[スポンサーリンク]

ケムステニュース

乳がんを化学的に予防 名大大幸医療センター

[スポンサーリンク]

 

a39c82cb.jpg

三十代以降の女性にとって、乳がんは怖い病気の一つ。名古屋大大幸医療センターは、閉経後で身内が乳がんになったなど発症リスクが高い人を対象に、米国で予防効果が示されている「塩酸ラロキシフェン」を処方する自由診療を、二十二日から始める。国内では「ラロキシフェン」の予防効果はまだ実証されておらず、がんを予防するために薬を用いる化学予防も一般的ではない中、大学病院のこうした取り組みは、きわめて珍しい(引用:中日新聞)。

?塩酸ラロキシフェン(Raloxifene hydrochloride)は前の記事にも書いたように(関連記事参照)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター:SERMとして、骨粗鬆症の治療薬としても、世界ではすでに1000万人以上の女性が利用し、最近国内でもよくつかわれています。それが最近、米国立がんセンターの研究結果により乳がんの予防になるという報告があったのです。

 通常はエストロゲン製剤を長い間もちいると、逆に乳がんの発生率を高めてしまいます。ただし、この塩酸ラロキシフェンは骨以外でエストロゲン(骨の量をたもつ女性ホルモン)の役割をせず、がんの発生率は高めません。それだけでなく、予防効果もあるといわれています。実際ははっきりとした根拠がいまだわかっておりませんが、もし予防効果があるのならば、すばらしいことですね。

  • 関連リンク

乳がんの基礎知識

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. サンケイ化学、フェロモン剤を自社生産
  2. トムソン・ロイターのIP & Science事業売却へ…
  3. Pfizer JAK阻害薬tofacitinib承認勧告
  4. 100兆分の1秒を観察 夢の光・XFEL施設公開
  5. メルク、主力薬販売停止で15%減益
  6. ヘリウムガスのリサイクルに向けた検討がスタート
  7. 四角い断面を持つナノチューブ合成に成功
  8. 石油・化学プラントのスマート保安推進に向けて官民アクションプラン…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 次世代の産学連携拠点「三井リンクラボ柏の葉」を訪問しました!
  2. うっかりドーピングの化学 -禁止薬物と該当医薬品-
  3. グレッグ・フー Gregory C. Fu
  4. 化学でもフェルミ推定
  5. 有機合成化学協会誌2021年8月号:ナノチューブカプセル・ナノグラフェン・芳香環C-H変換・メタルフリー複素環合成・スピロシクロプロパン
  6. ポンコツ博士の海外奮闘録③ 〜博士,車を買う~
  7. 2016年8月の注目化学書籍
  8. 第95回日本化学会付設展示会ケムステキャンペーン!Part I
  9. ビナミジニウム塩 Vinamidinium Salt
  10. Cooking for Geeks 第2版 ――料理の科学と実践レシピ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年6月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

細谷 昌弘 Masahiro HOSOYA

細谷 昌弘(ほそや まさひろ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の創薬科学者である。塩野義製薬株式…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP