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日本人化学者インタビュー

第48回「分子の光応答に基づく新現象・新機能の創出」森本 正和 教授

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久々の研究者へのインタビューです。第48回は、立教大学の森本正和先生にお願いいたしました。第17回ケムステVシンポの講師です。

専門は有機光化学。ジアリールエテンを駆使して様々な目でも判断できる化学を展開されています。それではインタビューどうぞ!

Q1. あなたが化学者になった理由は?

大学の卒業研究において入江正浩先生(当時、九州大学教授)の研究室で学び、機能分子の合成に魅力を感じたためです。幼少のころも、工作など、何かをつくることは好きだったように記憶しています。高等学校の化学の先生が手書きで作ったプリント資料が分かりやすくて好きでした。大学3年生のころ、大学の諸先生方による分かりやすくて面白い講義にも大いに刺激を受けました。

Q2. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

場合によっては実家の運送業(木材や重機などが対象)を継いでいた可能性もあったかもしれません。幼少のころは気づいていませんでしたが、当時に時折見ていた父親の緻密な現場作業には、研究にも通じるものがあるように感じています。

Q3.現在、どんな研究をしていますか?また、どのように展開していきたいですか?

光の照射により異性化反応を起こして色を変化させるフォトクロミック分子に関する研究を行っています。光応答分子を用いることで新しい現象や新しい機能を生み出したいと考えています。感謝の気持ちや自然に対する畏敬の念をもち、化学に関する探究活動を通して、何かしらの形で社会に貢献できるように努めたいです。

光照射により可逆的な形状変化を示す棒状結晶

Q4. あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

小野妹子。外交の先駆者より、遣隋使のエピソード、渡航・交渉のための準備や心構え、未知への挑戦における精神論などに関する話を聞いてみたいです。

Q5. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

1ヶ月前に新しい蛍光分子に関する試しの合成実験を行いました。実験結果は想定の範囲内のものでした。これから面白い展開になるよう、試行錯誤しながら研究を進めたいと思います。

Q6. もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

Angel of Salvation (Galneryus, 2012)を口ずさみながら、何とか生き延びたいです。

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Q7. 次にインタビューをして欲しい人を紹介してください。

相良剛光先生(東京工業大学)。機械的・力学的刺激に対する分子の応答について先駆的に研究を展開されており、最近も超分子メカノフォアなどの斬新な分子を合成されています。

 

名前: 森本 正和
所属: 立教大学理学部化学科
専門: 有機光化学、フォトクロミズム
略歴:
2001年3月 九州大学工学部 卒業
2003年3月 九州大学大学院工学府 修士課程 修了
2004年4月 日本学術振興会 特別研究員(DC2、~2006年3月)
2006年3月 九州大学大学院工学府 博士課程 修了
2006年4月 東北大学 博士研究員
2007年4月 立教大学理学部化学科 助教
2007年10月 科学技術振興機構さきがけ「物質と光作用」研究領域 研究者(兼任、~2011年3月)
2010年4月 立教大学理学部化学科 准教授
2017年4月 立教大学理学部化学科 教授

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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