[スポンサーリンク]

ディスカッション

社会に出てから大切さに気付いた教授の言葉

[スポンサーリンク]

今月で研究室における学生生活に終止符を打ち、来月からは社会人になる方も多くいらっしゃると思いますが、研究室で先生方から学んだことは化学だけだったでしょうか。化学以外にも大切なことをたくさん学んだと思います。この記事では社会に出てから大切さに気付いた教授の言葉を紹介します。

はじめに

今月に卒業を迎える皆様、ご卒業おめでとうございます。来月からは企業などで社会人として働き始める方、別の研究室で研究を始められる方など、進路はそれぞれですが今の研究室に別れを告げて新天地での生活になるかと思います。化学の研究において、一日のほとんどを実験やデスクワークで先生や他の学生と時間を共有します。飲み会や研究室旅行といった楽しい時間もあれば、研究報告会のようなつらい時間もあります。時に教授からの指導は厳しく、学生にとっては何言っているんだかと思うかもしれません。自分自身も学生の頃はその大切さは分かりませんでした。しかし社会人になってから月日が経ち、ふと研究室生活を思い返してみると教授は社会人として大切なことを教えてくれたことに気づきました。そんな筆者が思い返して重要だと気付いた教授の言葉をいくつか紹介します。

仕事は大変なものから取り掛かるべし

学生だったときは、1つのテーマに集中して研究していて、サブタスクとして研究室の機器のメンテを行っていたぐらいで、大変なものから取り掛かるのは当然だと思っていました。しかし、会社に入ると複数の案件に関わるのは当たり前で、メール連絡の処理はもちろんのこと自分自身に関わる雑務(退勤管理や精算、各種申請など)をこなしつつ、いろいろな会議(定期報告会、技術講習会、安全に関するトレーニング、自己啓発セミナーなど)に参加する必要があります。

となると、優先順位をつけてこなしていく必要がありますが、どうしても簡単ですぐに終わる仕事から手を付けてしまい、大変な仕事が後回しになってしまいます。すると重要な仕事を報告する場面や上司に進捗を聞かれたときに、何も進んでいないことに気づき悲惨な結果となります。

そんなとき自分にとって重要な仕事を疎かにしないという意味で、この教授の言葉は重要なんだと気づきました。もちろん簡単な仕事をすべて放棄することはできませんが、自分なりのリズム、例えば朝は大変な仕事に集中し、疲れてきた午後から簡単な作業に取り掛かるなどを心掛けるようにしています。

[amazonjs asin=”B091GMR1R6″ locale=”JP” title=”【在宅ワークの時間管理】 TickTime プリセットタイマー 勉強・料理・運動・会議 生産性向上 操作簡単 58g軽量 コンパクト 消音切り替え 充電式 最大99分59秒まで シルバー”]

作業時間を区切るためのツール

電話で積極的にコミュニケーションをとろう

対面での会話、手紙、FAX、電話、メール、チャットなど現代にはコミュニケーションツールがたくさんあり、それぞれ短所長所があります。学生の頃は関わる人が少なく、ほとんど研究室内でコミュニケーションで完結できました。物品を購入している業者さんも誠意をもって対応していただき、やり取りが滞ることはありませんでした。

一方企業では関わる人の人数は多く、社内でも異なる部署・拠点の方とのやり取りはもちろんのこと、商品やサービスを購入しているサプライヤーや、製品を販売している客先など多岐にわたります。中学生の頃からメールでやり取りしていた世代であり、また時間をかけて文字で伝えたいことをまとめられる利点もあることから、メールでの連絡に徹していました。しかし多岐にわたる関係者とのメールのやりとりの中では、メールの返信が無かったり、思ったような回答が得られないこともあります。

そんなときメールでは逃げられてしまうこともあるから電話を使いなさいという教授のアドバイスは重要であることに気づきました。上記にも関連しますが、忙しい時は重要なメールのみに対応し、自分の中で優先度低い質問のメールにはすぐに答えられないこともあります。返信がない=メールを見ていない、返信する時間がない、内容に対して答えられないといったようにいろいろなケースが考えられます。一方電話をすれば、少なくとも何かしらの回答がその場で得られます。もちろんメールを一切使わず、電話だけで対応するのは現実的ではないので、自分の優先度や内容に応じてコミュニケーションルールを適切に選び、対面や電話といった声の対話も重要な選択肢の一つではないでしょうか。

チャットツールには通話に加えて、ビデオ通話、グループ会話などの機能も備えている。(出典:Flickr)

書類は一発合格を目指せ

学生の頃は、発表資料や論文に対して必ず先生方のチェックが入り、スペルミスや値の間違い、不自然な体裁を指摘してくれました。もちろん新卒の新入社員であればある程度のフォローは入りますが、会社によりまちまちですし、あったとしても最初しか見てくれません。自分はどちらかというとスピード命で、ミスが多い傾向がありました。自分を変えるきっかけは上司の指摘でしたが、教授の言葉も思い出し、時間をかけて自分が作ったものを確認することを心掛けるようになりました。

ミスを繰り返すと信用がなくなってしまい、この人の資料は何か間違っているのではないかと疑念を持つようになってしまいます。小さなミスが事態を大きくしてしまうこともありますので、正しい情報が入った資料を作ることは社会人としては重要です。スペルチェックなどの機械の手を借りるのはもちろんのこと、数字の間違いなどに対してはオリジナルデータの照合を忘れないこと、見方を変えて(印刷して紙で読んだり、画面の表示方法を変えたり)再確認を行うことが有効だと思います。

自分から動くべき

自分は卒業前に海外で英語の勉強をしました。卒業前だし何も言われないだろうと楽観視していましたが、自分で決めたことなら良いが、就職先に言われて行くならとんでもないと意外な答えが返ってきました。就職先は関係なく自分で決めたことなので問題はなかったのですが、自分で動くことの大切さを感じました。

企業のプロジェクトにおいては頓挫してしまうことがありますが、誰かが動かないとその状態は変えられません。事象は違いますが、自分にとって重要なプロジェクトだと思うのなら自分で動く必要があることに繋がっていたのだと回想しました。

 

上記は自分の体験談であり、人それぞれいろいろなエピソードがあると思います。環境が変わっても任務を遂行するために必要な基本姿勢は同じであり、研究室の活動で受けた教授からのアドバイスは後々役に立つはずです。研究室を離れて少し経ったときに、どんなことを言われたのか思い返してみてはいかがでしょうか。

そんな教授にも大学を離れる時は必ず訪れ、出身大学の最終講義を行う先生方のリストを見ると、講義のみでお世話になった先生でも大学を去ってしまう寂しさを感じます。卒業生が母校を訪れるのは難しい状況ですが、また気軽に研究室を訪れることができたり、記念パーティーやOBOG会の開催が容易になる日が来ることを期待しています。

関連書籍

[amazonjs asin=”B0897V9HHB” locale=”JP” title=”大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ! 「不人気学科教授」奮闘記”] [amazonjs asin=”4880653012″ locale=”JP” title=”大学教授という仕事 増補新版”]

仕事術に関するケムステ過去記事

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 映画007シリーズで登場する毒たち
  2. 有機合成化学協会誌2017年8月号:C-H活性化・アリール化重合…
  3. わざと失敗する実験【プロセス化学者のつぶやき】
  4. 含フッ素カルボアニオン構造の導入による有機色素の溶解性・分配特性…
  5. t-ブチルリチウムの発火事故で学生が死亡
  6. 複数工程が必要なパーキンソン病治療薬を連続フロー法で合成
  7. ルイス塩基触媒によるボロン酸の活性化:可視光レドックス触媒系への…
  8. 食中毒と衛生管理の重要性ーChemical Times特集より

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第57回「製薬会社でVTuber担当?化学者の意外な転身」前川 雄亮 博士
  2. リサイクル・アップサイクルが可能な植物由来の可分解性高分子の開発
  3. 細孔内単分子ポリシラン鎖の特性解明
  4. ピーター・シュルツ Peter G. Schultz
  5. 創薬に求められる構造~sp3炭素の重要性~
  6. ランバーグ・バックランド転位 Ramberg-Backlund Rearrangement
  7. 上田 実 Minoru Ueda
  8. 実験の再現性でお困りではありませんか?
  9. 2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル保護基 Troc Protecting Group
  10. 高機能性金属錯体が拓く触媒科学:革新的分子変換反応の創出をめざして

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年3月
月 火 水 木 金 土 日
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

光前駆体法の活用によって、ヘプタセンで初の一重項分裂を観測!

第725回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院 理学研究科化学専攻 有機元素化学研究室(山田研…

【スタッフ・寄稿募集】Chem-Stationで、化学を「伝える側」になりませんか?

Chem-Station(ケムステ)は2000年に開設された国内最大の化学ポータルサイトです。大学・…

第17回大津会議―とある参加者の記録―

2026年9月28日~29日に開催された第17回大津会議についての、とある参加者の記録です。この記事…

第17回大津会議 -Otsu Conference- 2026 開催報告 ~新体制で紡ぐ「有機合成の夢」~

第17回大津会議が2026年9月28日(月)〜9月29日(火)びわ湖大津プリンスホテルにて開催されま…

有機合成化学協会誌2026年10月号:医薬品プロセス開発・σ芳香族性・含窒素複素環・メロテルペノイド二量体・高歪み化合物

有機合成化学協会が発行する「有機合成化学協会誌」2026年10月号がオンラインで公開されています。…

時代は水だ! セメントのように水と混ぜるだけで成形・硬化できる「水硬性」高分子

第724回のスポットライトリサーチは、東京科学大学物質理工学院(大塚研究室)博士前期課程2年の徳満玲…

複雑さを設計して、結晶の動きをプログラムする

第723回のスポットライトリサーチは、高知工科大学大学院工学研究科(林研究室) 博士後期課程3年の樋…

ハロゲンの力で強力な結合を切断!天然物クマリンから医薬品・機能性材料原料のクマラノン類へ

第 722 回のスポットライトリサーチは、立命館大学大学院薬学研究科薬学専攻 精密合…

観察を写真で残す!カメラ内蔵リアクタ EasyMax 102i を使ってみた

反応の温度も、攪拌(かくはん)も、滴下も、サンプリングもいまや自動で記録される時代になりました。とこ…

ケムステ人気新着記事 トップ 5【2026年9月版】

2026年9月にケムステでは21本の新しい記事を公開しました。この記事では、その新着記事の中から、ペ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP