[スポンサーリンク]

ケムステニュース

つり革に つかまりアセる ワキ汗の夏

ジェイアール東日本企画が主催する「交通広告グランプリ2016」の受賞作品が25日発表され、グランプリにはグラクソ・スミスクラインの「ワキの多汗症は、お医者さんへ。」が選ばれた。このほか、「デジタルメディア」「車内ポスター」など5部門で最優秀部門賞が各1点、優秀作品賞が各5点とJR東日本賞1点の計32点が発表された。

グランプリのグラクソ・スミスクラインの広告は、薄着の季節の「ワキ汗」に悩む人を対象に、医療機関への受診を促すもの。手を上げる時に気になることから、つり革につかまる際に車内から見える「まど上」の枠に掲出した (AdverTimes 2016年7月26日)。

 

まず、こんなグランプリあるんですね。夏真っ盛りの季節には気になるワキ汗の悩みをコミカルに描いた作品が最優秀部門に選ばれています。グラクソ・スミスクラインは同じイラストを多用し「ワキ汗・ワキ多汗症情報サイト」を作成し、情報公開をしているようです。

 

グラクソ・スミスクラインのワキ汗情報サイト

グラクソ・スミスクラインのワキ汗情報サイト

 

サイトにわかりやすく掲載されていますが、折角なんで、ワキ汗のお薬について化学的に覗いてみましょう。

 

飲み薬:プロバンサイン

飲み薬で唯一多汗症用の薬として発売されているものは抗コリン薬である「プロバンサイン」(Pro-Banthine、一般名:プロパンテリン臭化物)というもの。グラクソ・スミスクラインでなく、ファイザー社製品です。アセチルコリン受容体にアセチルコリンが結合するのを阻害します。アセチルコリンのアセチル部分が大きくなっており、まさに阻害します!といった感じですね。

2016-07-26_20-49-38

 

塗り薬:塩化アルミニウム

知らなかった。塩化アルミニウムを塗っちゃうんだ!と大学で化学を学んだ人ならばみなびっくりすると思います。Friedel-Craftsアシル化反応を想像しちゃう。。とはいっても化学者のみなさんが、想像している塩化アルミニウムをゴリゴリって感じでなくて、希薄水溶液を塗るそうです。

正確には塩化アルミニウム水和物ですね。

高校だけで習った人のほうが意外としっくりくるかもしれません。オドレミンやテノール液と名前を変えて、薬局などで売っています。アマゾンでも売っていました。

2016-07-26_21-11-46

 

注射薬:ボツリヌス療法

ボツリヌス毒素製剤です。グラクソ・スミスクラインでは「ボトックス」という製品名で発売しているものですね。以前よりありましたが、2012年から多汗症用に使うことが承認されたようです。グラクソ・スミスクラインはこれを押したかったんですね。

2016-07-26_21-16-03

 

というわけで、ポスター通りワキ汗が気になる方は、お医者さんにいってみましょう。

 

関連商品

 

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 「イオンで農薬中和」は不当表示・公取委、米販2社に警告
  2. 水素水業界、国民生活センターと全面対決 「断じて納得できません」…
  3. スイス医薬大手のロシュ、「タミフル」の生産能力を増強へ
  4. 2008年10大化学ニュース
  5. ふるい”で気体分離…京大チーム
  6. 科学技術教育協会 「大学化合物プロジェクト」が第2期へ
  7. 新規作用機序の不眠症治療薬ベルソムラを発売-MSD
  8. サンギ、バイオマス由来のエタノールを原料にガソリン代替燃料

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. BASF、新規のキラル中間体生産プロセスを開発!
  2. 生物に打ち勝つ人工合成?アルカロイド骨格多様化合成法の開発
  3. ダニを食べ毒蓄積 観賞人気のヤドクガエル
  4. ノーベル化学賞2011候補者一覧まとめ
  5. 【追悼企画】カナダのライジングスター逝く
  6. ジョン・フェン John B. Fenn
  7. コーリー・バクシ・柴田還元 Corey-Bakshi-Shibata (CBS) Reduction
  8. バトラコトキシン (batrachotoxin)
  9. 原子移動ラジカル重合 Atom Transfer Radical Polymerization
  10. 2007年度ノーベル化学賞を予想!(2)

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

元素手帳 2018

今年も残すところあと1ヶ月半となってきました。来年に向けて、そろそろアレを購入される方もいら…

シクロペンタジエニル錯体の合成に一筋の光か?

β-炭素脱離を用いるシクロペンタジエニル(Cp)錯体の新たな調製法が報告された。本法により反応系中で…

ルミノール誘導体を用いるチロシン選択的タンパク質修飾法

2015年、東京工業大学・中村浩之らは、ルミノール誘導体と鉄-ポルフィリン複合体(ヘミン)を用い、チ…

酵素触媒によるアルケンのアンチマルコフニコフ酸化

酵素は、基質と複数点で相互作用することにより、化学反応を厳密にコントロールしています。通常のフラ…

イオンの出入りを制御するキャップ付き分子容器の開発

第124回のスポットライトリサーチは、金沢大学 理工研究域物質化学系錯体化学研究分野(錯体化学・超分…

リチウムイオン電池の課題のはなし-1

Tshozoです。以前リチウムイオン電池に関するトピックを2つほど紹介した(記事:リチウムイ…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP