[スポンサーリンク]

ケムステニュース

「パキシル」服用の自殺者増加 副作用の疑い

[スポンサーリンク]

Paxil.gif

抗うつ剤「パキシル」(一般名・塩酸パロキセチン水和物)の副作用が疑われる自殺者が05、06年度と2年連続で2ケタに増えたことが厚生労働省などの調べで分かった。パキシルはうつ病やパニック障害などに有効だが、若い人を中心に自殺行動を高めるケースがあり、添付文書にはすでに警告や注意が明記されている。厚労省は医療関係者に「患者の状態の変化をよく観察し、薬の減量など適切な処置を」と呼びかけている(引用:毎日新聞)。

パキシル(Paxil)はグラクソ・スミスクラインが製造・販売している抗うつ剤です。つまり、うつ病に対する薬です。うつ病とは、「死別反応以外のもので、2週間以上にわたり毎日続き、生活の機能障害を呈している」ことを言います。そんなものにどのように薬がきくのでしょう?と思われる方は多いと思いますが、このパキシルに関していえば、パキシルを飲むことにより、シナプスでセロトニン(人間の精神活動に重要な化学物質)の再吸収に作用することでうつ症状を改善することができます。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)という分類になります。

うつ病は特に先進国に多く、最も多い米国では4人に1人から、多い業種では2人に一人が、うつ病もしくはうつの症状がでるといわれています。健康な人でも15%程度の確率でうつ病になることがあるそうです。

実際、国内のパキシル売り上げは、2001年には120億円であったのですが、2006年は560億円と約5倍弱まで増加しています。すべてはポジティブシンキングで!といいたいところですが、うつ病になってしまったら、しっかり病院にいって治療を受けましょう。

関連リンク

セロトニン Wikipediaより

うつ病  うつ病について解説

抗うつ薬– Wikipedia

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 令和元年度 のPRTR データが公表~第一種指定化学物質の排出量…
  2. 日本薬学会第125年会
  3. 高知市で「化学界の権威」を紹介する展示が開催中
  4. ダニを食べ毒蓄積 観賞人気のヤドクガエル
  5. 2010年10大化学ニュース
  6. 駅トイレ光触媒で消臭
  7. 高脂血症治療薬の開発に着手 三和化学研究所
  8. 大日本インキ、中国・上海に全額出資の物流会社

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第六回 電子回路を合成するー寺尾潤准教授
  2. 研究者のためのマテリアルズインフォティクス入門コンテンツ3選【無料】
  3. 第6回慶應有機化学若手シンポジウム
  4. シンガポールへ行ってきた:NTUとNUS化学科訪問
  5. モンサント酢酸合成プロセス Monsanto Process for Acetic Acid Synthesis
  6. 化学者だって数学するっつーの! :定常状態と変数分離
  7. 常温・常圧で二酸化炭素から多孔性材料をつくる
  8. ケムステ国際版・中国語版始動!
  9. とある社長の提言について ~日本合成ゴムとJSR~
  10. マイケル・クリシェー Michael J. Krische

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年6月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP