[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

レギッツジアゾ転移 Regitz Diazo Transfer

[スポンサーリンク]

 

概要

活性メチレン化合物はスルホニルアジドと反応させることで、ジアゾ化合物へと変換できる。

これらジアゾ化合物は、1,3-双極子、もしくは金属カルベノイド前駆体として働く。後者としてはシクロプロパン化C-H挿入反応などに用いる事が出来る。

 

基本文献

 

反応機構

diazo_4.gif

反応例

ケトンα位に関してはそのままでは反応しない。ホルミル基を導入する段階法が良い結果を与える[1]。 より敏感な化合物はトリフルオロアセチル基を同様の目的で用いることができる。[2] diazo_3.gif
安価に調製されるビストシルヒドラジン試薬は、塩基性条件下、α-ハロエステルをα-ジアゾエステルに効率よく変換する。[3] diazo_2.gif
アジドをジアゾ化合物へと一段階で変換する試薬が開発されている。[4] diazo_5.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

※ジアゾ化合物には一般に潜在的な毒性および爆発性があるので、取り扱いには注意する。

 

参考文献

[1] Regtiz, M.; Rueter, J. Chem. Ber. 1968101, 1263.

[2] Danheiser, R. L.; Miller, R. F.; Brisbois, R. G.; Park, S. Z. J. Org .Chem. 1990, 55, 1959. DOI: 10.1021/jo00293a053

[3] Toma, T.; Shimokawa, J.; Fukuyama, T. Org. Lett. 20079, 3195. DOI: 10.1021/ol701432k

[4] Myers, E. L.; Raines, R. T. Angew. Chem. Int. Ed. 200948, 2359. DOI:10.1002/anie.200804689

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ケック ラジカルアリル化反応 Keck Radicallic A…
  2. フロインターベルク・シェーンベルク チオフェノール合成 Freu…
  3. シャウ ピリミジン合成 Shaw Pyrimidine Synt…
  4. アセタール系保護基 Acetal Protective Grou…
  5. 生体共役反応 Bioconjugation
  6. アザ-ウィティッヒ反応 Aza-Wittig Reaction
  7. ネフ反応 Nef Reaction
  8. ウォルフ・キシュナー還元 Wolff-Kishner Reduc…

注目情報

ピックアップ記事

  1. Reaxys PhD Prize 2020募集中!
  2. 反応機構を書いてみよう!~電子の矢印講座・その2~
  3. ロータリーエバポレーターの回転方向で分子の右巻き、左巻きを制御! ―生命のホモキラリティーの起源に踏み込む―
  4. 有機合成化学特別賞―受賞者一覧
  5. ビス(ピナコラト)ジボロン:Bis(pinacolato)diboron
  6. 【書籍】アリエナイ化学実験の世界へ―『Mad Science―炎と煙と轟音の科学実験54』
  7. マティアス・クリストマン Mathias Christmann
  8. MOFはイオンのふるい~リチウム-硫黄電池への応用事例~
  9. 青色発光ダイオードの赤﨑勇氏らに京都賞
  10. ナザロフ環化 Nazarov Cyclization

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年7月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP