[スポンサーリンク]

ケムステニュース

始まるPCB処理 利便性追求、重い代償

[スポンサーリンク]

 岐阜市の一般廃棄物処理施設・東部クリーンセンターの地下倉庫には、南京錠で厳重に封印された十一個のステンレス製の箱が整然と並ぶ。納められているのは、有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)を使った蛍光灯の安定器。かつて市内の学校などから回収されたもので、職員は「こんな危険な物、子どもが集まる場所では保管できないから」と語る。人体への毒性が明らかになり、製造が禁止されておよそ三十年。長年放置されてきた「負の遺産」の処理は今年、ようやく始まろうとしている。
 PCBは絶縁性や不燃性に優れ、かつては「夢の化学物質」として、工場や事務所の変圧器、蓄電器、照明器具の安定器にまで広く用いられた。しかし、PCBなどが混入した米ぬか油を食べた人が、手足のしびれなど深刻な健康被害を受けた「カネミ油症事件」がきっかけで、毒性がクローズアップされ、一九七二(昭和四十七)年に新たな製造が禁止された。
 当時、全国で使用されていたPCBは約五万四千トンといわれ、使用後は事業所ごとに保管が義務付けられた。県内でも金属加工業、小売業など身近な事業所、公共施設では、多くの機器が手をつけられないまま眠っている。岐阜地域の鉄工所経営者(45)も、変圧器一台を持っていたため、工場の一角を金網で立ち入り禁止にして保管。「業者に薦められて使ったのに、それが有害物だったとは。届け出が始まった時、うちは正直に申告したが、知らん顔した業者も多いはず」と語る。処理方法を確立できない間、紛失した機器も少なくないという。 (引用:
岐阜新聞)

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 直径100万分の5ミリ極小カプセル 東大教授ら開発
  2. 石テレ賞、山下さんら3人
  3. 英グラクソスミスクライン、抗ウイルス薬を大幅値引きへ
  4. 大麻複合物が乳がんの転移抑止効果―米医療チームが発見
  5. iPhone7は世界最強の酸に耐性があることが判明?
  6. ニホニウムグッズをAmazonでゲットだぜ!
  7. 人の鼻の細菌が抗菌作用がある化合物をつくっていたーMRSAに効果…
  8. 第一三共/イナビルをインフルエンザ予防申請

注目情報

ピックアップ記事

  1. ストレッカーアミノ酸合成 Strecker Amino Acid Synthesis
  2. 給電せずに電気化学反応を駆動 ~環境にやさしい手法として期待、極限環境での利用も~
  3. 第124回―「生物・医療応用を見据えたマイクロ流体システムの開発」Aaron Wheeler教授
  4. 化学系プレプリントサーバー「ChemRxiv」のβ版が運用開始
  5. 二重可変領域抗体 Dual Variable Domain Immunoglobulin
  6. 【速報】2016年ノーベル化学賞は「分子マシンの設計と合成」に!
  7. エッセイ「産業ポリマーと藝術ポリマーのあいだ」について
  8. ダイハツなど、福島第一原発廃炉に向けハニカム型水素安全触媒を開発 自動車用を応用
  9. 挑戦を続ける日本のエネルギー企業
  10. サイアメントの作ったドラマ「彼岸島」オープニングがすごい!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP