[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第102回―「有機薄膜エレクトロニクスと太陽電池の研究」Lynn Loo教授

[スポンサーリンク]

第102回の海外化学者インタビューは、Lynn Loo教授です。プリンストン大学 化学工学科に所属し、プラスチックトランジスタと有機太陽電池の開発に取り組んでいます。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

まだ化学者になりたいと思っています!化学技術者としての訓練を受けており、数人の化学の共同研究者と密接に仕事をしています。化学の精度の高さには驚かされます。共同研究者がいかに簡単に有機化合物を誘導体化し、規定通りに官能基化することができるのか、いつも畏敬の念を抱いています。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

PBSまたはそれに相当するもので、科学番組/ドキュメンタリーの司会者になりたいと思っています。いつも視聴者とつながれるという話です。私たちがしていることを一般の人たちに伝えることができれば、本当に楽しいと思います。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

今日の研究の学際性を考えると、科学者や技術者との連携が必要だと思います。このような状況の中で、他の分野の研究者と協力して、世界全体に貢献することが必要とされています。例えば、今日のエネルギー問題の根底にあるのは、再生可能なエネルギー源としての新材料の開発です。この課題に取り組むことができるのは化学者だけです。しかし、世界のエネルギー問題の解決に真に貢献するためには、他の分野の研究者を巻き込んで生産量を増やしたり、新材料を機能的なデバイスに組み込んだりしなければなりません。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

彼は決して歴史上の人物ではありませんが、もし機会があれば、the science guyビル・ナイと食事をしてみたいものです。彼の科学への愛と好奇心は伝染します!子供の頃、彼に感化されました。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

昨日です! ブルックヘブン国立研究所の国立シンクロトロン光源の軟X線ビームラインで、近縁X線吸収微細構造分光実験を行っていました。長い時間でしたが、実験に参加するのはとても楽しいです。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

本:マリア・シュライバーの『Ten Things I Wish I’d Known Before I Went into the Real World』を持っていくでしょう。この本はストレスを感じているときに心の拠り所となり、視点を提供してくれます。島で座礁したら、かなりストレスがたまると思います。

[amazonjs asin=”B00FOT9HWY” locale=”JP” title=”Ten Things I Wish I’d Known – Before I Went Out into the Real World (English Edition)”]

CD:カーラ・ブルーニの『Quelqu’un m’a dit』です。

[amazonjs asin=”B0001AUAU4″ locale=”JP” title=”Quelqu’Un M’a Dit (Reis)”]

原文:Reactions –  Lynn Loo

関連動画

※このインタビューは2009年2月6日に公開されました。

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. インタビューリンクー時任・中村教授、野依理事長
  2. 第171回―「超分子・機能性ナノ粒子で実現するセラノスティクス」…
  3. 第133回―「遺伝暗号リプログラミングと翻訳後修飾の研究」Jas…
  4. 第63回「遊び人は賢者に転職できるのか」― 古川俊輔 助教
  5. 第176回―「物質表面における有機金属化学」Christophe…
  6. 第166回―「2次元量子材料の開発」Loh Kian Ping教…
  7. 第150回―「触媒反応機構を解明する計算化学」Jeremy Ha…
  8. 第34回 生物学と合成化学のハイブリッド高分子材料を開発する―J…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ピーターソンオレフィン化 Peterson Olefination
  2. インフルエンザ治療薬と記事まとめ
  3. 牛糞からプラスチック原料 水素とベンゼン、北大が成功
  4. 高分子鎖デザインがもたらすポリマーサイエンスの再創造 進化する高分子材料 表面・界面制御アドバンスト コース
  5. “呼吸するセラミックス” を使った酸素ガス分離・製造
  6. 結晶作りの2人の巨匠
  7. 鴻が見る風景 ~山本尚教授の巻頭言より~
  8. 化学研究ライフハック:ソーシャルブックマークを活用しよう!
  9. グラフィカルアブストラクト付・化学系ジャーナルRSSフィード
  10. アリ・ワーシェル Arieh Warshel

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP