[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

リンダウ会議に行ってきた④

[スポンサーリンク]

 P1010752.JPG

リンダウ・ノーベル賞受賞者会議(Lindau Nobel Laureate Meeting)の参加報告、第四回目です。 (前回の記事はこちら)
最終回でもある今回は、交流イベント・エクスカーションの模様についてお届けします。

 

交流会議だけあって、参加者同士の交流・語らいの場は沢山設けられている感じでした。講演のときに隣り合った人と会話したり、同年代の人達ばかりなのでなかなか普通の学会と違って気楽なものです。英語はしゃべれるに越したことは無い感じですね。

 

  • コーヒーブレイク

 

講演の合間のコーヒーブレイクは、ノーベル賞学者と接触する絶好のチャンス!・・・なのですが、写真やサインをねだる若者達でごったがえしており、休憩時間にゆっくり話すのは正直言って難しそうな感じでした。隣にいた人が”He is like a movie star.”とぼそっとつぶやいていましたが、まさにそんな扱い。そんな中でも積極的に向かっていく、一種の厚かましさというのはある意味で重要なのでしょう。その点ではインドや中国の学生を見習いたいものですね・・・。

 

P1010633.JPG
(学生に応えてサインをするエルトゥル教授)
  • 夕食パーティ

夕食のときは、ノーベル賞学者がテーブルごとに振り分けられ、参加者達が貴重な会話を楽しむことが出来るようにアレンジされていました。大々的なパーティも何回かありましたが、そのときにはヨーロッパらしく、参加者どうしの社交ダンスタイムなどもあったり。

 

P1010610.JPGBO5C4137.JPGP1010713.JPGBO5C1965.JPGBO5C2988.JPGBO5C2926.JPG 

 また別の日には、特別イベントとして、ミニオーケストラのコンサートが開催されたりしてもいました。

BO5C3701.JPG

 

  • マイナウ島へのエクスカーション

最終日にはエクスカーションが催され、リンダウ近くにあるマイナウ島(Insel Mainau)という観光スポットを訪問しました。ボーデン湖を船で横断するように向かうのですが、参加者を運ぶために使われた客船が下の写真のごとく、かなりの豪華客船。500名以上収容するわけですから、勿論半端な大きさじゃぁダメなんでしょうが・・・。今後の人生でこんな船に乗る機会なんて、もう無いかも知れません(笑)。いやぁ良い経験でした。

 

P1010731.JPG
(左:客船外観、右:客船内部)

マイナウ島では二回目のパネルディスカッションが行われ、クロージングセレモニーが開催されました。しかしそれにはろくに参加せず、ずっと島内を散策していました。島内が一つの庭園のような感じで、なかなか綺麗なところで、歩いてるだけで楽しいとこでした。

P1010805.JPGP1010770.JPGP1010769.JPGP1010813.JPGP1010810.JPG

 

・・・といった感じで、リンダウ会議の全日程は終了しました。

ノーベル賞学者とのコミュニケーションもそうですが、この会議一番の収穫は、とても優秀な日本人の同年代研究者とたくさん話ができたことですね。現在海外在住の人も沢山おられたので、似たような境遇の方々の話を聞けて、良い刺激になりました。

参加報告はこれにて終了です。総合的に見て、とても有意義な会でした。長々とおつきあいくださった読者の皆さん、ありがとうございました。

 

P.S. ノーベル賞学者と若手化学者が交流できるような類似イベントは、実は最近になって、日本近郊でも開催されるようになってきています。代表的なものが、アジア・サイエンスキャンプHOPEミーティングと呼ばれる会です。地理的に遠いドイツよりも気軽に参加できそうですから、興味のある方は、上記リンクからたどれる公式ホームページを起点に日程など調べてみてはいかがでしょうか。きっとかけがえのない経験ができると思いますよ。

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 生体深部イメージングに有効な近赤外発光分子の開発
  2. 先端事例から深掘りする、マテリアルズ・インフォマティクスと計算科…
  3. カーボンナノチューブをふりかえる〜Nano Hypeの狭間で
  4. 単一分子の電界発光の機構を解明
  5. Ming Yang教授の講演を聴講してみた
  6. 酸化反応条件で抗酸化物質を効率的につくる
  7. 治療薬誕生なるか?ジカウイルスのアロステリック阻害剤開発
  8. 第54回複素環化学討論会 @ 東京大学

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第37回 糖・タンパク質の化学から生物学まで―Ben Davis教授
  2. あなたの天秤、正確ですか?
  3. PCに眠る未採択申請書を活用して、外部資金を狙う新たな手法
  4. 【書籍】クロスカップリング反応 基礎と産業応用
  5. シクロカサオドリン:鳥取の新しい名物が有機合成された?
  6. 研究活動の御用達!PDF加工のためのクラウドサービス
  7. カテラニ反応 Catellani Reaction
  8. カスケードDA反応による(+)-Pedrolideの全合成ダダダダ!
  9. ポリ塩化ビニルがセンター試験に出題されたので
  10. 触媒のチカラで拓く位置選択的シクロプロパン合成

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

はじめから組み込んじゃえ!Ambiguine P の短工程合成!

Ambiguine Pの特徴的な6-5-6-7-6多環縮環骨格を、生合成を模倣したカスケード環化反応…

融合する知とともに化学の視野を広げよう!「リンダウ・ノーベル賞受賞者会議」参加者募集中!

ドイツの保養地リンダウで毎年夏に1週間程度の日程で開催される、リンダウ・ノーベル賞受賞者会議(Lin…

ダイヤモンド半導体について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、究極の…

有機合成化学協会誌2025年6月号:カルボラン触媒・水中有機反応・芳香族カルボン酸の位置選択的変換・C(sp2)-H官能基化・カルビン錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年6月号がオンラインで公開されています。…

【日産化学 27卒】 【7/10(木)開催】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 Chem-Talks オンライン大座談会

現役研究者18名・内定者(26卒)9名が参加!日産化学について・就職活動の進め方・研究職のキャリアに…

データ駆動型生成AIの限界に迫る!生成AIで信頼性の高い分子設計へ

第663回のスポットライトリサーチは、横浜市立大学大学院 生命医科学研究科(生命情報科学研究室)博士…

MDSのはなし 骨髄異形成症候群とそのお薬の開発状況 その2

Tshozoです。前回はMDSについての簡易な情報と歴史と原因を述べるだけで終わってしまったので…

水-有機溶媒の二液相間電子伝達により進行する人工光合成反応

第662回のスポットライトリサーチは、京都大学 大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 阿部竜研究…

ケムステイブニングミキサー 2025 報告

3月26日から29日の日本化学会第105春季年会に参加されたみなさま、おつかれさまでした!運営に…

【テーマ別ショートウェビナー】今こそ変革の時!マイクロ波が拓く脱炭素時代のプロセス革新

■ウェビナー概要プロセスの脱炭素化及び効率化のキーテクノロジーである”マイクロ波…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP