[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

バナジル(アセチルアセトナト) Vanadyl(IV) acetylacetonate

[スポンサーリンク]

概要

バナジル(アセチルアセトナト)触媒はt-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)を再酸化剤として用いることで、アリルアルコールのエポキシ化を行える触媒である。

アルコールが配向基となるため、根本の立体化学を活かした立体選択的なエポキシ化が行えることが特徴。

基本文献

  • Indictor, I.; Brill, W. F. J. Org. Chem. 196530, 2074. DOI: 10.1021/jo01017a520
  • Sharpless, K. B.; Michaelson, R. C. J. Am. Chem. Soc. 197395, 6136. DOI: 10.1021/ja00799a061
  • Tanaka,S.; Yamamoto, H.; Nozaki, H.; Sharpless, K. B.; Michaelson, R. C.; Cutting, J. D. J. Am. Chem. Soc. 197496, 5254. DOI: 10.1021/ja00823a042
  • Chong, A. O.; Sharpless, K. B. J. Org. Chem. 197742, 1587. DOI: 10.1021/jo00429a024
  • Michaelson, R. C.; Palermo, R. E.; Sharpless, K. B. J. Am. Chem. Soc. 1977, 99, 1990. DOI: 10.1021/ja00448a059
  • Itoh, T.; Jitsukawa, K.; Kaneda, K.; Teranishi, S. J. Am. Chem. Soc. 1979, 101, 159. DOI: 10.1021/ja00495a027

<review>

  • Sharpless, K. B.; Verhoeven, T. R. Aldrichimica Acta 197912, 63.
  • Butler, A.; Clagur, M.; Meister, G. E. Chem. Rev. 199494, 625. DOI: 10.1021/cr00027a004
  • Hirao, T. Chem. Rev. 1997, 97, 2707. DOI: 10.1021/cr960014g

<selectivity>

反応機構

VOacac_2

反応性はアリルアルコール>ホモアリルアルコール>単純アルケン。VOacac_6

反応例

Pectenotoxin類の全合成[1]

VOacac_3

Anisatinの合成[2]

VOacac_4

Fumagillolの合成[3]:条件が整えばホモアリル位配向でも酸化可能。

VOacac_5

参考文献

  1. Evans, D. A.; Rajapakse, H. A.; Stenkamp, D. Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 4569. [abstract]
  2. Ogura, A.; Yamada, K.; Yokoshima, S.; Fukuyama, T. Org. Lett. 2012, 14, 1632. DOI: 10.1021/ol300390k
  3. (a) Vosburg, D. A.; Weiler, S.; Sorensen, E. J. Angew. Chem. Int. Ed. 1999, 38, 971. [abstract] (b) Vosburg, D. A.; Weiler, S.; Sorensen, E. J. Chirality 2003, 15, 156. DOI: 10.1002/chir.10181

関連反応

関連リンク

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. マクコーマック反応 McCormack Reaction
  2. ブレデレック ピリミジン合成 Bredereck Pyrimid…
  3. フェルキン・アーン モデル Felkin-Anh Model
  4. リーベスカインド・スローグル クロスカップリング Liebesk…
  5. 生体共役反応 Bioconjugation
  6. TEMPO酸化 TEMPO Oxidation
  7. P-キラルホスフィンの合成 Synthesis of P-chi…
  8. リッター反応 Ritter Reaction

注目情報

ピックアップ記事

  1. Cell Pressが化学のジャーナルを出版
  2. 大村 智 Satoshi Omura
  3. コーンブルム酸化 Kornblum Oxidation
  4. 安定なケトンのケイ素類縁体“シラノン”の合成 ケイ素—酸素2重結合の構造と性質
  5. 【ナード研究所】ユニークな合成技術~先端研究を裏支え!~
  6. 高選択的な不斉触媒系を機械学習で予測する
  7. 精密分子設計による高感度MRI分子プローブの開発 ~早期診断に向けたがん関連酵素活性の生体内リアルタイム計測~
  8. ブヘラ・ベルクス反応 Bucherer-Bergs reaction
  9. 光化学フロンティア:未来材料を生む有機光化学の基礎
  10. なぜ青色LEDがノーベル賞なのか?ー雑記編

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

光でゆがむ分子 ― アルミニウム錯体の対称性の破れをコヒーレント振動分光で観測

第711回のスポットライトリサーチは、九州大学大学院理学研究院 化学部門(分光分析化学研究室)・江原…

有機合成のカラム精製に革新を 〜モノリスカラムで変わる「研究のスピード」〜

筆者の研究室では有機合成を行っています。合成も大変ですが、何より大変なのが精製操作。最近、とある…

酸素は系内に入り込み続ける【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

アンモニウム構造によりラジカル種の発生位置を完全に制御!

第710回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の榊原 陽太(さかきばら …

化学つれづれ草【ある研究者の回想】

概要物理化学者で量子機能材料を専門とする著者によるエッセイ集.化学者としての研究,教育,人生…

第60回有機反応若手の会

開催概要有機反応若手の会は、有機化学分野で研究を行う全国の大学院生を中心とした若手研究者が集い、…

ノーベル賞受賞者と語り合う5日間!「第18回HOPEミーティング」参加者募集!

申し込みはこちら概要主催:独立行政法人 日本学術振興会(JSPS)開催地:神奈川…

光触媒による高効率なCO2還元の実現―まさかの光を弱く当てることが重要だった―

第709回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 理学院(前田研究室)博士後期課程2年の仲田竜一 …

「π-πスタッキング」という言葉が生む誤解【芳香環の相互作用を見直す: 前編】

芳香環が平行に並んで近接しているとき、その構造を「π–π スタッキング」と表されることがよくあります…

一重項酸素によるC(sp2)−P結合切断を用いた長波長光によるリン化合物のアンケージング

第 708 回のスポットライトリサーチは、同志社女子大学 薬学部 医療薬学科 5…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP