[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル保護基 Teoc Protecting Group

[スポンサーリンク]

概要

2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(2-(trimethylsilyl)ethoxycarbonyl, Teoc)基は、カルバメート形成によってアミンの保護目的に多用される。
強塩基によるエステル加水分解条件・求核条件・弱めのヒドリド還元条件、強酸性条件、接触還元に耐える。脱保護はフッ化物イオンを作用させる脱シリル化条件で行なう。

基本文献

反応機構

保護

N-[2-(Trimethylsilyl)ethoxycarbonyloxy]succinimide(Teoc-OSu)が汎用。ピリジンやトリエチルアミンを塩基として添加し、アミンと反応させる。アミノ酸などに対しては、無機塩基をもちいるショッテン・バウマン条件なども簡便である。

脱保護

フッ化物イオンによる脱シリル型β脱離→脱炭酸を経て脱保護が可能。

反応例

袖岡試薬(Teoc-NT)は、副生成物であるニトロトリアゾールが溶媒に不溶なので、ろ過のみで除去できる[1]。

参考文献

  1. Shimizu, M.; Sodeoka, M. Org. Lett. 2007, 9, 5231. DOI: 10.1021/ol7024108

関連反応

関連書籍

外部リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ジムロート転位 (ANRORC 型) Dimroth Rear…
  2. クリンコヴィッチ反応 Kulinkovich Reaction
  3. ステッター反応 Stetter reaction
  4. 芳香族求核置換反応 Nucleophilic Aromatic …
  5. アーント・アイシュタート合成 Arndt-Eistert Syn…
  6. ピナコールカップリング Pinacol Coupling
  7. ソープ・チーグラー反応 Thorpe-Ziegler React…
  8. MSH試薬 MSH reagent

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. DOWとはどんな会社?-1
  2. システイン選択的タンパク質修飾反応 Cys-Selective Protein Modification
  3. 有機化学を俯瞰する –古代ギリシャ哲学から分子説の誕生まで–【前編】
  4. 出光・昭和シェル、統合を発表
  5. デニス・ドーハティ Dennis A. Dougherty
  6. 第17回日本化学連合シンポジウム「防災と化学」
  7. 可視光を吸収する配位子を作って、配位先のパラジウムを活性化する
  8. プラスチックを簡単に分解する方法の開発
  9. 米ファイザー、コレステロール薬の開発中止
  10. パール・クノール チオフェン合成 Paal-Knorr Thiophene Synthesis

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2018年8月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

2つの結合回転を熱と光によって操る、ベンズアミド構造の新たな性質を発見

 第 608回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院 生命科学院 生命科学専攻 生命医…

スポットライトリサーチ まとめ【初回〜第200回まで】

ケムステの人気企画スポットライトリサーチ、2015 年に始まって以来、2024 年現…

【産総研・触媒化学融合研究センター】新卒・既卒採用情報

触媒センターでは、「個の力」でもある触媒化学を基盤としつつも、異分野に積極的に関…

Zachary Hudson教授の講演を聴講してみた

bergです。この度は2024年3月11日に東京大学本郷キャンパスにて開催されたBritish Co…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP