[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

友岡 克彦 Katsuhiko Tomooka

[スポンサーリンク]

友岡 克彦(ともおか かつひこ、1960年x月xx日-)は、日本の有機化学者である。九州大学先導物質化学研究所 教授。

経歴

1988 慶應義塾大学 理工学研究科 博士課程修了
1988 東京工業大学 工学部化学工学科 助手
1991〜1993 スタンフォード大学 博士研究員
1998 東京工業大学 工学部化学工学科 助教授
2000 東京工業大学大学院 理工学研究科応用化学専攻 助教授
2007 九州大学 先導物質化学研究所 教授

<兼任>

1999〜2000 京都大学化学研究所 客員助教授
2007〜2008 東京工業大学大学院 理工学研究科応用化学専攻 連携教授

受賞歴

1988 井上研究奨励賞
1996 有機合成化学協会 エーザイ 研究企画賞
1996 有機合成化学奨励賞
2001 Synthesis-Synlett Journal Award
2010 有機合成化学協会 アステラス製薬・生命有機化学賞
2010 日本化学会 学術賞
2012 長瀬研究振興賞
2009, 2010, 2014, 2015, 2016 Asian Core Program Lectureship Award

研究概要

新規カルボアニオン転位反応の開発と複雑化合物合成への応用

立体選択的な1,2-Wittig転位を鍵反応とし、Zaragozic acid Aの全合成[1]を達成している。

非古典的キラル分子の創製と応用

とりわけ配座規制の強い面不斉中員環化合物[2]の研究、ケイ素中心のキラリティ[3]の研究などで顕著な業績をあげている。

窒素上での求核置換反応の開発[4]

通常、窒素原子は求核置換に対して不活性であるが、高い求核力を有するリンアニオンとスルホンアミドの組み合わせにより、置換反応が実現されることを見いだしている。

歪みシクロアルキン簡便合成法の開発[5]

Nicholas反応を鍵とするへテロ原子含有シクロアルキンの簡便合成法の開発に成功した。これは銅フリーClick反応(SPAAC反応)のよいパートナーとなるため、ケミカルバイオロジーツールとしての活用が期待できる。

参考文献

  1. Tomooka, K.; Kikuchi, M.; Igawa, K.; Suzuki, M.; Keong, P.-H.; Nakai, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, 4502. [abstract]
  2. Tomooka, K.; Komine, N.; Fujiki, D.; Nakai, T.; Yanagitsuru, S.-i. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 12182. DOI: 10.1021/ja053347g
  3. 井川和宜、友岡克彦 化学 2017, 72, 12. [PDF]
  4. Yoshida, S.; Igawa, K.; Tomooka, K. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 19358. DOI: 10.1021/ja309642r
  5. (a) Ni, R.; Mitsuda, N.; Kashiwagi, T.; Igawa, K.; Tomooka, K. Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 1190. DOI: 10.1002/anie.201409910 (b) Igawa, K.; Aoyama, S.; Kawasaki, Y.; Kashiwagi, T.; Seto, Y.; Ni, R.; Mitsuda, N.; Tomooka, K. Synlett 2017, DOI: 10.1055/s-0036-1588839

ケムステ内関連記事

関連リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. マシュー・ゴーント Matthew J. Gaunt
  2. 林 雄二郎 Yujiro Hayashi
  3. 竹本 佳司 Yoshiji Takemoto
  4. 佐藤しのぶ ShinobuSato
  5. 但馬 敬介 Keisuke TAJIMA
  6. モーテン・メルダル Morten P. Meldal
  7. ジェフリー·ロング Jeffrey R. Long
  8. キャサリン・M・クラッデン Cathleen M. Crudde…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 貴金属に取って代わる半導体触媒
  2. クノール ピロール合成 Knorr Pyrrole Synthesis
  3. コランヌレン : Corannulene
  4. ウォーレン有機合成: 逆合成からのアプローチ
  5. クリストフ・マチャゼウスキー Krzysztof Matyjaszewski
  6. 有機合成化学協会誌2018年3月号:π造形科学・マグネシウムカルベノイド・Darzens反応・直接的触媒的不斉アルキニル化・光環化付加反応
  7. 既存の農薬で乾燥耐性のある植物を育てる
  8. トリクロロアニソール (2,4,6-trichloroanisole)
  9. 第131回―「Nature出版社のテクニカルエディターとして」Laura Croft博士
  10. ヒドロゲルの新たな力学強度・温度応答性制御法

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年9月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

ニキビ治療薬の成分が発がん性物質に変化?検査会社が注意喚起

2024年3月7日、ブルームバーグ・ニュース及び Yahoo! ニュースに以下の…

ガラスのように透明で曲げられるエアロゲル ―高性能透明断熱材として期待―

第603回のスポットライトリサーチは、ティエムファクトリ株式会社の上岡 良太(うえおか りょうた)さ…

有機合成化学協会誌2024年3月号:遠隔位電子チューニング・含窒素芳香族化合物・ジベンゾクリセン・ロタキサン・近赤外光材料

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年3月号がオンライン公開されています。…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part3

日本化学会年会の付設展示会に出展する企業とのコラボです。第一弾・第二弾につづいて…

ペロブスカイト太陽電池の学理と技術: カーボンニュートラルを担う国産グリーンテクノロジー (CSJカレントレビュー: 48)

(さらに&hellip;)…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part2

前回の第一弾に続いて第二弾。日本化学会年会の付設展示会に出展する企業との…

CIPイノベーション共創プログラム「世界に躍進する創薬・バイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第104春季年会(2024)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「世界に躍進…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part1

今年も始まりました日本化学会春季年会。対面で復活して2年めですね。今年は…

マテリアルズ・インフォマティクスの推進成功事例 -なぜあの企業は最短でMI推進を成功させたのか?-

開催日:2024/03/21 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

分子のねじれの強さを調節して分子運動を制御する

第602回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科 塩谷研究室の中島 朋紀(なかじま …

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP