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文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり⑮:4Kモニターの巻

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効率的なデスクワーク環境だけでなく、快適な映画鑑賞の環境を構築するために31.5インチ4Kモニターを購入しました。以下、使用感を紹介します。

4Kモニターとは

テレビやスマホのカメラの宣伝で4K対応という言葉をよく聞くと思いますが、そもそも4Kとはどういう意味なのでしょうか。

映像出力における4Kとは、解像度が横3840×縦2160画素、つまり横に約4000(4K)個のドットを持つことを意味しています。同じ画面のサイズで比べれば、同じ面積にたくさんの画素が組み込まれているほうがより高精細となり、現在販売されているノートパソコンの画面やモニターの主流はフルHD(横1920×縦1080画素)で、総ドット数で比べればそのフルHDより4倍高精細と考えることができます。よって4Kは解像度を示す言葉であり、4K=大きいモニターではありません。そのため4Kより低い解像度でも大きいモニターは販売されており、そちらの方が安価な場合が多いです。さらにモニターが4Kでも出力されるコンテンツも4Kでないとモニターの能力を発揮できません。世の中に4Kのコンテンツがたくさんあるかというと、テレビの地上波は1440 x 1080ですし、Youtubeでも4Kの動画は限られています。動画配信サービスでも4K対応は一部の作品のみのようです。それでも将来的にはコンテンツが充実すると期待して4Kモニターを購入しました。

購入したモニターについて

4Kモニターといってもいろいろなタイプがあり、デスクワークで使用する上で下記の点に着目して商品の選択を行いました。

  • インチ数:最低27インチ以上、理想は31.5インチ
  • 液晶パネル:理想はIPS、値段次第でVA
  • 理想の機能:高さ調整、USB PD対応

結果、価格との兼ね合いで31.5インチVAパネルで高さ調整対応のモニターを購入しました。

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いろいろな解説サイトを見ると、4Kをデスクワークに活かすには31.5インチが良いと書かれていたので31.5インチにしましたが、この理由については後述します。IPSの方が視野角が広く、発色と色再現性も良いそうですが、価格が31.5インチVAパネル=27インチIPSパネルなのでインチ数を優先しました。前に紹介したスタンディングデスクを使用しており、キーボードよりも高い位置にモニターを置くことになります。そのため、高さ調整できるモニターを選択しました。USB PDに対応していると同じくUSB PD対応のノートPCを使用するときにモニタ出力に加えて給電が可能になります。しかし自分の場合、ノートPCはドッキングステーションを使って接続しているため、USB PD非対応の機種を選択しました。

使い心地

第一印象は、大きいの一言です。以前はフルHD、21.5インチと1280×1024 19インチの2画面を使用していましたが、4Kモニターを21.5インチの脇に置くとこんな小さかったと思うほどです。結局VAパネルの機種を選択しましたが、特に不便は感じていません。

4Kモニターをスタンディングデスクに置いた様子

以前の2画面のモニターの環境

試しにYoutubeの4K動画を全画面で再生しましたが、圧巻です。またWindows スポットライトの機能でログイン画面に美しい写真がランダムに表示されますが、ここでも4Kモニターの真価を発揮し、仕事のモチベーションを高めてくれます(個人の感想です)

インチ数についてですが、4Kでも小さいモニターでは画素を詰め込んでいるため、拡大なしでは文字が小さくなってしまいます。デスクワークで使用する限り文章を読み書きすることになるので、4Kの解像度を活かしつつ快適に作業ができるようにやや大きめのモニターを選択しました。それでも31.5インチでは100%の倍率では、小さすぎて長時間の文章作成には厳しいように感じました。そのためWindowsの倍率を推奨値の150%にし、Google Chromeの表示倍率を90%=135%にしてちょうど良いくらいの大きさになっています。

Windowsでの拡大率100%での2分割での様子、2分割でもWebサイトの左右の余白が十分にある。一方で下のツールバーは極めて小さい

Windowsでの拡大率125%での2分割での様子、Webサイトの余白も少し見える。

Windowsでの拡大率150%での2分割での様子、Webサイトの余白はなくなり、ツールバーのアプリのアイコンも大きく見えるようになった。

PDF形式の論文を表示した場合、ほぼ1ページ丸ごと表示することができ、スクロールの手間が省けます。

論文とケムスケの記事を開いた時の様子、文字が読めるほどの大きさでほぼ1ページ丸ごと表示できる。

横長のスライドの資料では、より大きいモニターの良さが発揮され、かなり細かい資料でも全体を表示しながら見ることができます。

地域循環共生圏についての資料、写真では伝わりにくいが全体を表示しても中央の細かい文字も認識することができる。(出典:環境省

スプレッドシートでもより多くのセルを表示でき、21.5インチのモニターでは、35行R列までデフォルトで表示されますが、4Kモニターでは、51行X列まで表示できました。そのため、150%の拡大でもフルHDの2倍ほどの数のセルを表示でき、大きな表でも縦横のスクロールをより少ない回数で内容を確認することができます。分子構造を作る際にも作業スペースが広くなり、類似の構造をスクロールなしで大量生産することができると思います。

マイトトキシンを6個並べることができるほどの描画スペースがある。(Chemdrawではなく、単に画像データをスライドに貼り付けています。)

2画面から1画面での運用になりましたが、画面が大きいので分割して1画面に2つのタブやアプリケーションを表示させることができます。2画面ではモニター間の視点移動やウィンドウ移動に少しの不都合を感じていましたが、2分割では切れ目が無いのでより快適に感じます。また、等分割だけでなく一方を広く/狭くすることができるので、用途に合わせて割合を変えて運用でき便利です。

気になる点

やはり目の疲れが気になるところです。モニターの位置を一番下にしてもやや見上げる感じとなり疲れが来るのかもしれません。また、広すぎてマウスの現在位置が分からなくなることもあり、場合によってはカーソルの色や大きさを変える必要があるようです。少々古いPCで使ったところ、画面表示にタイムラグがあるように感じました。PCが古いと逆に使いにくくなるかもしれません。本体が大きいので、もちろん箱も大きいです。引っ越しの可能性がある場合には安全な輸送のため箱を保管しておきたいですが、なかなかの場所を取ります。

ウルトラワイドモニターという選択肢

作業領域を縦に増やすのは限界があり、よりたくさんの情報を表示させるには、横に伸ばしていくしかありません。そのため、ウルトワイドディスプレイというモニターも販売されており、中には1m近い横幅を持つ商品もあります。

[amazonjs asin=”B098PYLPPX” locale=”JP” title=”モニター ウルトラワイド ADS 144HZ Innocn 40インチ HDR600 2K WQHD 95% DCI-P3色域 非光沢 3440×1440 USB Type-C 接続 PIP/PBP FreeSync GAME PLUS 薄型 傾き調整 VESA対応 日本語取扱説明書付 WR40-PRO”]

さすがに設置するにはデスクの幅がそれなりに必要ですが、複雑な化合物のNMRやLC-MSの測定結果を分析するには便利かもしれません。

4Kモニターというよりかは、31.5インチモニターのレビュー記事になってしまいましたが、大きいモニターには2画面とは異なるメリットがあると思います。画質も向上し、画面サイズも大きくなっても、スライド1ページに加える情報は、増やすべきではないと思います。特にWeb会議では相手の画面サイズも自分と同じほど大きいとは限らないので、情報の詰め込みは避けるべきではないでしょうか。

関連書籍

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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