[スポンサーリンク]

ケムステニュース

希少金属

[スポンサーリンク]

「携帯電話を使えば使うほどゴリラの絶滅が加速する」。とんでもない話に聞こえるかもしれないが、環境活動家の間ではよく知られていることだ。 説明はこうだ。

? 携帯電話やコンピューター基板などに使われる部品のうち、タンタルコンデンサーというものがある。 一定の電圧を維持する機能があるが、高温に強い金属のタンタルは他の材料に比べて性能が優れ、小型化しやすい。

? 携帯電話の世界的な普及とともにタンタルを含有する鉱物コルタンは一躍脚光を浴びた。 だが、最大埋蔵国のコンゴ民主共和国ではむしろ不幸の種となった。 コルタンの採掘と流通が武装反乱軍勢力の手中にあるからだ。 反乱軍は川底に堆積した泥から採取したコルタンを売り、武器と活動資金を調達する。 コンゴ内戦はおよそ10年ぶりに終戦段階に入ったが、コルタンの産地である東部地域では依然として銃声が響いている。 コルタンの産地はたまたまゴリラの生息地と一致している。 この10年間に集中したコルタン採掘者のため山林は荒れ、何の罪もないゴリラまでが個体数の半減という災難を受けた(引用:中央日報)。

 

?タンタルは硬く磁性に優れた金属であるため、多様な利用・研究が行われています。インプラント材料などにも使われていますが、最も代表的なタンタルの用途は、このニュースに記してあるように、電解コンデンサです。電極にタンタルが使われており、一般的なアルミ電解コンデンサより小型化が可能で、現在のパソコンや携帯電話の普及にも大きく貢献しました。そのため、タンタルが高騰してしまって起きてしまった悲劇のようです。

 

現在では類似した性質を持つ安価でタンタルよりも約10倍の埋蔵量を有する、ニオブを使ったニオブコンデンサの研究が行われています。

 

ニオブとタンタルは非常に性質が似通っていて、実際ニオブとタンタルの混合物は(はじめは単一の元素だと考えていた)発見から60年以上かかって、分離されました。

 

関連書籍

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 第63回野依フォーラム例会「データ駆動型化学が拓く新たな世界」特…
  2. 化学物質MOCAでがん、4人労災
  3. 日本化学界の英文誌 科学分野 ウェッブ公開の世界最速実現
  4. ノバルティス、後発薬品世界最大手に・米独社を買収
  5. ユニバーサル・フェーズセパレーター発売
  6. 「科研費の採択を受けていない研究者」へ研究費進呈?
  7. 石テレ賞、山下さんら3人
  8. 肥満防止の「ワクチン」を開発 米研究チーム

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. バールエンガ試薬 Barluenga’s Reagent
  2. ディールス・アルダー反応 Diels-Alder Reaction
  3. エッシェンモーザーメチレン化 Eschenmoser Methylenation
  4. 塩にまつわるよもやま話
  5. ケムステニュース 化学企業のグローバル・トップ50が発表【2020年版】
  6. 多摩霊園
  7. ついったー化学部
  8. 3.11 14:46 ①
  9. 配位子だけじゃない!触媒になるホスフィン
  10. 大村智 ー2億人を病魔から守った化学者

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年6月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

注目情報

最新記事

メカノケミカル有機合成反応に特化した触媒の開発

第 497回のスポットライトリサーチは、北海道大学総合化学院 有機元素化学研究室…

ポンコツ博士の海外奮闘録XVII~博士,おうちを去る~

ポンコツシリーズ国内編:1話・2話・3話国内外伝:1話・2話・留学TiPs海外編:1話・…

研究内容を「ダンス」で表現するコンテスト Dance Your Ph.D.

アメリカ科学振興協会(AAAS)と科学誌Scienceが開催する論文ダンスコンテスト「Dance…

ゲノムDNA中の各種修飾塩基を測定する発光タンパク質構築法を開発

第496回のスポットライトリサーチは、東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科 バイオニクス専攻…

SDGsと化学: 元素循環からのアプローチ

概要 元素循環化学は、SDGs の達成に寄与するものとして近年関心が増している。本書では、元…

【技術者・事業担当者向け】 マイクロ波がもたらすプロセス効率化と脱炭素化 〜ケミカルリサイクル、焼成、乾燥、金属製錬など〜

<内容>脱炭素化と省エネに貢献するモノづくり技術の一つとして、昨今注目を集めているマイクロ波。当…

分子糊 モレキュラーグルー (Molecular Glue)

分子糊 (ぶんしのり、Molecular Glue) とは、2個以上のタンパク質…

原子状炭素等価体を利用してα,β-不飽和アミドに一炭素挿入する新反応

第495回のスポットライトリサーチは、大阪大学大学院工学研究科 応用化学専攻 鳶巣研究室の仲保 文太…

【書評】現場で役に立つ!臨床医薬品化学

「現場で役に立つ!臨床医薬品化学」は、2021年3月に化学同人より発行された、医…

環状ペプチドの効率的な化学-酵素ハイブリッド合成法の開発

第494回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院生命科学院 天然物化学研究室(脇本研究室) 博…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP