[スポンサーリンク]

ケムステニュース

家庭での食品保存を簡単にする新製品「Deliéa」

日本エア・リキード株式会社は、新商品「Deliéa」(デリエアー)を開発し、食材の保存方法として業務用では広く使われているガス置換包装技術をご家庭でも手軽に利用できるようにした。  (引用:公式プレスリリース)

Deliéaは野菜、肉、魚などの生鮮食品の鮮度を保つツールで、小型ボンベと、ガスインジェクター、ビニールバックが含まれています。使い方はシンプルで、食材をビニールバックに入れて空気を追い出しガスを注入するだけです。小型のガスボンベには、窒素と炭酸ガスの混合ガスが充填されています。窒素を充填することで食品が酸素と接触することがなくなり酸化反応を抑えることができ、炭酸ガスには窒素ガスの効果に加えて腐敗やカビの発生を抑える効果があるため、窒素と炭酸ガスを充填したバックの中の食材は、酸素雰囲気下である通常の保存状態より長く鮮度を保つことができるという仕組みです。混合ガスを使う理由は、炭酸ガスは窒素ガスよりもフィルムを透過しやすいため、長時間の保存を考えて使用していると考えられます。ガスの種類は、肉・魚用と野菜・果物用と二週類あることから、ガスの濃度を肉と野菜によって最適化しているようです。

不活性ガスで食品の品質を保つというアイディアは真新しいものではなく、ポテトチップスやコーヒーのパッケージに窒素を充填することはすでに行われています。しかしながら高圧ガスは重く頑丈な容器に充填する必要がなるなどハンドリングに難があり、家庭で手軽に使用できないものでした。そのため、家庭用にガスボンベとガスインジェクターに設計されたこのDeliéaはオリジナリティの高い商品であると思います。個人的には家庭だけでなくスーパーマーケットなどで使用が始まれば、不活性ガスを充てんした生鮮食品の消費期限の延長の議論が高まり、このプロジェクトのゴールである食品ロスの低減にも大きく貢献するのではないかと思います。

Deliéaは、クラウドファンディングMakuakeで資金を募っていて、6500円以上の支援でガスとビニールバックのセットを申し込むことができます。期限は8月24日までで7月28日現在、目標の30%ほどの支援が集まっています。目標金額に達した場合、2019年1月にDeliéaが送られるそうです。

関連書籍

関連リンク

  • プレスリリース:開発した日本エア・リキード株式会社によるプレスリリース

ガスに関連したケムステ記事

The following two tabs change content below.
Zeolinite

Zeolinite

企業の研究員です。最近、合成の仕事が無くてストレスが溜まっています。

関連記事

  1. 三菱化学:子会社と持ち株会社設立 敵対的買収を防ぐ狙い
  2. 製薬各社 2011年度 第2四半期決算
  3. 2005年2月分の気になる化学関連ニュース投票結果
  4. 国際化学オリンピックで日本代表4人メダル受賞
  5. 秋の褒章2009 -化学-
  6. 武田 新規ARB薬「アジルバR錠」発売
  7. 使い方次第で猛毒、薬に
  8. 三菱化学グループも石化製品を値上げ、原油高で価格転嫁

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. ヒドラジン
  2. 井上 将行 Masayuki Inoue
  3. デイヴィット・ベイカー David Baker
  4. ビニグロールの全合成
  5. とある水銀化合物のはなし チメロサールとは
  6. ナノチューブを引き裂け! ~物理的な意味で~
  7. 武田薬の糖尿病治療薬、心臓発作を予防する効果も
  8. アーノルド・レインゴールド Arnold L. Rheingold
  9. 第八回 自己集合ペプチドシステム開発 -Shuguang Zhang 教授
  10. 研究室クラウド設立のススメ(経緯編)

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

カクテルにインスパイアされた男性向け避妊法が開発される

男性の避妊法はXXドームを付ける一時的なものか、パイプカットを行って完全に生殖行為を不可能にするかと…

水素社会実現に向けた連続フロー合成法を新開発

第179回のスポットライトリサーチは、東京大学理学系研究科化学専攻有機合成化学教室の宮村浩之先生にお…

【大阪開催2月26日】 「化学系学生のための企業研究セミナー」

2020年卒業予定の学生の皆さんは、3月から就活本番を迎えますが、すでに企業の選考がスタートしている…

Nature 創刊150周年記念シンポジウム:ポスター発表 募集中!

本年、Nature 創刊150周年を迎えるそうです。150年といえば、明治時代が始まったばかり、北海…

アルケニルアミドに2つアリールを入れる

ニッケル触媒を用いたアルケニルアミドの1,2-ジアリール化反応が開発された。フマル酸エステルを配位子…

蛍光標識で定性的・定量的な解析を可能に:Dansyl-GSH

反応性代謝物の存在を調べたい。代謝化学の実験をしていれば、ほとんどの人がそう思うのではないでしょうか…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP