概要

カルボニル化合物の1,2－ジオール体への二量化反応。

金属はマグネシウムが用いられることが多いが、ランタンノイド金属化合物であるSmI₂を用いる、立体選択的ピナコールカップリングも研究が進んでいる。溶媒はTHFが良く用いられるが、HMPAのようなドナー性溶媒を添加するとラジカルアニオン中間体が安定化され、反応が円滑に進む。

基本文献

• Fittig, R. Ann. 1859, 110, 17.
• Justus, R. F. Liebigs Ann. Chem. 1859, 110, 23.
• Namy, J. L.; Souppe, J.; Kagan, H. B. Tetrahedron Lett. 1983, 24, 765. doi:10.1016/S0040-4039(00)81521-X
• Robertson, G. M. Comp. Org. Syn. 1991, 3, 563.

反応機構

反応例

McMurryカップリング条件は、低温で反応を行えばピナコールカップリング段階で反応を止められる。


SmI₂を用いる反応は、キレート制御の活用により、高い立体選択性が期待できることが少なくない。

2価のCe反応剤が生成し、還元能を有している[1]。これらの反応ではエステル、ニトリルなどは反応しない。

触媒的不斉ピナコールカップリングの例[2]。過去適用の難しかった脂肪族アルデヒドに対しても良好な選択性で目的物を与える。

実験手順

実験のコツ・テクニック

参考文献

関連反応

• ブーボー・ブラン還元 Bouveault-Blanc Reduction
• カガン・モランダーカップリング Kagan-Molander Coupling
• アシロイン縮合 Acyloin Condensation
• ピナコール転位 Pinacol Rearrangement
• マクマリーカップリング McMurry Coupling

関連書籍

関連リンク

• 有機って面白いよね！！「ランタノイド有機合成」
• Pinacol Coupling Reaction (organic-chemistry.org)
• Pinacol Coupling Reaction (Wikipedia)