[スポンサーリンク]

一般的な話題

2020年の人気記事執筆者からのコメント全文を紹介

[スポンサーリンク]

あけましておめでとうございます。皆さんはどんなふうに新年をむかえましたか?新型コロナや大寒波が猛威をふるう、波乱万丈の年明けとなりましたが、ケムステは今年も止まりません!化学にまつわる様々な記事やVシンポ・Vプレレクなど、試行錯誤を続けながらいっそう盛り上がっていきたいと思います。

さて、先日配信したケムステV年末ライブでは、2020年の人気記事ランキングをお届けしました。ライブ中では、ランクインした記事を執筆したケムステスタッフからのコメントを読ませていただいたのですが、実はあのコメント、フルバージョンが存在します…!そう、本番では時間の都合上、一部だけを読ませていただいていたのです。

とてもアツいメッセージをいただいておりますので、ここで各スタッフからのコメント全文を紹介させていただこうと思います。

人気記事を執筆したスタッフからのコメント

第9位:痔の薬のはなし 真剣に調べる
著者:Tshozo

ご自身の痔の体験を通じ、医薬品の成分やその構造に着目しながらセキララ感溢れる記事を執筆したTshozoさん。コメントはこちらです。

あるノンフィクション記事に啓発を受け、またとある小説を参考に実感が伴うよう少し実験的に書いたのですが思わぬ反響を頂き嬉しい限りです。

また、体調不良、特に下半身周りの疾患はならないにこしたことは無いのですが、経験して自悟した以上は化学的な視点で還元出来ればとも考えつつ、夜な夜なキーボードを叩いていたのが思い出されます。
これからも児童の心を棄てず不思議と思うこと、大事と信じることを書きつつ、皆様の息抜きに繋がるよう継続したい次第です。

第8位:私達の時間スケールでみても、ガラスは固体ではなかった − 7年前に分からなかった問題を解決 −
著書:Monica

学部生スタッフの新星・Monicaさんによるスポットライトリサーチのインタビュー記事がランクインしました。Monicaさんのコメントはこちら。

この度は数多くの読者に読んで頂けてとても光栄です。今回のテーマであるガラスは、身近にありふれていて親近感が湧きやすい一方で、固体のように見えるけれど実はそうではない本当の正体は一体何なのか…とミステリアスな一面を持っている物質でもあるため、たくさん興味を持って頂けたのではないかと思います。「ガラスは液体という認識だったけど、時間スケールの話で納得した」という声や、「IRラマンやDLSでは評価できないのかな?」という疑問の声も頂きました。分子の再配置運動というガラス特有の性質は解明されましたがまだまだ謎の大きな物質なのだと思います。ガラスについての新発見は勿論のこと、今回は、どのように7年前の謎を解明できたのか、そのためにはどうすればよいのか、そういったところのアドバイスについても見所となっているので、まだ読んでいないという方はぜひ読んでみて頂けると嬉しいです。
今回インタビューさせて頂いた水野さんも仰る通り、今後皆さんの中から、ガラス研究に挑戦する方がでてくることを非常に楽しみにしています。

第7位:なぜ電子が非局在化すると安定化するの?【化学者だって数学するっつーの!: 井戸型ポテンシャルと曲率】
著者:やぶ

やぶさんの「化学者だって数学するっつーの!」シリーズ新作が見事ランクイン。下記のコメントにもあるように、やぶさんの次回作では群論などを取り上げる予定だそうですよ。とても楽しみですね!

ケムステ V ライブをご覧の皆さん、こんばんは。このたびは、化学者だって数学するっつーの!シリーズの「電子はなぜ非局在化すると安定化するの?」をたくさんの方に読んでいただいたということで、ありがとうございます。本記事は、量子化学を学んだことがある人なら必ず一度は解いたことがあるであろう、井戸型ポテンシャルの問題を、一般的な微分方程式の解法を使わずに、微分の定義に沿って、定性的に波動関数の形を予測することを目的とした記事です。
ちなみに、この記事は、私が高専にいた頃の量子化学の先生の授業を参考に作成しており、その先生には面白い授業をしてくださったことに感謝しています。
この「化学者だって数学するっつーの!」シリーズは、「モーツァルトだって給食当番するっつーの!」などのネタでおなじみのお笑い芸人である、脳みそ夫さんをオマージュしています。化学者の中でも合成化学に携わっている研究者は、数学に触れることが少なくなりますが、それでも「数学を勉強すれば化学が一層楽しくなるよ」というメッセージを込めて、ポップな感じに仕上げつつ、しかし内容には妥協をせずに丁寧に書くように努めています。
現在、群論の入門記事を作成中で、今後、分子軌道法などにも展開できればと考えています。今後とも、Chem-Stationはもとより、化学者だって数学するっつーのシリーズをよろしくおねがいします。

第6位:誤解してない? 電子の軌道は”軌道”ではない
著者:photonee

新スタッフphotoneeさんの初記事がランクイン。Photoneeさんのコメントを読んで、化学に惹かれていった初心を思い出し、うるっとしてしまったのはここだけの秘密です。

今回ランクインした記事は、ケムステスタッフとして参加してはじめて書いた記事でした。自分の予想に反して、沢山の方に読んでいただき大変光栄です。
私自身、記事なんか書いておきながら学部1年生の量子の授業は、ことごとく理解できず、量子落ちこぼれ勢まっしぐらでした。そんな時、偶然に友人からディラックの量子力学の輪講もどきに誘われ、凡そ1年ほどかけて読み進めました。ああでもないこうでもないという議論がとても楽しかったのを覚えています。結局、読み終えた当時も良く分かっていなかったと思うのですが、量子力学の魅力と不思議さを実感し、何とも言えない高揚感があったことは鮮明に覚えており、今の自分の原点になっていると感じます。
この記事でその高揚感と量子力学の面白さを少しでも感じて頂けたら、筆者として望外の喜びです。
これからも学部生として等身大の視点から色々と疑問に思った事や面白いと思った事を記事を通して共有していけたらと思っております。何卒宜しくお願い致します。

第5位:イグノーベル賞2020が発表 ただし化学賞は無し!
著者:Zeolinite

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績」に対して贈られる「イグノーベル賞」。2020年度の受賞研究を紹介する記事を執筆したZeoliniteさんのコメントです。

題名の通り、化学賞に関する内容は無いのにたくさんの方に読んでいただき大変驚いています。一方で記事で取り上げたワニとミミズの研究は、なかなか興味深い研究内容だったので化学にはあまり関係しませんが内容を掘り下げて紹介しました。今後とも興味深いニュースを普通のニュースサイトよりも化学的な面を掘り下げて紹介していきますのでご愛読よろしくお願いいたします。

第3位:海外の教授にメールを送る-使える英語表現と文例
著者:kanako

英語で海外の教授にメールを出す際の例文をこれでもかというくらい紹介してくれているkanakoさんの記事。単なる例文ではなく、タイトルや構成についても非常に参考になります。いただいたコメントはこちらです。

初めて海外の教授にメールした際、私自身とても悩んだ経験から、この記事を書きました。大学院留学で忙しい教授といろいろやりとりするうちに、相手が時間を掛けずにYes or Noの一言で返信ができるようなメールを書くことが大事だと分かってきました。記事では例文をたくさん紹介しているので、参考にしていただければ幸いです。

新スタッフの活躍が目覚ましいランキングでした! 今年もどんな記事が発信されるのか楽しみですね! 本年もケムステを、どうぞよろしくお願いいたします!

関連リンク

  1. 2020年ケムステ人気記事ランキング
Avatar photo

Shirataki

投稿者の記事一覧

目には見えない生き物の仕組みに惹かれ、生体分子の魅力を探っていこうとしています。ポスドクや科学館スタッフ、大学発ベンチャー研究員などを経て放浪中。

spectol21

投稿者の記事一覧

ニューヨークでポスドクやってました。今は旧帝大JKJ。専門は超高速レーザー分光で、分子集合体の電子ダイナミクスや、有機固体と無機固体の境界、化学反応の実時間観測に特に興味を持っています。

関連記事

  1. 有機合成化学協会誌2017年12月号:四ヨウ化チタン・高機能金属…
  2. ラジカル重合の弱点を克服!精密重合とポリマーの高機能化を叶えるR…
  3. DNAナノ構造体が誘起・制御する液-液相分離
  4. 有機色素の自己集合を利用したナノ粒子の配列
  5. 炭素をつなげる王道反応:アルドール反応 (5/最終回)
  6. 有機合成化学協会誌2018年5月号:天然物化学特集号
  7. アメリカ化学留学 ”立志編 ー留学の種類ー̶…
  8. ゲルセジン型アルカロイドの網羅的全合成

注目情報

ピックアップ記事

  1. 無機物のハロゲンと有機物を組み合わせて触媒を創り出すことに成功
  2. Carl Boschの人生 その6
  3. 光親和性標識 photoaffinity labeling (PAL)
  4. サンケイ化学、フェロモン剤を自社生産
  5. YMC-DispoPackAT 「ケムステを見た!!」 30%OFFキャンペーン
  6. 結晶スポンジ法から始まったミヤコシンの立体化学問題は意外な結末
  7. 遷移金属触媒がいらないC–Nクロスカップリング反応
  8. 東芝やキヤノンが優位、微細加工技術の「ナノインプリント」
  9. マテリアルズ・インフォマティクスの推進を加速させるためには?
  10. 『元素周期 ~萌えて覚える化学の基本~』がドラマCD化!!!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年1月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP