[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

椎名マクロラクトン化 Shiina Macrolactonization

[スポンサーリンク]


概要

2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA; 椎名試薬)を用いれば、温和な条件下マクロラクトンを合成できる。還流条件が必要な山口法などに比べ活性が高く、室温で行える。二級アルコールにも用いることができる。マクロラクトン化だけでなく、縮合剤同様、エステル化やアミド化にも用いることができる。

 

基本文献

<review>

  • Nishino, N. J. Synth. Org. Chem. Jpn. 2002, 60, 996.
  • Shiina, I.Chem. Rev. 2007, 107, 239. DOI: 10.1021/cr050045o
  • Shiina, I,; Katoh, T.; Nagai, S.; Hashizume, M. Chem. Rec. 2009, 9, 305. DOI: 10.1002/tcr.200900017

 

反応機構

椎名試薬のオルト位ニトロ基は求電子性を向上させ、メチル基は立体障害として働き、酸無水物エステル副生を防いでいる。


shiina_3.gif

反応例

OctalactinAのラクトン部位合成[1]


shiina_2.gif

実験手順

椎名試薬を用いる大員環合成[2]


shiina_4.gif

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] (a) Shiina, I.; Kubota, M.; Osumi, H.; Hashizume, M. J. Org. Chem. 2004, 69, 1822. DOI: 10.1021/jo030367x (b) Shiina, I.; Hashizume, M.; Yamai, Y.; Oshiumi, H.; Shimazaki, T.; Takasuna, Y.; Ibuka, R. Chem. Eur. J. 2005, 11, 6601. doi: 10.1002/chem.200500417
[2] Shiina, I.; Fukui, H.; Sasaki, A. Nature Protocols 2007, 2, 2312. doi:10.1038/nprot.2007.316

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. パッセリーニ反応 Passerini Reaction
  2. モヴァッサージ脱酸素化 Movassaghi Deoxigena…
  3. ガッターマン・コッホ反応 Gattermann-Koch Rea…
  4. アセタール還元によるエーテル合成 Ether Synthesis…
  5. コーリー・チャイコフスキー反応 Corey-Chaykovsky…
  6. ペタシス・フェリエ転位 Petasis-Ferrier Rear…
  7. 金属カルベノイドを用いるシクロプロパン化 Cyclopropan…
  8. ピナコールカップリング Pinacol Coupling

注目情報

ピックアップ記事

  1. ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用
  2. 有機合成化学協会誌2019年4月号:農薬・導電性電荷移動錯体・高原子価コバルト触媒・ヒドロシアノ化反応・含エキソメチレン高分子
  3. ウーロン茶の中でも医薬品の化学合成が可能に
  4. リッチー・サーポン Richmond Sarpong
  5. もし炭素原子の手が6本あったら
  6. MOF-5: MOF の火付け役であり MOF の代名詞
  7. カーボンナノペーパー開発 信州大、ナノテク新素材
  8. ミニスキ反応 Minisci Reaction
  9. ヘム獲得系のハイジャックによる緑膿菌の選択的殺菌法
  10. ジョン・アンソニー・ポープル Sir John Anthony Pople

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

早稲田大学各務記念材料技術研究所「材研オープンセミナー」

早稲田大学各務記念材料技術研究所(以下材研)では、12月13日(金)に材研オープンセミナーを実施しま…

カーボンナノベルトを結晶溶媒で一直線に整列! – 超分子2層カーボンナノチューブの新しいボトムアップ合成へ –

第633回のスポットライトリサーチは、名古屋大学理学研究科有機化学グループで行われた成果で、井本 大…

第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異常を見つける」小松徹 准教授

第67回目の研究者インタビューです! 今回は第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化す…

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP