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檜山クロスカップリング Hiyama Cross Coupling

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ハロゲン化合物、有機金属化合物 → アルケン、芳香族化合物

概要

アリールハライド・アリールトリフラートと有機ケイ素試薬を用いる、パラジウム触媒によるクロスカップリング反応。

有機ケイ素試薬は通常きわめて安定であり、クロスカップリングに用いるためにはフッ素などのLewis塩基アクティベーター添加を行い、トランスメタル化活性な高配位シリケート種にする必要がある。

ケイ素の置換基にはヘテロ原子やアリール基が通常必須となる。トリアルキルシリル基の場合には、シリケート種の形成が困難であり、クロスカップリングに用いることはきわめて難しい。

ケイ素の低毒性・低環境負荷性などは大きな利点であり、高いポテンシャルを秘める反応である。しかしながら現時点では、ヘテロ原子置換ケイ素化合物の穏和かつ一般的な合成法に乏しく、鈴木-宮浦カップリングほど応用展開が進んでいない。

アルキンのヒドロシリル化では内部ビニルシランを合成できる。この為、ヒドロホウ素化経由では実現できない位置選択性を出すことも可能。

基本文献

  • Hatanaka, Y.; Hiyama, T. J. Org. Chem. 198853, 918. doi:10.1021/jo00239a056
  • Hiyama, T.; Hatanaka, Y. Pure. Appl. Chem. 199466, 1471.
  • Hiyama, T. J. Organomet. Chem. 2002, 653, 58.
  • Denmark, S. E.; Obar, M. H. Aldrichimica Acta 200336, 75. [PDF]

 

反応機構

有機ケイ素種は安定であるため、フッ素などのルイス塩基によってトランスメタル化活性なシリケート種にしてやる必要がある。
hiyama_coupling_2.gif

反応例

シラシクロブタンはそのひずんだ構造に起因して、よりLewis酸性が高くなっている。このため、穏和な条件下、檜山クロスカップリングに用いることができる。[1] hiyama_coupling_4.gif
hiyama_coupling_5.gif
配位性のピリジルシリル基を用いたクロスカップリングにより、合成の難しい四置換オレフィンを完璧な位置選択性で合成できる。[2] hiyama_coupling_6.gif
デザインしたフェニルシラン誘導体を用いることで、フッ素を必要とせず檜山カップリングが進行する。副生してくるケイ素化合物は、再利用可能。[3] hiyama_coupling_3.gif
有機シラノールは、安価なTMSOKを塩基とする活性化を経て檜山クロスカップリングに伏すことができる。[4] フッ素源に弱い官能基を持つ基質に対しても用いることができる。
hiyama_coupling_7.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Denmark, S. E.; Choi, J. Y. J. Am. Chem. Soc. 1999121, 5821. DOI: 10.1021/ja9908117

[2] Itami, K.; Kamei, T.; Yoshida,J.-i. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 14670. DOI: 10.1021/ja037566i

[3] Nakao, Y.; Imanaka, H.; Sahoo, A. H.; Yada, A.; Hiyama, T. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 6952. DOI: 10.1021/ja051281j

[4] (a) Denmark, S. E.; Sweis, R. F. J. Am. Chem. Soc. 2001123, 6439. DOI: 10.1021/ja016021q

For mechanistic implications, see: (b) Denmark, S. E. et al. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 4865. DOI: 10.1021/ja037234d

(c) Denmark, S. E.; Sweis, R. F. J. Am. Chem. Soc. 2004126, 4876. DOI: 10.1021/ja0372356

 

関連反応

 

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外部リンク

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