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水素化リチウムアルミニウム Lithium Alminum Hydride (LAH)

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概要

水素化リチウムアルミニウム(Lithium Alminum Hydride, LAH)は、LiAlH4の示性式を持つ強力な還元剤。ケトン、アルデヒドはもちろんのこと、カルボン酸やエステルをもアルコールに還元することが出来る。ニトリルやアミドとも反応し、アミンを与える。ハロゲン化合物やスルホニル化合物とも反応し、ヒドリド置換体を与える。エポキシドと反応し、開環生成物を与える。

反応にはLAHと反応せず、溶解性も高い脱水THF・ジエチルエーテルなどを溶媒に用いる。水やプロトン性溶媒とは激しく反応し、水素ガスを発生するために反応溶媒としては用いることができない。

基本文献

 

反応機構

LAH_2.gif

反応例

塩化アルミニウムとLAHを適切な量比で混合させることで、アラン(AlH3)[1]を系中生成できる。これは強いルイス酸性を兼ね備えた強力な還元剤として働く。特にα,β-不飽和カルボニル化合物の1,2-還元に良い結果を与える。以下はその例[2]。カルボニルをメチレンに還元することも可能。

LAH_3.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

※反応停止を水だけで行うと、アルミニウムを含む不溶性の沈殿が生じて後処理が困難になり、目的物が取り込まれ収率が低下する。加えて度々発火事故を起こすので、適した方法を用いる。詳細はWikipediaの後処理項目を参照。

 

参考文献

[1] Brown, H. C.; Krishnamurthy, S. Tetrahedron 1979, 35, 567. doi:10.1016/0040-4020(79)87003-9

[2] Raghavan, S. et al. J. Org. Chem. 2002, 67, 5838. DOI: 10.1021/jo015921m

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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