[スポンサーリンク]

ケムステニュース

秋の褒章2009 -化学-

[スポンサーリンク]

shijyu.png
政府は2日付で、2009年秋の褒章受章者678人(うち女性120人)と24団体を発表した。栄典制度の改正があった03年の秋の褒章以来最少。学術や芸術、スポーツ分野で活躍した人を対象とする紫綬褒章は、シンガー・ソングライターの中島みゆき(本名美雪)さん(57)や宮崎駿監督作品への楽曲提供で知られる作曲家の久石譲(本名藤澤守)さん(58)や、メキシコ、ミュンヘン、モントリオール五輪の金メダリストである体操の塚原光男さん(61)らが選ばれた。3日発令される。  紫綬褒章はこのほか、地方財政審議会会長を務める東大名誉教授の神野直彦さん(63)やチェロ奏者の堤剛さん(67)、陶芸家の十四代今泉今右衞門さん(46)らも受章した。  公共活動に貢献した人を対象とする藍綬褒章は、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズなどのゲームソフトを商品化した、スクウェア・エニックスの福嶋康博元会長(62)らが選ばれた。  受章者の内訳は、紫綬褒章が25人(うち女性2人)、長年業務に励んだ人への黄綬褒章が237人(同15人)、藍綬褒章が388人(同91人)、危険を顧みず人命救助に尽力した人への紅綬褒章が11人(同2人)。慈善活動に取り組んだ人への緑綬褒章は17人(同10人)と24団体(引用:時事通信)。
 そりゃ中島みゆきや、久石譲は有名かもしれませんが、そんな中25人中化学分野で、細野秀雄教授(東工大)、福山透教授(東大)、上村大輔教授(慶応大)、中村栄一教授(東大)の4人が受賞されました。おめでとうございます!


Twitterの方に速報を入れましたが、なんと今年の秋の褒章では4人も化学分野から紫綬褒章が受賞されました。それぞれの経歴はご存知の通りですが、気になる方はそれぞれのリンクへどうぞ。それに値する業績を上げている先生方です。

ちなみに、ここでは取り上げませんでしたが、今年の文化勲章はカーボンナノチューブ発見者で2009年のノーベル化学賞最有力候補としてChem-Stationでも取り上げた飯島澄男教授(名大、名城大)が受賞されています。
過去に(2000年より)紫綬褒章を受賞した化学者を振り返ってみると、
2000年 新庄 輝也(京大)、竹原 善一朗(京大)
2001年 秋葉欣哉(広島大)、岡崎廉治(日本女子大)
2002年 竜田邦明(早稲田大)、山本尚(シカゴ大)、岡本佳男(名大)
2003年 板谷 謹悟(東北大)、柴崎正勝(東大)、岩澤康裕(東大)、藤嶋 昭(東大)
2004年 玉尾皓平(理研)、柏 典夫(三井化学)、新海征治(九大)、山本隆一(東工大)
2005年 なし
2006年 原田 明(阪大)、山本嘉則(東北大)
2007年 入江正浩(九大)、吉良満夫(東北大)、小林四郎(京大)
2008年 増原宏(阪大)、遠藤守信(信州大)、増原宏(奈良先端大)、磯部稔(名大)
2009年 齋藤軍治(京大)、筒井哲夫(九大)、細野秀雄教授(東工大)、福山透教授(東大)、上村大輔教授(慶応大)、中村栄一教授
と該当者無しの年もあり、最高3人まででしたので(追記:実は調べてみたのと読者の方々からの報告で2003、2004年、2008年も春夏併せて4人でした。失礼しました&ご報告ありがとうございました。あと抜けている方がいましたらご報告ください)、今年が如何に多いかよくわかると思います。春には齋藤軍治(京大)、筒井哲夫(九大)も受賞しておりますので春夏併せて今年は6人の受賞となりました。文化勲章も3年連続化学分野から受賞者がでています。化学びいきなあまりに偏った見方ですが、他にこのように報道するところもなく、同じ化学をベースに研究をしている方々には喜ばしい事ですので、声を大にして宣伝したいと思います!もう一度おめでとうございます!
  • 関連リンク
紫綬褒章(Wikipedia)
文化勲章(WIkipedia)
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 三菱化学、酸化エチレン及びグリコールエーテルの価格を値上げ
  2. インドの農薬市場と各社の事業戦略について調査結果を発表
  3. ラスカー賞に遠藤章・東京農工大特別栄誉教授
  4. 日本企業クモ糸の量産技術確立:強さと柔らかさあわせもつ究極の素材…
  5. 光で分子の結合状態を変えることに成功
  6. 世界初 ソフトワーム用自発光液 「ケミホタルペイント」が発売
  7. 有機化学美術館へようこそ ~分子の世界の造形とドラマ
  8. 呉羽化学、社名を「クレハ」に

注目情報

ピックアップ記事

  1. ビニグロールの全合成
  2. ピリジンの立体装飾でアルカロイドをつくる
  3. 上田 善弘 Yoshihiro Ueda
  4. 総合化学大手5社、4-12月期の経常益大幅増
  5. 塩化ラジウム223
  6. 2023年化学企業トップの年頭所感を読み解く
  7. 【マイクロ波化学(株)医薬分野向けウェビナー】 #ペプチド #核酸 #有機合成 #凍結乾燥 第3のエネルギーがプロセスと製品を変える  マイクロ波適用例とスケールアップ
  8. 初めてTOEICを受験してみた~学部生の挑戦記録~
  9. 理研、放射性同位体アスタチンの大量製造法を開発
  10. 【書籍】合成化学の新潮流を学ぶ:不活性結合・不活性分子の活性化

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年11月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

【太陽ホールディングス】新卒採用情報(2027卒)

■■求める人物像■■「大きな志と好奇心を持ちまだ見ぬ価値造像のために前進できる人…

欧米化学メーカーのR&D戦略について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、欧米化…

有馬温泉でラドン泉の放射線量を計算してみた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉は、日本の温泉で最も高い塩分濃度を持ち黄褐色を呈する金泉と二酸化炭素と放射性のラドンを含んだ…

アミンホウ素を「くっつける」・「つかう」 ~ポリフルオロアレーンの光触媒的C–Fホウ素化反応と鈴木・宮浦カップリングの開発~

第684回のスポットライトリサーチは、名古屋工業大学大学院工学研究科(中村研究室)安川直樹 助教と修…

第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」を開催します!

第56回ケムステVシンポの会告を致します。3年前(32回)・2年前(41回)・昨年(49回)…

骨粗鬆症を通じてみる薬の工夫

お久しぶりです。以前記事を挙げてから1年以上たってしまい、時間の進む速さに驚いていま…

インドの農薬市場と各社の事業戦略について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、インド…

【味の素ファインテクノ】新卒採用情報(2027卒)

当社は入社時研修を経て、先輩指導のもと、実践(※)の場でご活躍いただきます。…

味の素グループの化学メーカー「味の素ファインテクノ社」を紹介します

食品会社として知られる味の素社ですが、味の素ファインテクノ社はその味の素グループ…

味の素ファインテクノ社の技術と社会貢献

味の素ファインテクノ社は、電子材料の分野において独創的な製品を開発し、お客様の中にイノベーションを起…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP