[スポンサーリンク]

ケムステニュース

ヘリウム新供給プロジェクト、米エアプロダクツ&ケミカルズ社

[スポンサーリンク]

 

The industrial gases firm will separate helium from naturally occurring underground carbon dioxide that is extracted by Kinder Morgan CO2 and piped to Texas for use in enhanced oil recovery. (C&EN[1]より一部抜粋)

エアプロダクツ&ケミカルズ社は新たに二酸化炭素からのヘリウム回収をする計画。この二酸化炭素はキンダーモルガン社によって採取後テキサスまでパイプラインで輸送され石油増進回収法(EOR: Enhanced Oil Recovery)に利用されているもの。

 

 

化学者にはNMRの超電導磁石冷却用としてお馴染み、同様に医療用のMRIや、巷では風船に使われているヘリウム。そのヘリウムが足りないと言われ始めたのは2012年の後半のことですが、以前供給不足の解決には至っていません。特にアジア地域での需要の増加(医療用および精密電子機器製造)と、同社のテキサス州アマリロのプラント(世界の全供給量の30%を製造)の急激な供給量減少により、今回のコロラド州ドー渓谷での新供給ルート、同社が計画を発表しているワイオミング州でのJV(ジョイントベンチャー)[1文中]、およびエアリキッド社がカタールで立ち上げた新規大型プラント[2]を合わせても、2014年中も引き続きヘリウム不足は続くとのこと。

ピンチはチャンス。永久磁石を代替にしたもの[3]、もしくは少ない頻度のヘリウム継ぎ足しで賄える技術のさらなる発展に期待したいと思います。

 

  • 参考記事

[1].?Air Products Plans U.S. Helium Project – Chemical & Engineering News, Web, 2013年10月31日

[2]. エア・リキード、カタールヘリウムⅡ稼働開始 -?ガスレビュー 2013年8月1日号

[3].?picoSpin世界最小NMRシステムの販売開始 – ケムステニュース

[4]. ヘリウムの市場価格(1立法フィート(約28.3リットル)あたり):2000年の50ドル前後から2011年には160ドルと大幅に上昇

Wonkblog – The Washington Post 2013年9月27日

 

  • 関連商品

[amazonjs asin=”B000W8A6G8″ locale=”JP” title=”風船用ヘリウムガス ふわふわ缶 11.6L”][amazonjs asin=”4621086693″ locale=”JP” title=”周期表-いまも進化中 (サイエンス・パレット)”]

 

Avatar photo

せきとも

投稿者の記事一覧

他人のお金で海外旅行もとい留学を重ね、現在カナダの某五大湖畔で院生。かつては専ら有機化学がテーマであったが、現在は有機無機ハイブリッドのシリカ材料を扱いつつ、高分子化学に

関連記事

  1. 黒よりも黒い? 「最も暗い」物質 米大学チーム作製
  2. 新薬と併用、高い効果
  3. ユネスコ女性科学賞:小林教授を表彰
  4. ふるい”で気体分離…京大チーム
  5. がん治療用の放射性物質、国内で10年ぶり製造へ…輸入頼みから脱却…
  6. 大阪・池田 リチウム電池の実験中に爆発事故
  7. 「ニコチンパッチ」6月1日から保険適用
  8. 化学企業のグローバル・トップ50が発表【2021年版】

注目情報

ピックアップ記事

  1. 天然物の全合成―2000~2008
  2. 第18回ケムステVシンポ『”やわらか電子材料” 有機半導体の世界』を開催します!
  3. ソープ・インゴールド効果 Thorpe-Ingold Effect
  4. 希少金属
  5. 励起パラジウム触媒でケトンを還元!ケチルラジカルの新たな発生法と反応への応用
  6. 脈動がほとんどない小型精密ポンプ:スムーズフローポンプQシリーズ
  7. システインから無機硫黄を取り出す酵素反応の瞬間を捉える
  8. 外部の分析機器を活用する方法
  9. Metal-Organic Frameworks: Applications in Separations and Catalysis
  10. 開発者が語る試薬の使い方セミナー 2022 主催:同仁化学研究所

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP