[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ジョン・ケンドリュー John C. Kendrew

[スポンサーリンク]

ジョン・コウデリー・ケンドリュー(John Cowdery Kendrew、1917年3月24日-1997年8月23日)は、イギリスの生化学者・結晶学者である(写真:NNDB)。タンパク質のX線結晶構造解析を世界で初めて達成した。この業績により1962年のノーベル化学賞を受賞している。

経歴

1923-1930 オックスフォード ドラゴンスクール
1930-1936 ブリストル クリフトンカレッジ
1936-1939 ケンブリッジ大学トリニティカレッジ
1939 ケンブリッジ大学
1939 航空省研究機関
1946 キャベンディッシュ研究所
1947 ピーターハウス フェロー
1949 博士号取得
1954 王立研究所 デイヴィー・ファラデー研究室 リーダー
1962 Sc.D.取得
1974-1988 ヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL)ディレクター
1974-1979 大英博物館
1974-1988 国際科学連合評議会
1981-1987 オックスフォード大学 セントジョンズカレッジ

受賞歴

1960 王立協会フェロー
1962 ノーベル化学賞(マックス・ペルーツと共同受賞)
1965 ロイヤルメダル
1967 アメリカ生化学会フェロー
1967 国際科学アカデミー 名誉会員
1974 ナイトの称号

研究概要

タンパク質のX線結晶構造解析

タンパク質の3次元構造を史上初めて世に送り出した、ミオグロビンのX線結晶構造解析[1]が歴史的偉業。1957年には6Å分解能、1960年には2Å分解能で3次元構造モデルを構築した。

ケンドリューが作ったミオグロビンの模型(論文[2]より引用)

マッコウクジラのミオグロビン(PDB: 1MBN)

この偉業を皮切りに、生命を分子構造から理解しようとする学問=構造生物学(structural biology)が勃興した。

コメント・その他

  1. 父はオックスフォード大 気候学者のウィルフリッド・ジョージ・ケンドリュー、母は美術史家のイヴリン・サンドバーグ。
  2. 欧州分子生物学機構(EMBO)の創設者の一人。
  3. Journal of Molecular Biology誌の創設者。

関連動画

 

関連論文

  1. “A three-dimensional model of the myoglobin molecule obtained by x-ray analysis” Kendrew, J. C.; Bodo, G.; Dintzis, H. M.; Parrish, R. G.; Wyckoff, H.; Phillips, D. C. Nature 1958, 181, 662-666. doi:10.1038/181662a0
  2. “John Kendrew and Myoglobin: Protein Structure Determination in the 1950s” de Chadarevian, S. Protein Sci. 2018, 27, 1136.  DOI: 10.1002/pro.3417
  3. 「科学技術の体制を築いた人々」有本建男、情報管理, 1999, 41,852. doi:10.1241/johokanri.41.852

関連書籍

外部リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. アメリ化学会創造的有機合成化学賞・受賞者一覧
  2. ジョージ・チャーチ George M. Church
  3. カルロス・バーバス Carlos F. Barbas III
  4. スチュアート・シュライバー Stuart L. Schreibe…
  5. 林松 Song Lin
  6. ロバート・クラブトリー Robert H. Crabtree
  7. ジャネット・M・ガルシア Jeannette M. Garcia…
  8. 福住 俊一 Shunichi Fukuzumi

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 固体なのに動くシャトリング分子
  2. ケーニッヒ・クノール グリコシド化反応 Koenigs-Knorr Glycosidation
  3. 布施 新一郎 Shinichiro Fuse
  4. ルミノール誘導体を用いるチロシン選択的タンパク質修飾法
  5. アメリカで医者にかかる
  6. CASがSciFinder-nの画期的逆合成プランナーの発表で研究・開発の生産性向上を促進
  7. Nature Chemistry誌のインパクトファクターが公開!
  8. 第18回「化学の職人」を目指すー京都大学 笹森貴裕准教授
  9. とある化学者の海外研究生活:イギリス編
  10. 書物から学ぶ有機化学 2

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

注目情報

最新記事

トンネル構造をもつマンガン酸化物超微粒子触媒を合成

第409回のスポットライトリサーチは、東京工業大学 物質理工学院 材料系 原・鎌田研究室に在籍されて…

第174回―「特殊な性質を持つフルオロカーボンの化学」David Lemal教授

第174回の海外化学者インタビューは、デヴィッド・レマル教授です。ダートマスカレッジ化学科に所属し、…

二核錯体による窒素固定~世界初の触媒作用実現~

Tshozoです。先月このような論文がNature本誌に発表されました。窒素固定と言えばやはり筆…

有機合成化学協会誌2022年8月号:二酸化炭素・アリル銅中間体・遺伝子治療・Phaeosphaeride・(−)-11-O-Debenzoyltashironin・(−)-Bilobalide

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2022年8月号がオンライン公開されました。筆…

生体分子と疾患のビッグデータから治療標的分子を高精度で予測するAIを開発

第 408 回のスポットライトリサーチは、九州工業大学 情報工学府 博士後期課程…

尿酸 Uric Acid 〜痛風リスクと抗酸化作用のジレンマ〜

皆さん、尿酸値は気にしてますか? ご存知の通り、ビールやお肉に豊富に含まれるプリ…

第173回―「新たな蛍光色素が実現する生細胞イメージングと治療法」Marina Kuimova准教授

第173回の海外化学者インタビューは、マリナ・クイモヴァ准教授です。インペリアル・カレッジ・ロンドン…

Biotage Selekt のバリュープライス版 Enkel を試してみた

Biotage の新型自動フラッシュクロマトシステム Selekt のバリュープライ…

【9月開催】第1回 マツモトファインケミカル技術セミナー 有機チタン、ジルコニウムが使用されている世界は?-オルガチックスの用途例紹介-

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

超分子ランダム共重合を利用して、二つの”かたち”が調和されたような超分子コポリマーを造り、さらに光反応を利用して別々の”かたち”に分ける

第407回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院 融合理工学府 先進理化学専攻 共生応用化学コー…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP