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酒石酸/Tartaric acid

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 酒石酸は自然界に広く存在し、特に葡萄に多く含まれ、やや苦みを感じますが、切れ味の良い酸味が特徴の果実酸(フルーツ酸)です。医薬品、化粧品、食品に酒石酸や酒石酸塩が含まれています。

 食品添加物として酒石酸の塩類に、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウムがあり、パンや菓子のベーキングパウダー等として使用されているのが、酒石酸水素カリウムです。清涼飲料、果汁、キャンデー、ゼリー、ジャムの酸味料等として使用されています。

 また、化粧品においては、収れん作用や、皮膚の弱酸性を保つ働き、製品のpHの調整をする役目を果たしています。さらに、ケミカルピーリング溶剤の中に、他のフルーツ酸(クエン酸、リンゴ酸など)とあわせて入れることで、皮膚の古い角質の除去に用いられます。さらに、加齢や日焼け等が原因で衰えた新陳代謝を高めます。

 酒石酸は二つの不斉炭素を持つため、L-(+)-酒石酸、D-(-)-酒石酸、メソ酒石酸の三種類の異性体が存在します。天然に比較的多く存在するのはL体です。合成化学の分野でも酒石酸は頻繁に使用され、安価に入手可能なL-酒石酸あるいは酒石酸誘導体を出発物質とした全合成や、不斉反応の開発が行われています。

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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