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磯部 寛之 Hiroyuki Isobe

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磯部寛之(いそべひろゆき、1970年11月9日–東京都生まれ)は日本の有機化学者である。東京大学理学系研究科教授・東北大学名誉教授・ERATO磯部縮退π集積プロジェクト研究総括

経歴

1994 東京工業大学理学部化学科卒業 (中村栄一 教授)
1996 東京工業大学大学院 修士号取得 (中村栄一 教授)
1996 プリンストン大学留学 (D. Kahne 教授)
1999 東京大学 博士号取得 (中村栄一 教授)
1996–1999 日本学術振興会フェロー
1998–2004 東京大学化学科 助教授
2004–2007 東京大学化学科 准教授
2003–2007 科学技術振興機構 さきがけ研究員
2007–2016 東北大学化学科 教授
2013–2017 東北大学材料科学高等研究所(AIMR) 主任研究員
2013– 科学技術振興機構ERATO磯部縮退π集積プロジェクト 研究総括
2016– 東京大学化学科 教授

受賞歴

2000 The 1st IUPAC Prize for Young Chemists
2001 第1回天然物化学談話会奨励賞
2004 第53回日本化学会進歩賞
2005 第1回フラーレンナノチューブ学会大澤賞
2007 第20回有機合成化学協会万有製薬研究企画賞
2008 Asian Core Program Lectureship Awards for 2009 (China and Singapore)
2008 文部科学大臣若手科学者賞
2009: 第5回野副記念奨励賞
2010 コニカミノルタ画像科学奨励賞
2014 グッドデザイン賞
2015 Honorary International Chair Professor at National Taipei University of Technology
2016 第33回日本化学会学術賞
2016 東北大学名誉教授
2017 第33回井上学術賞
2017 グッドデザイン賞
2017 Xing Da Lectureship (#526) from Peking University
2018 Molecular Science Frontier Lectureship, Institute of Chemistry, Chinese Academy of Sciences
2018 富士フイルム・機能性材料化学賞

研究概要

単層カーボンナノチューブの化学合成

多環芳香族炭化水素(PAH)の一種であるクリセン誘導体を用いたカップリング反応によりらせん型、アームチェア型の異なる六種類の単層カーボンナノチューブを一挙に合成することに成功した[1a]。コレステロール由来の固定相を有するカラムを使用することでこれらの単離、構造決定を行い、光学活性カーボンナノチューブの化学合成が可能なことを明らかにした。また、反応系にコレステロールを添加することで右巻き選択的に単層カーボンナノチューブの合成が可能であることを見出した。これは、カーボンナノチューブの不斉合成に世界で初めて成功した例である。

さらに、クリセン誘導体を異なる位置でカップリングさせることでジグザグ型単層カーボンナノチューブのボトムアップ化学合成に世界で初めて成功した[1b](X線図は論文1bより引用)

 

単層カーボンナノチューブを用いた分子ベアリングの開発

独自に合成した単層カーボンナノチューブに化学修飾したフラーレンを取り込ませた分子ピーポッドを合成し、カーボンナノチューブ内部のフラーレンが軸回転を起こす世界最小の量産型分子ベアリングとして働くことを見出した[2a]。従来の分子一つずつの観測から量産型精密合成によりモル単位での分子ベアリングの観測を可能にした点が特筆すべきである。詳細な研究により回転運動には「歳差運動」と「自転運動」という二種類の回転様式が温度に依存し存在することや、固体状態でも回転を続けること、カーボンナノチューブ内部に変曲点のない滑らかな曲面が存在しほぼ摩擦がなく回転運動を行うことなどを実証した[2a,b,c,d](A,Bはプレスリリースより引用、図Cは論文2dより引用)

ユニークな骨格を有する分子の開発

前述の単層カーボンナノチューブや分子ベアリングの他にもこれまでにカップリング反応により合成したボウル状の化合物やオキサノルボルナジエンをコーナーユニットとし合成したカーボンナノフープなど興味深い構造の分子を多数報告している[3a,b](Dは論文3a、図Eは論文3bより引用)

他にも大環状有機化合物の電池や有機EL材料への応用研究や、数学者と共同研究によりカーボンナノチューブの長さを測る指標の提案やベルト状分子の構造を幾何学的に解明するなど分野横断型の研究も行っている[4a,b,c,d]

名言集

動画

 

コメント&その他

  • 化学分野で修士号を取得後建築を学んだ建築家と機能性を損なうことなく美しさを追求した研究室設計を行っており、研究施設がこれまでに二回グッドデザイン賞を受賞している。
  • 東日本大震災の経験を活かし安全対策のtips集を研究室ホームページで公開している。
  • 趣味は歌うこと
  • 信条は「非凡なる凡人」

関連文献

  1. (a) Hitosugi, S.; Nakanishi, W.; Yamasaki, T.; Isobe, H. Nat. Commun.2011, 2, 492. DOI: 10.1038/ncomms1505.(b) Hitosugi, S.; Yamasaki, T.; Isobe, H. J. Am. Chem. Soc. 2012,134,12442.DOI: 10.1021/ja305723j.
  2. (a) Isobe, H.; Hitosugi, S.; Yamasaki, T.; Iizuka, R. Chem. Sci 2013, 4, 1293. DOI: 10.1039/c3sc22181d.(b) Sato, S.; Yamasaki, T.; Isobe, H. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2014111, 8374. DOI: 10.1073/pnas.1406518111.(c) Isobe, H.; Nakamura, K.; Hitosugi, S.; Sato, S.; Tokoyama, H.; Yamakado, H.; Ohno, K.; Kono, H. Chem. Sci.2015, 6, 2746. DOI: 10.1039/c5sc00335k.(d) Matsuno, T.; Nakai, Y.; Sato, S.; Maniwa, Y.; Isobe, H. Nat. Commun. 2018, 9, 1907. DOI: 10.1038/s41467-018-04325-2. (e) 東北大学プレスリリース2015年1月8日http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/01/press20130108-01.html(f) 東北大学プレスリリース2015年3月2日https://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/jp/news/press/2015/20150302_000541.html
  3. (a) Ikemoto, K.; Kobayashi, R.; Sato, S.; Isobe, H. Angew. Chem. Int. Ed. 201756, 6511. DOI: 10.1002/anie.201702063.(b) Sun, Z.; Miyamoto, N.; Sato, S.; Tokuyama, H.; Isobe, H.Chem. Asian J. 201712, 271. DOI: 10.1002/asia.201601614.
  4. (a) Xue, J. Y.; Izumi, T., Yoshii, A.; Ikemoto, K.; Koretsune, T.; Akashi, R.; Arita, R.; Taka, H.; Kita, H.; Sato, S.; Isobe, H. Chem. Sci.2016, 7, 896. DOI: 10.1039/C5SC03807C.(b) Sato, S.; Unemoto, A.; Ikeda, T.; Orimo, S.; Isobe, H. Small2016,12, 3381. DOI:10.1002/smll.201600916.(c) Matsuno, T.; Naito, H.; Hitosugi, S.; Sato, S.; Kotani, M.; Isobe, H. Pure Appl. Chem. 201486, 489. DOI: 10.1515/pac-2014-5006(d) Sun, Z.; Suenaga, T.; Sarkar, P.; Sato, S.; Kotani, M.; Isobe, H. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2016113, 8109. DOI: 10.1073/pnas.1606530113.

関連リンク

Isobe Laboratory

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