[スポンサーリンク]

ケムステニュース

青色発光ダイオードの赤﨑勇氏らに京都賞

[スポンサーリンク]

 稲森財団は19日、2009年京都賞受賞者に青色発光ダイオード(LED)の実現で先駆的な研究業績を挙げた赤﨑勇・名古屋大学特別教授・名城大学教授ら4氏を選んだ、と発表した。赤﨑氏は、ほぼ不可能と言われていた窒化ガリウム系pn接合を実現し、青色発光素子の実用化に道を開いた業績で世界的に知られる。先端技術部門での受賞となった。(中略)
授賞式は11月10日に国立京都国際会館で行われ、受賞者にはそれぞれディプロマ、メダルと賞金5,000万円(グラント博士夫妻は折半)が贈られる。(文章・写真引用:Science Portal)

 

京都賞(Kyoto Prize)とは、科学や技術、文化において著しい貢献をした人々に与えられる日本発の国際賞です。元京セラ会長である稲盛和夫によって設立された稲盛財団によって主催されています。大変名誉ある賞の一つとして国際的にも高い評価を受けており、ノーベル賞クラスの科学者たちも多数受賞しているような賞です。

 

2009年度で25周年となる、記念すべき京都賞受賞者がこのたび発表されました。今年は先端技術部門において、名城大・赤﨑勇教授が受賞することとなりました。おめでとうございます!


?赤﨑教授は1960代より先駆的研究を行い、窒化ガリウム(GaN)の青色発光素子としての可能性を、ほとんどの面で実証しました。具体的には、従来不可能とされていたGaNの結晶化に1985年に成功[1]し、さらには、そのp-n接合を実現させ、GaNが発光ダイオードとして機能することを、世界で初めて実証しました。

 

GaN.jpg

 

 

青色発光ダイオードの実用化というと、元日亜化学工業・米サンタバーバラ大中村修二教授が真っ先に思い浮かぶかと思えます。しかしそれは、赤崎教授の基礎的知見があってこそ成し遂げられた仕事です。中村教授は赤﨑教授の基礎研究を参考にし、実用的製法を開発しました。すなわち、「中村教授は基礎から実用への橋渡し的役割を担った」というのが、正確な理解になります。

 

中村教授の知名度に隠れてしまいがちですが、青色発光ダイオードの発明者は、厳密には中村教授ではなく赤﨑教授だといえます。氏の研究がなければ、青色発光素子は現在まで実用化に至らなかったとも言われているほどで、氏の業績は世界的にもきわめて高い評価を受けています。

 

関連文献

[1] Amano, H.; Sawaki, N.; Akasaki, I.; Toyoda, Y. Appl. Phys. Lett. 1986, 48, 353. DOI:10.1063/1.96549

 

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4526055735″ locale=”JP” title=”青色発光ダイオードは誰のものか―世紀の発明がもたらした技術経営問題を検証する (B&Tブックス)”][amazonjs asin=”4532168511″ locale=”JP” title=”青い光に魅せられて 青色LED開発物語”]

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 金大発『新薬』世界デビュー
  2. ESI-MSの開発者、John B. Fenn氏 逝去
  3. 「先端触媒構造反応リアルタイム計測ビームライン」が竣工
  4. L・スターンバック氏死去 精神安定剤開発者
  5. 様々な化学分野におけるAIの活用
  6. 薬の副作用2477症例、HP公開始まる
  7. 北九州における化学企業の盛んな生産活動
  8. 韓国に続き日本も深刻化?トラック運送に必要不可欠な尿素水が供給不…

注目情報

ピックアップ記事

  1. サントリー:重曹を使った新しい飲料「水分補給炭酸」発売
  2. 指向性進化法 Directed Evolution
  3. 創造化学研究所、環境負荷の少ない実証ベンチプラント稼動へ
  4. 開発者が語る試薬の使い方セミナー 2022 主催:同仁化学研究所
  5. 海洋シアノバクテリアから超強力な細胞増殖阻害物質を発見!
  6. 化学研究者がAIを味方につける時代―専門性を武器にキャリアを広げる方法―
  7. UCリアクター「UCR-150N」:冷媒いらずで-100℃!
  8. 立体電子効果―三次元の有機電子論
  9. 持続可能社会をつくるバイオプラスチック
  10. 次世代電池の開発と市場予測について調査結果を発表

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

リサイクル・アップサイクルが可能な植物由来の可分解性高分子の開発

第694回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院理工学府(跡部・信田研究室)卒業生の瀬古達矢…

第24回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

粉末 X 線回折の基礎知識【実践·データ解釈編】

粉末 X 線回折 (powder x-ray diffraction; PXRD) は、固体粉末の試…

異方的成長による量子ニードルの合成を実現

第693回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科(佃研究室)の髙野慎二郎 助教にお願…

miHub®で叶える、研究開発現場でのデータ活用と人材育成のヒント

参加申し込みする開催概要多くの化学・素材メーカー様でMI導入が進む一…

医薬品容器・包装材市場について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、医…

X 線回折の基礎知識【原理 · 基礎知識編】

X 線回折 (X-ray diffraction) は、原子の配列に関する情報を得るために使われる分…

有機合成化学協会誌2026年1月号:エナミンの極性転換・2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA)・細胞内有機化学反応・データ駆動型マルチパラメータスクリーニング・位置選択的重水素化法

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2026年1月号がオンラインで公開されています。…

偶然と観察と探求の成果:中毒解毒剤から窒素酸化物を窒素分子へ変換する分子へ!

第692回のスポットライトリサーチは、同志社大学大学院理工学研究科(小寺・北岸研究室)博士後期課程3…

嬉野温泉で論文執筆缶詰め旅行をしてみた【化学者が行く温泉巡りの旅】

論文を書かなきゃ!でもせっかくの休暇なのでお出かけしたい! そうだ!人里離れた温泉地で缶詰めして一気…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP