丸岡 啓二
京都大学 大学院薬学研究科

本号の巻頭言は、本年度 (*2024年度) より日本化学会会長に就任された丸岡啓二先生によるものです。丸岡先生は、2010 年に国際競争力を持つ若手研究者の育成を目指し、有機化学領域のリーダー育成塾「大津会議」を立ち上げました。本巻頭言では「大津会議」の紹介と、若手研究者の活躍の場の重要性が述べられています。

■創薬最前線

京大薬・医薬基盤研の連携による未踏創薬分野の開拓
大野 浩章1,2, 秋葉 宏樹1,2, 金尾 英佑1,2, 石濱 泰1,2
京都大学大学院 薬学研究科1、医薬基盤・健康・栄養研究所2

本号の創薬最前線は、京大薬と医薬基盤研が2020年に開始した連携組織について、その設立経緯や最新の研究成果、今後の展望を含めて紹介しています。本連携では、両機関の強みを融合して、「バイオ医薬品化学」と「創薬プロテオミクス」の分野において未踏創薬に挑戦しています。ぜひご一読ください。

関連動画:
秋葉先生の ABC-Info ご講演動画

WINDOW

アメリカの創薬研究機関での経験と出会い
深瀬 嘉之
フォーワードセラピューティクス

執筆者である深瀬博士の米国での創薬研究やベンチャー設立など、10 年にわたる貴重な体験を紹介した記事です。創薬化学者としてどのようなキャリアパスを歩むべきか?について興味のある方はぜひご一読下さい。

ESSAY

初期探索研究を加速する革新的スクリーニングライブラリープラットフォームの構築:新たな産学官協創の始動
宮地 弘幸
東京大学大学院薬学系研究科附属創薬機構 構造展開ユニット

効率的なリガンドスクリーニングプラットフォームとして、DNA-encoded library (DEL) が注目されています。国内製薬企業と東大創薬機構、AMED の産学官連携によって、DEL プラットフォームが整備されつつありますが、本記事ではこの経緯が詳細に記載されています。他事業立ち上げの参考にもなると思われます。

■DISCOVERY

2023年度 日本薬学会 医薬化学部会 MCS優秀賞 受賞
ミトコンドリア内タンパク質を標的とするタンパク質分解誘導薬の開発
山田 若菜, 佐藤 伸一, 石川 稔, 友重 秀介
東北大学大学院 生命科学研究科

PROTACs をはじめとして多くの標的タンパク質分解誘導薬が開発されており、これまで低分子では難しいとされていた undruggable target に対応できる手法として注目を集めています。本稿では、ミトコンドリア内の創薬標的を分解する新しい概念の誘導薬が紹介されています。是非ご一読ください。

関連記事:
山田若菜さんのスポットライトリサーチ「ミトコンドリア内タンパク質を分解する標的タンパク質分解技術「mitoTPD」の開発

関連動画:
友重秀介先生のケムステVシンポご講演動画

■DISCOVERY

2023年度 日本薬学会 医薬化学部会 MCS優秀賞 受賞
新規Keap1-Nrf2タンパク質間相互作用(PPI)阻害薬の創製~小さな置換基の大きなインパクト~
原田 一人, 大竹 和樹, 小川 直樹, 生方 実, 判谷 理恵
日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所

本稿は、2023 年度のメディシナルケミストリーシンポジウムで優秀賞を受賞された研究です。経口剤創出の鍵は、なるべく小さな分子で優れた活性と薬物動態を両立する点にあります。メチル基とフルオロ基という小さな置換基導入によって得られた大きなインパクト、まさに創薬化学者の美徳に迫る論文です。

参考記事: Nrf2とKeap1 〜健康維持と長寿のカギ?〜

■DISCOVERY

2023年度 日本薬学会 医薬化学部会 MCS優秀賞 受賞
非ペプチド性経口RXFP1作動薬AZD5462の創製
淵上 龍一1), 坂槇 茂輝2), 丹羽 靖哉2), Lars Granberg Kenneth3)
田辺三菱製薬株式会社 創薬本部1), BioPharmaceuticals R&D2), AstraZeneca3)

世界初の臨床移行した経口 RXFP1 作動薬 AZD5462 の創製。起点化合物の高い脂溶性と平面性から脱却し、強力なアゴニスト活性と良好な物性を見事に達成。丹念に、ときには大胆に、粘り強く構造変換を進め、“カルボン酸の導入”、“Magic Methyl Effect”等、ブレークスルーに遭遇、メドケム必読の内容です。

■DISCOVERY

2023年度 日本薬学会 医薬化学部会 MCS優秀賞 受賞
新規EP300/CBPヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害薬DS-9300の創製
金田 龍太郎, 神子島 佳子, 樋口 才飛, 内藤 博之
第一三共株式会社 研究統括部モダリティ第三研究所

アミノ酸パートのスキャフォールドホッピングなど迅速な 構造活性相関 (SAR) 取得を駆使しつつ、強力な経口活性を示す DS-9300 を創出した、メドケムのお手本のようなストーリーです。2023 年度日本薬学会 医薬化学部会MCS優秀賞を受賞されており、大変興味深い内容ですのでご一読ください。

■DISCOVERY

2023年度 日本薬学会 医薬化学部会 MCS優秀賞 受賞
細胞内標的KRASに対する経口投与可能なペプチド阻害剤の開発
棚田 幹將, 田宮 実, 鷹野 宏治, 松尾 篤, 白石 拓也
中外製薬株式会社 研究本部 創薬化学研究部

ペプチド創薬において、膜透過性と代謝安定性の克服は大きな課題です。筆者らは、必要な構造/物理化学的性質を特定し、その性質(Drug-like criteria)を満たすペプチドヒットを取得しうる mRNA ディスプレイライブラリーを構築することで、経口RAS 阻害剤を創出することに成功しました。

■SEMINER

コンピュータ時代の自動型創薬から情報時代の自律型創薬へ ~大規模生成AIが支える、近未来における創薬研究の形~
湯田 浩太郎
株式会社インシリコデータ

大規模生成 AI とは何か、自律型(オートノマス)研究にどのように活用できるかがわかりやすく解説されています。大規模言語モデル ChatGPT による自律型研究業務の支援機能を基に、人間と大規模生成AIの基本機能の違い理解し、協調することの重要性を読み解いてください。

関連書籍

本号の「BOOKS 紹介」より①

本号の「BOOKS 紹介」より②

第42回メディシナルケミストリーシンポジウムのお知らせ

【11/18~20】第42回メディシナルケミストリーシンポジウム@徳島

MEDCHEM NEWS 紹介記事バックナンバー

MEDCHEM NEWS 33-2 号 「2023年度医薬化学部会賞」
MEDCHEM NEWS 33-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」
MEDCHEM NEWS 33-4 号「創薬人育成事業の活動報告」
MEDCHEM NEWS 33-3 号「30年後の創薬研究」
MEDCHEM NEWS 33-2 号 「2022年度医薬化学部会賞」
MEDCHEM NEWS 33-1 号 「創薬への貢献」
MEDCHEM NEWS 32-4 号「創薬の将来ビジョン」
MEDCHEM NEWS 32-3号 「シン・メディシナルケミストリー」
MEDCHEM NEWS 32-2号 「儲からないが必要な薬の話」
MEDCHEM NEWS 32-1号「機械学習とロボティックス特集」
MEDCHEM NEWS 31-4号「RNA制御モダリティ」
MEDCHEM NEWS 31-3号「ケムステ代表寄稿記事」
MEDCHEM NEWS 31-2号「2020年度医薬化学部会賞」
MEDCHEM NEWS 31-1号「低分子創薬」
MEDCHEM NEWS 30-4号「ペプチド化学」
MEDCHEM NEWS 30-3号「メドケムシンポ優秀賞」

 

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DAICHAN

投稿者の記事一覧

創薬化学者と薬局薬剤師の二足の草鞋を履きこなす、四年制薬学科の生き残り。
薬を「創る」と「使う」の双方からサイエンスに向き合っています。
しかし趣味は魏志倭人伝の解釈と北方民族の古代史という、あからさまな文系人間。
どこへ向かうかはfurther research is needed.

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