[スポンサーリンク]

F

フリーデル・クラフツ アシル化 Friedel-Crafts Acylation

[スポンサーリンク]

芳香族化合物→芳香族化合物、ケトン

概要

  • ルイス酸存在下、酸ハライドもしくは酸無水物を用いることで、芳香環をアシル化する反応。電子供与基置換の芳香環のほうが、求引基置換のものより反応性が高い。
  • Friedel-Craftsアルキル化反応は転位体や多置換体が副生するため、分子内反応以外には用いにくい。一方、アシル化は電子求引性置換のため、通常一段階で反応が止まる。このため、分子間反応でも合成に用いやすい。

基本文献

  • Friedel, C.; Crafts, J. M. Compt. Rend. 187784, 1450.
  • Crafts, J. M.; Ador, E. Ber. 1877, 10, 2173.
  • Crafts, J. M.; Ador, E. Bull. Soc. Chim. France 1880, 531.

Review

  • Price, C.C. Org. React. 1946, 3, 1.
  • Gore, P. Chem. Rev. 1955, 55, 229. DOI: 10.1021/cr50002a001
  • Groves, J. K. Chem. Soc. Rev. 1972, 1, 73. DOI: 10.1039/CS9720100073
  • Eyley, S. C. Comprehensive Organic Synthesis 19912, 707.
  • Heaney, H. Comprehensive Organic Synthesis 19912, 733.
  • Rueping, M. Nachtsheim, B. J. Beilstein J. Org. Chem. 2010, 6, 1.  DOI:10.3762/bjoc.6.6

 

反応機構

求電子芳香族置換反応(SEAr)形式で進行する。酸ハライドとAlCl3から、高い求電子性を持つアシリウムイオンが生成し、これが活性種として働くとされる。
FC_acyl_2.gif

反応例

Fridel-Craftsアルキル化は一置換で止めることが難しい。このためFriedel-Craftsアシル化に引き続くClemmensen還元などで、一置換アルキル化体を合成する代替プロセスがしばしば用いられる。
以下はその一例[1]である。
FC_acyl_3.gif
フェノールフタレインの合成
FC_acyl_4.gif

実験手順

FC_acyl_5.gif
アニソール誘導体(380 mg, 2 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解し、窒素雰囲気下で0℃に冷却する。無水塩化アルミニウム(400 mg, 3 mmol)をゆっくり加え、混合物を15分撹拌する。酸塩化物(456mg, 2 mmol)のジクロロメタン溶液(5 mL)を0℃で滴下し、30分撹拌後、室温に昇温して一晩撹拌する。反応終了後、混合物を濃塩酸(2mL)を含む氷水(5mL)に注ぐ。混合物を10分撹拌後、ジクロロメタン(20mL)で三回抽出する。有機相をまとめ、水(20mL)と飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥剤を濾別して、溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=4/1)で精製すると半固体状のケトンが得られる(535mg, 収率70%) [2]

 

実験のコツ・テクニック

※クエンチするときには必ず、反応溶液を多めの氷水にゆっくり加える。水を反応溶液に加えてはいけない。塩化アルミニウムと激しく反応・発熱して一大事になる。

 

参考文献

  1. Lee, C. C.; Zohdi, H. F.; Sallam, M. M. M. J. Org. Chem. 1985, 50, 705. DOI: 10.1021/jo00205a034
  2. Patil, M. L. et al. Tetrahedron 2002, 58, 6615. DOI: 10.1016/S0040-4020(02)00740-8

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. ウルマンエーテル合成 Ullmann Ether Synthes…
  2. DABSOを用いるSO2導入反応 SO2 incorporati…
  3. シャープレス不斉ジヒドロキシル化 Sharpless Asyem…
  4. 水素化リチウムアルミニウム Lithium Alminum Hy…
  5. 奈良坂・プラサード還元 Narasaka-Prasad Redu…
  6. ジ-π-メタン転位 Di-π-methane Rearrange…
  7. フォン・ペックマン反応 von Pechmann Reactio…
  8. ウィッティヒ転位 Wittig Rearrangement

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 不均一系接触水素化 Heterogeneous Hydrogenation
  2. 分子構造をモチーフにしたアクセサリーを買ってみた
  3. 高分子材料中の微小異物分析技術の実際【終了】
  4. エッセイ「産業ポリマーと藝術ポリマーのあいだ」について
  5. 磁性流体アートの世界
  6. 海外機関に訪問し、英語講演にチャレンジ!~② アポを取ってみよう~
  7. 超原子価ヨウ素 Hypervalent Iodine
  8. 耐薬品性デジタルマノメーター:バキューブランド VACUU・VIEW
  9. 「人工金属酵素によるSystems Catalysisと細胞内触媒反応」University of Basel, T. R. Ward研より
  10. 燃える化学の動画を集めてみました

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

注目情報

注目情報

最新記事

第142回―「『理想の有機合成』を目指した反応開発と合成研究」山口潤一郎 教授

第142回の化学者インタビューは日本から、皆さんご存じ、山口潤一郎教授の登場です。名古屋大学理学部化…

【書籍】ゼロからの最速理解 プラスチック材料化学

今月発売された『ゼロからの最速理解 プラスチック材料化学』(佐々木 健夫 著,コロナ社)という書籍を…

重水は甘い!?

同位体はある元素、すなわち同一の原子番号をもつ原子核において、中性子数の異なる核種のことをいいますね…

人物でよみとく化学

概要化学の歴史をつくった約50人を収録。高校・大学の化学の勉強に役立つ16テーマをあつかい、…

金属ナトリウム分散体(SD Super Fine ™)

概要金属ナトリウム分散体(SD Super Fine ™)は、金属ナトリウムの微粒…

アクセラレーションプログラム 「BRAVE 2021 Spring」 参加チームのエントリー受付中!(5/10〆切)

Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社⻑:伊藤毅、以下「…

赤キャベツから新しい青色天然着色料を発見 -青色1号に代わる美しく安定なアントシアニン色素-

青の食品着色料として広く使われる化学合成の「青色1号」とほぼ同じ色で、長期保存時の安定性に優れた天然…

砂塚 敏明 Toshiaki Sunazuka

砂塚 敏明 (すなづか としあき)は、日本の有機化学者である。学校法人北里研究所 理事、北里大学大村…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP