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酢酸ビニル (vinyl acetate)

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酢酸ビニル(vinyl acetate)は、ポリビニルアルコールなど合成高分子材料の原料となる分子。パラジウム触媒を用いてエチレン酢酸酸素分子を反応させる方法が、一般的な工業製法とされます。この他に、アセチレン酢酸を反応させる方法でも得られます。酢酸ビニルの取り扱いにあたっては、重合しやすく、市販の試薬は重合防止剤が添加されている。

 

  • 酢酸ビニルの用途

酢酸ビニルが付加重合するとポリビニル酢酸になります。これを水酸化ナトリウムで処理し、酢酸エステルを切断してアセチル基を外すとポリビニルアルコールになります[1]。ポリビニルアルコールは温水に可溶であり、洗濯のりに使われます。また、ホウ砂と混ぜ合わせると、子ども用理科実験でおなじみのスライムになります[2]。また、ポリビニルアルコールは粘性を高めることでシャボン玉を割りにくくするためシャボン玉液にも加えられます。

ポリビニルアルコールを紡糸し、これをホルムアルデヒドで処理し、アセタール化することで、水に溶けなくした材料を、ビニロンと呼びます。ビニロンには適度な吸湿性を持ち、綿に似た感触があり、強度が高く、一方でごわごわして、染色しにくい性質があります。ビニロンは、漁網や作業着などに使われます。このビニロンは、戦前の日本で発明され、戦後になって工業生産が始まった素材です[1]。

GREEN2013acv03.png

重合させてからアセチル基を外す点がポイント

 

  • 参考文献

[1] 数研出版・高等学校教科書・化学・306 (http://www.chart.co.jp/goods/kyokasho/26kyokasho/rika/kagaku/)

[2] "The gelation of polyvinyl alcohol with borax." Casassa EZ et al. J. Chem. Edu. 1986 DOI: 10.1021/ed063p57

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