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免疫/アレルギーーChemical Times特集より

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アレルギーといえば、外敵から身を守るためにつくられた抗体が、それらをやっつける免疫反応を過剰に起こしてしまった結果であることは、よく知っていることでしょう。

食物アレルギー、花粉アレルギー・ダニアレルギーなどなど様々なアレルギーが存在し、そして、原因となる食物・花粉・ダニなどのもっている物質をアレルゲンといいます。アレルギー対策は一般的にも沢山知られていますが、どれが本当なのか?何が良いのかよくわかりません。身近なお話なので、情報を取捨選択できるように最低限の知識を身につけておくことが重要です。

今回は、関東化学が発行する化学情報誌「ケミカルタイムズ」の特集「免疫/アレルギー」(2017年No.1)に掲載された免疫およびアレルギーに関する4つの記事を紹介したいと思います(記事はそれぞれのタイトルをクリックしていただければ全文無料で閲覧可能です。PDFファイル)。

食物アレルギーに対する早期介入

食物アレルギーをもっている方は少なくないと思います。特に乳児や幼児がいる家庭では気になる話題。私自身も小さな子どもがいるので、気になって読んでみました。

「早期介入」ってなんだろう?と思ってみてみたら、「早めに食物アレルギーの食品を少しずつ摂取すること」なんですね。よく「アレルギーのもととなる食物はできるかぎり後から摂取するとアレルギーになる可能性は低い」ような話がいわれますが、「離乳食の開始時期を遅らせることがアレルギー発症の予防にはならない」というのが現状のようです。

では、「早期摂取がアレルギー予防になるのか?」それに関してはまだ研究が必要であるということですが、記事ではいくつかの食物の早期摂取による予防について述べています。

記事の中身は統計学からくる話がほとんどですが、なかなか参考になります。アレルギーがでた食物に関しても長期間書けて少しずつ摂取していくと、ある程度アレルギーを抑えることができるそうです。例えば、牛乳にアレルギーをもっている子供に少量ずつ(3mL)の牛乳を飲ませ、少しずつ増やしていった場合、1年後に25mLの牛乳を飲めるようになったとのこと。重症の症例をもつ患者には難しいですが、こういった改善例もあります。

少量の牛乳を与えていった経過例(出典:ケミカルタイムズ)

日本家屋のハウスダストに含まれるダニアレルゲンの変遷

なんらかのアレルギーをもっている人は5年前までは3人に1人でした。それが現在2人に1人と急速に増えているとのことです。その中でもアレルギー性気管支喘息は1000万人を超える患者がおり、年間で1,500人近くがこれが原因でなくなっています。アレルギー性鼻炎や喘息の、室内における原因はダニ。ダニの中でも、ヒョウヒダニと呼ばれるダニが原因だそうです。

ヒョウヒダニの写真(出典:ケミカルタイムズ)

記事ではダニアレルゲンの種類(タンパク質)、予防法、そして測定法(ELISA。次記事参考)について述べられています。測定法ではしっかり化学が活躍しています。

室内アレルゲンの測定法

室内にはダニ以外にもアレルゲンはたくさんあります。そのアレルゲンと測定法について記事では述べています。測定法は基本的には免疫的方法、そのなかでも酵素免疫測定法(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay:ELISA)です。。つまり、アレルゲンと特異的に結合する抗体の反応(抗体抗原反応)を利用した検出法です。

免疫学的測定法の概念図(出典:ケミカルタイムズ)

具体的なステップは、

  1. アレルゲンと結合する抗体を酵素で標識
  2. アレルゲンと結合後に基質を反応させることにより、基質を発色させる。
  3. 既知の濃度の標準アレルゲンによる発色(吸光度)をもとに検量線を作成し、試料中のアレルゲン濃度を定量する

といった流れになります。ELISAでもいくつかの種類があり、記事ではそれらについて簡単に解説しています。

小児アレルギー性鼻炎診断の問題点とその克服の意義

上述したように、アレルギー性鼻炎は増加傾向。その中でも、大人はスギ花粉、子供はダニによる通年性アレルギー鼻炎が高いそうです。

アレルギー性鼻炎の有病率(引用:ケミカルタイムズ)

記事は耳鼻咽喉科の先生が執筆されているので、症例や原因となる植物、それらに基づいた診断方法などについて述べられています。

そろそろ化学のお話に戻せませんか?

というわけで、今回のケミカルタイムズは免疫/アレルギーのお話でした。異なる分野の記事を精読する良い機会にはなりますが、”ケミカル”タイムズなので異分野のお話でもできるかぎり化学的な知見からの記事が欲しいところです。またとりあげるトピックも重要なものばかりですが、(2016年No.2の「クロスカップリング反応」のように)ガチな化学分野も2,3回に一回は取り上げてほしいと個人的には思います。という勝手な意見を述べましたが、今年もこのケミカルタイムズを紹介していきますね。

過去のケミカルタイムズ解説記事

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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