[スポンサーリンク]

C

クロム(η6-アレーン)カルボニル錯体 Cr(η6-arene)(CO)3 Complex

[スポンサーリンク]

 

概要

Cr(η6-arene)(CO)3錯体は、ベンゼン誘導体及びクロムヘキサカルボニルから容易に調製される。

クロムカルボニルが配位した芳香環は電子不足になるため、通常進行しにくい芳香族求核置換反応(SNAr反応)を起こすことが可能となる。同様の理由から芳香環上・置換基上のプロトンの酸性度も向上するため、核リチオ化なども容易に起こせる。

また、クロムトリカルボニル部位は立体障害基としても働くため、立体選択的に置換基・官能基を導入するための手法としても利用できる。クロムが配位することで芳香環の置換基はエナンチオトピックとなり、面不斉を利用した不斉合成も行える。

クロム上のd電子関与により、ベンジル位のカチオンが安定化される。このため、Nicholas反応様式の立体特異的SN1置換反応も可能となる。
cr_arene_2.gif
このように、種々の興味深い性質を示す錯体であるが、量論量の有毒クロムを用いることが必要なうえ、錯体が酸素に不安定なため、実用面ではさらなる改善が求められる。

基本文献

 

反応機構

 

反応例

処理の手順によって生成物が異なる。
cr_arene_3.gif
種々の化合物合成にも用いられている。

 

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

The following two tabs change content below.
Hiro

Hiro

Hiro

最新記事 by Hiro (全て見る)

関連記事

  1. アセタール還元によるエーテル合成 Ether Synthesis…
  2. フォルスター・デッカー アミン合成 Forster-Decker…
  3. エルマンイミン Ellman’s Imine
  4. チャン転位(Chan Rearrangement)
  5. グリニャール反応 Grignard Reaction
  6. マクマリーカップリング McMurry Coupling
  7. 不均一系接触水素化 Heterogeneous Hydrogen…
  8. バナジル(アセチルアセトナト) Vanadyl(IV) acet…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. Googleの面接で話した自分の研究内容が勝手に特許出願された
  2. マリウス・クロア G. Marius Clore
  3. フレデリック・キッピング Frederic Stanley Kipping
  4. フェイスト・ベナリー フラン合成 Feist-Benary Furan Synthesis
  5. トリプトファン選択的なタンパク質修飾反応の開発
  6. デニス・ドーハティ Dennis A. Dougherty
  7. ギンコライド ginkgolide
  8. 視覚を制御する物質からヒントを得た異性化反応
  9. デンドリマー / dendrimer
  10. フィリップ・イートン Phillip E. Eaton

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

「日産化学」ってどんな会社?

―ぶれずに価値創造。私たちは、生み出し続ける新たな価値で、ライフサイエンス・情報通信・環境エ…

有機合成化学協会誌2019年10月号:芳香族性・O-プロパルギルオキシム・塩メタセシス反応・架橋型人工核酸・環状ポリアリレン・1,3-双極子付加環化反応

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2019年10月号がオンライン公開されました。…

有機合成に活躍する器具5選|第1回「有機合成実験テクニック」(リケラボコラボレーション)

以前お知らせしたとおり理系の理想の働き方を考える研究所「リケラボ」とコラボレーションして、特集記事を…

2019年ノーベル化学賞は「リチウムイオン電池」に!

スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を、リチウムイオン電池を開発した旭化…

マテリアルズインフォマティクスでリチウムイオン電池の有機電極材料を探索する

第223回のスポットライトリサーチは、沼澤 博道さんにお願い致しました(トップ画像は論文から出典)。…

米陸軍に化学薬品検出スプレーを納入へ

米センサー・システムのフリアーシステムズは、化学兵器として使用されるマスタードガスなどを検出するスプ…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP