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B

バートン・ザード ピロール合成 Barton-Zard Pyrrole Synthesis

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概要

ニトロオレフィンとα-イソシアノエステル間の縮合によりピロールを合成する方法。

基本文献

 

開発の歴史

1985年フランスジブシュールイベット天然物化学研究所の所長バートン(ノーベル化学賞賞受賞者)、ザードらによって開発された。

Derek H. R. BartonとSamir Z. Zard

Derek H. R. BartonとSamir Z. Zard

 

反応機構

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反応例

原著はTHFで反応を行っているが、MTBEの方が高集率でピロール誘導体が得られる。[1]

2014-09-01_21-19-28

実験手順

 3,4-diethylpyrrole-2-carboxylateの合成[1]

窒素下、無水酢酸 (345.23 g, 3.38 mol)を 3-nitro-4-hexanol (1:1 diastereomeric mixture, 246.3 g, 1.7 mol) と Amberlite IR-(120) plus cation exchange resin (18.7 g) の香合仏に55〜60℃に保ったまま1時間以上かけて滴下する。60デで1時間撹拌した後、室温に戻し、濾過、NaHCO3溶液 (1380 g of 2 M solution)で洗浄、モレキュラーシーブスで感想させ 4-acetoxy-3-nitrohexane (311.8 g 、yield 98%)を得る。これ以上の精製は行わずそのまま次の反応を行う。

窒素下DBU (498.3 g, 3.3 mol) を 4-acetoxy-3-nitrohexane (311.2 g, 1.7 mol)とethyl iso- cyanoacetate (187.1 g, 1.7 mol)のMTBE溶液 (363.8 g) に10–60℃に保ったまま1時間以上かけて滴下する。20℃で2時間撹拌した後、MTBE (540 g)と水 (614 g), 塩化ナトリウム(43 g) および濃硫酸 (222 g)を加え、35–40 °C でしばらく静置する。その後、飽和NaHCO3 溶液(600 g)で洗浄、乾燥させる。溶媒を減圧留去した後、生成物(3,4-diethylpyrrole-2-carboxylat)、ほぼ定量的な収率で得る(322.2 g <100% yield) 。

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Bhattacharya, A. et al. Tetrahedron Lett. 200647, 5481. DOI: 10.1016/j.tetlet.2006.05.167

関連反応

 

関連書籍

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