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メラノーマ治療薬のリード化合物を発見

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メラノーマTriphenylmethylamides(TPMAs)と呼ばれる小さい分子がメラノーマ(黒色腫)の細胞の中でアポトーシス(細胞死)を引き起こすことがわかりました。Paul J. Hergenrother(イリノイ大学の化学の助教授)らはTPMAsを合成し活性を調査した結果、悪性のメラノーマ、特に致命的な皮膚癌の治療法のリード化合物となると考えられます。研究結果はアメリカ化学会の速報誌J.Am.Chem.Socに掲載されている。(J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 8686)(C&EN News)


メラノーマ(melanoma)は「ホクロのガン」と呼ばれ、非常に悪性で致死率の高いガンです。ホクロのガンといわれるがすべてのホクロがガンになるわけでなく、メラノサイト(melanocyte)というメラニン色素を合成する細胞があり、それが何らかの原因により変性してガン化します。あまり有効的な抗がん剤はないようです。


今回見つけたTriphenylmethylamides4BIは図のようにこんなに単純な構造にも関わらず、メラノーマに対して有効な薬理活性を示すようです。具体的には細胞周期のG1期を停止を誘導する活性を持つのこと。詳しいことはわかりません。

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メラノーマの病理組織診断―症例検討から学ぶ診断のポイント

メラノーマであるか否か、病理組織診断の難しい31症例を取り上げ、各症例毎に臨床所見を伏せた状態で複数のコメンテーターが検討し、所見と診断について討論をするという形式をとり、より理解しやすいように工夫した学習書。

関連リンク

皮膚科Q&A:第12回:メラノーマ

細胞周期とチェックポイント


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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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