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製薬各社 2010年度 第2四半期決算を発表

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  さてさて、大人気の大手製薬四半期決算コーナーがみなさんのおかげで帰ってきました。といっても今回が2回目ですが(笑)。2010年度第2四半期(4~9月の半年間)の国内製薬大手4社の決算が出揃いましたので報告します。世の中はリーマンショック以降不景気が続いていますが、製薬業界は他業種に比べて安定しています。不景気だから車を買うのは控えよう、という人は多いかもしれませんが、不景気だか薬飲むのやめよう、病院行くのやめよう、という人は少ないでしょう。ただ、円高の影響は受けるもので各社100~300億円程度の為替損がありました。また国内において2年に一度やってくる薬価改定が今年4月に行われ平均5.75%(薬価ベース)薬の値段が下げられました。そんな中ではありましたが、大手4社のうち武田・第一三共・エーザイは通期の利益を前回予想から上方修正するなどそこそこ好調のようです。

 売上高は前年同期比5.5%減の7140億円。営業利益は8.6%減の2216億円。純利益は24%減の1442億円で減収減益となった。減収の主たる要因は前回述べたように、プロトンポンプ阻害剤タケプロンの後発品参入の影響である。同剤の売り上げは42.5%減(-557億円)の752億円と大きく落ちこんだ。一方、大黒柱の糖尿病治療薬アクトスは為替による目減りがあったものの0.8%増の1956億円を売り上げた。また、「ベクティビックス」「ネシーナ」「ロゼレム」といった国内新製品が売り上げに寄与し始めるなど、良いニュースも多い。アクトスの後発品参入が気になるところだが説明会の冒頭で社長から、アクトス後発品の参入予想は2012年8月頃で売り上げ減少の底を2013年度と想定しているとの説明がなされた。前年同期に比べ減収減益となったものの、純利益を見れば他を圧倒しており、手元資金が潤沢であることもうかがい知れる。来年2月には神奈川県藤沢市に中央合研究所が新設・稼動を始める。大阪と茨城県つくばの国内研究所を統合し、研究者1000人以上の国内最大の研究所ができることになる。武田の売り上げ・人気国内トップの座はまだしばらく続きそうだ。

  売上高は前年同期比6.0%増の4989億円。営業利益は77.2%増の901億円。純利益は179%増の522億円。この内ランバクシーの売り上げが59.7%増の985億円と増収増益を牽引した。第一三共の大黒柱である高血圧症治療薬オルメテックはグローバルで1216億円(+5.4%)を売り上げた。前期に引き続き、安定的といった印象だ。大きく売り上げを落とす心配事はしばらくはない。ただ、もたもたしている新薬が一つ。抗血小板薬エフィエント。血液凝固因子factor Xaに作用し血栓の形成を抑制する。患者数が非常に多い疾患領域であるが、血液の抗凝固効果に必ず付きまとう出血リスクのためになかなか良い薬が出ない領域であった。血液が固まらいようにする薬なわけだから、効果が強すぎれば何か出血が起きた時に出血が止まらないというリスクを背負うことになる。出血リスクは時に全身内出血などを起こし死亡するケースもある。エフィエントは1万3000例にも及ぶ大規模第三相試験のすえに欧米で承認を得た新薬である。第一三共の次期主力品と期待されて2009年に販売が開始された。本決算での売り上げ(共同販促収入)は欧米で18億円と満足でるものではなかった。先行品の「プラビックス」が2011年に特許切れとなり同剤の後発品と競合となる可能性が高いため早期の市場浸透が急務である。また、本年11月にエーザイの主力品アリセプトが特許満了を迎え、ランバクシーから後発品を発売することとなる。アナリストからその販売戦略についていくつか質問があったが最後までノーコメントだった。

 売上高は前年同期比6.7%減の4617億円。営業利益は47.5%減の679億円。純利益は47.4%減の438億円で減収大幅減益となった。本年6月に買収した米OSI Pharmaceuticalsの売り上げ109億円が加わったものの、後発品の侵食によるプログラフとハルナールの売り上げ減少と為替レートの影響が大きく響いた。免疫抑制剤プログラフは前年同期比20.8%減の816億円でアメリカにおける後発品の処方箋シェア率は50.2%に達した。排尿障害改善剤ハルナールは前年同期比46.5%減の334億円でアメリカにおける後発品の処方箋シェア率は94%に達した。アメリカだけ見れば前年同期279億円だった収入が26億円(-89%)と目も開けられない状態に><。後発品が発売されたのは本年3月ですから、わずが半年でこの侵食っぷりです(恐っ)。アメリカではひどい状況ですが日本は堅調に推移。「セレコックス」「ジェニナック」「シムビコート」などの新製品群が順調に売り上げを伸ばしている。プログラフとハルナールの売り上げ減少が早く頭打ちになってくれることを願うばかりです。通期予想についてはOSI買収費用や研究開発費の増加から利益面について下方修正しました。

 売上高は前年同期比4.4%増の4123億円。営業利益は36.8%増の672億円。純利益は29.2%増の399億円で、売り上げ利益ともに過去最高を記録した。本年11月25日にアメリカで特許満了となる主力のアルツハイマー病治療薬アリセプトが売り上げの極大値を迎え、前期比10%増の1721億円を記録した。売り上げ全体の約42%に上る。アリセプトの特許満了はエーザイにとって激震となることは間違いない。決算説明会では今年8月に新発売したアリセプト23mg製剤についてスライド8枚にわたってポジティブな説明がなされたが、市場の見方は冷ややか。株価も右肩下がりが続いてる。アステラスのプログラフやハルナールのことを考えると、どうなってしまうことだか・・・。一方、期待の新薬「ハラベン(エリブリン)」の承認がいよいよ今年末に迫ってきた。例のハリコンドリン誘導体から作られた抗がん剤です。アメリカ・日本ともに優先審査対象となっています。全合成で供給されている本剤が承認されれば、まさに有機合成化学のサクセスストーリーが完成することになりますね!次期決算からアリセプト特許切れの影響が現れてきます。注目しておきましょう。

 

 

 長文お疲れ様でした。間違いがあったらごめんなさい。それではまた3ヵ月後にお会いましょう。

 

 

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修士(工学)。学生時代は有機合成・天然物合成に従事し、現在は某製 薬メーカー合成研究員。

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