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化学者のつぶやき

電子実験ノートSignals Notebookを紹介します③

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本シリーズ第3段のテーマは「iPadの活用術」です!

シリーズ一覧

電子実験ノートSignals Notebookを紹介します ①

電子実験ノートSignals Notebookを紹介します ②

電子実験ノートSignals Notebookを紹介します ③

IASO R7の試薬データベースを構造式検索できるようにしてみた

 

実は、この内容は、PerkinElmerさんのオンラインUsers Meeting 2020で登場した話になります。だいぶ前から書こうと思っていたのですが、2021年Users Meetingが開催されたのを期に記事として残しておこうと思いました。
それでは、以下本編です。

 

iPadで何ができるの?

Signals Notebookに限らず、電子ノートに情報を書き込んだり、測定した機器データをアップロードしたりする際に、スマホなどで撮った写真をPCにシェアして電子ノートにアップする作業は、ひと手間挟まることでそのエネルギー障壁を超える必要が出てきます。このエネルギー障壁は触媒で下げることはできないので障壁を取り去る方向に議論が進みます。

MacユーザーはiPhoneを使っていればAirDropでファイルを瞬時に送れるのであまり苦労しないと思います。問題はWinユーザーです。
AirDropほど瞬時にファイルを転送できる機能がないため、Dropbox, OneDriveなどのクラウドストレージに共有するか、SlackやLineの自分へのメッセージを利用して一時的にファイルをアップロードするのが一般的かと思います。やはりちょっと面倒…
そこで、Macユーザー、Windowsユーザー関わらず大活躍するのがiPadです。
鍵になる機能は、①優秀なノートアプリ(GoodNotes 5)、②Split Viewによるアプリ間でのファイルのやり取り、以上の2点です。
本記事ではこれらの使い方を書いていきます!

Goodnote 5

iPad不動の人気ノートアプリといえばこれ、GoodNotes 5です。筆者はGoodNotes 4から愛用していますが、非常に使い勝手のよい最高のノートアプリです。Apple Pencilの追従性は非常に高く、心地よく手書きすることができます。(Apple Pencilが出る前の市販のスタイラスペンは手がつけない不便さから使い物にならなかった。。。)

筆者はGoodNotes 5を、HPLC、TLC、NMRなどの整理、授業の板書案作り、輪読・セミナー・講演会のメモ、研究のアイデアノートなどさまざまな所で多用しています。対面オンラインハイブリッド授業でもGoodNotes5で板書しています。

最近の学生さんは、講義の資料をGoodNotes 5に読み込み、そこに手書きで注釈を書き込み、ノートを追加して問題演習を解くなど、とても効率的に授業を聞いていて、時代は進化したなとつくづく感じます。

写真を自由に貼り付けることができるので、中圧カラムのチャートとTLCを1枚のノートに読み込み、注釈を書き込んだりしてまとめることができます。手書きもできますし、キーボードを購入すれば、テキスト入力もかんたんです。
画面キーボードも良いですが、入力するならやはり外付けキーボードかなと思いました(筆者はMagic Keyboardを使用)。このようにメモ書きをしたノートは、紙ノートに貼るとかさばってしまいますが、電子ノートであれば画像またはpdfファイルをアップロードするだけです!
以前の記事でも紹介しましたが、データを余す所なくアップロードすることで、見返した時に非常にわかりやすい実験ノートになります。

 

Split View

iPadのマルチタスク機能をご存知でしょうか?
アプリを開いた状態で、iPadの画面下部から少しだけスワイプすると、アプリを閉じずにDockが表示できます。Dockのアプリを少し長押ししてポップアップしてからドラッグすると左右に2つのアプリを同時に起動できます。
以下の写真の様に、photoアプリとsafariを同時に起動し、photoからsignals notebookに画像をドラッグ&ドロップすることでかんたんに画像がアップロードできます。

iPadで写真をとる→GoodNotesで編集する→画像として保存→signalsにアップロード

この一連の操作がすべてiPad上で行えます。ファイルの共有が圧倒的に楽になりますね。

①-⑤おすすめのsplit viewのやり方。⑥photoとsafari(Signals Notebook)を開き、画像ファイルをドラッグ&ドロップしてアップロードする所。split viewでの左右画面の大きさは、真ん中のバーをスワイプすることで調整可

 

筆者はTLCやクロマトの結果、MS、旋光度、NMRチャートなどはすべてiPadで写真に取り、注釈を入れてアップロードしています。デスクにつかなくてもiPadさえあればすぐにアップできるのが良いです。
研究施設にはWiFiが張り巡らされていると便利で、どこでもiPadからSafari→Signals Notebookにアクセスできます。これでiPadを持ち運べる所ならいつでもデータを保存しそびれることなく電子ノートにアップできます。

 

おわりに

実験頁、量論表、NMRチャート、TLCなどは常に1枚のノートにまとまっているべきです。これをいかに効率よく行うかが、実験、レポートの作成、発表資料の作成などの効率化に繋がり、研究計画を考える時間やディスカッション時間の増加に繋がります。Time is moneyなので、研究生活を効率化して行きましょう!!
生協のPCを入学時に買わせる時代はもう終わりです。入学したらiPadを購入しましょう(笑)。生活のクオリティが大幅にアップします。

※PCと兼用したいのであればSurface Proもおすすめです。公式HPによると¥148280~購入可能。iPad ProはPC並の性能を持っていますが、iPad OSの性質上、PCにはなりきれません。例えばWord, PPTの表示はiPadでもできますが、多くのフォントが認識されないことが大きなデメリット。

※ユーザーミーティングで、企業ではデータ・セキュリティーの観点からタブレットを導入できるのか不安との声をいただきました。今年ユーザーミーティングでは企業のタブレット導入の事例も紹介されており、社内ネットワークのみの使用に限定すればある程度リスクは抑えられると思われます。

 

おまけ①:iPadまとめ

Appleの宣伝サイトではないですが、現状(執筆日: 2021/10/23)入手可能なsignals notebookへの利用に適したiPadと性能をかんたんにまとめます。価格はアカデミア割引価格(税込み)を表示。

Apple Pencil第2世代に対応のハイエンド機

✔︎iPad Pro 12.9 インチ(¥117800~): 高価だが、M1チップ搭載の非常に高い性能。持ち運ぶには少々重い。イラスト描きや動画編集もお手の物。

✔︎iPad Pro 11 インチ(¥88000~): 持ち運びを重視する人向けのiPad Pro。12.9インチとの違いは、FPSが若干劣る点、若干軽いので持ち運び向きという点。

✔︎iPad Air (第4世代)(¥63580~): A14 bionic tip搭載。iPad Proとも大きな引けを取らない動作性能。Apple Pencil 2が使える点と動作性能が高いことが無印との大きな違い。

✔︎iPad mini (第6世代)(¥53800~): 軽くて持ち運びが非常に楽。画面が小さいのでsplit viewが少し見づらい。電子書籍やwebブラウジングだけならこれ。

Apple Pencil第1世代に対応の機種

✔︎iPad (無印 第9世代)(¥36800~): 最安のiPad。Apple Pencil 2が使えないのが難点。A13 bionic tip搭載。iPad Air 3のA12 bionic tipよりも性能がUP。Air 3は結構カクつく。

学生・教員はアカデミックディスカウントが効くので、apple製品を個人で購入する場合は「学生・教職員向けストア」から購入しましょう!

Keyboard

✔︎Magic Keyboard for iPad(¥34980~): トラックパッドも搭載したiPad専用のキーボード。打鍵感やトラックパッドの追従性は完璧。重いのが難点。

✔︎Smart Keyboard Folio(¥21800~): 持ち運びを重視する人向けのiPad Pro。12.9インチとの違いは、FPSが若干劣る点、若干軽いので持ち運び向きという点。

個人的な意見ですが、コスパが最もいいのはiPad Air 4、オンライン講義・動画作成・クリエイティブ作業をする人はiPad Pro、お金をかけたくない人は無印
というイメージです。iPadやPCの性能は日頃の研究生活の効率化に直結するので、あまりケチらない方が良いと思います。ガジェットに詳しくないし、使いこなせないと思うからという理由で下位の機種を選ぶのは止めたほうが良いです。

おまけ②:おすすめのSplit View

GoodNotes 5とDeepLのSplit Viewは新しい分野の論文を読むのにとっても便利です。わからない単語を調べる、論文に注釈を書き込む、ハイライトするといったことがすべて1画面上でできる究極の論文の読み方だと勝手に思っています。

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Macy

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有機合成を専門とする教員。将来取り組む研究分野を探し求める「なんでも屋」。若いうちに色々なケミストリーに触れようと邁進中。

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