[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

「糖化学ノックイン」の世界をマンガ化して頂きました!

[スポンサーリンク]

「糖化学ノックイン」領域では、プロの漫画家さんに「糖化学ノックイン」領域が構想する研究ストーリーと未来を描いて頂く試みをしました。

『誰もやったことない話なら、何をやっても良いはずだ』の精神のもと、まったくポテンシャル未知数・発足わずか3ヶ月の学術領域を漫画化してしまうという暴挙(?)に出ました。

本記事ではこのあたりについて、領域代表(生長)の視点から、裏話的なことも含めて紹介してみようと思います!

日本が誇るマンガ文化を活用したい!

いきなりですが学術変革領域研究、

「領域名だけ見ても、何やろうとしてるか全然分からないよ!!!」

 って思いませんか?もっといえばキラキラネーム勝負の温床になってるんじゃないの?とすら(失礼)。筆者(領域代表)は既に一般人ではなく研究者身分でもあるのですが、他分野の領域課題を眺めて率直にそう感じてしまったものですから・・・同じ枠の研究費を頂く身なのにそんなこと言っちゃって良いの?ブーメラン乙!とも思いますが、まぁそれはそれ(苦笑)。

もちろん、誰もまだ見ぬ世界を表現し、伝え、世界にアピールしていくことは先端研究者としての責務です。分野を切り拓く新たな学術用語を打ち出すことは半ば必須でもあるわけです。学術をもっとも厳密かつ誤解無く伝える媒体=言語である以上、これは仕方ありません。

しかし、「その先にある未来をどうやって伝えるか?」となれば、話はまた別ではないでしょうか。科研費申請書にも将来像は書きますし、プロジェクトホームページや説明資料に書かれる小難しい研究概要を読みとける人なら、一応は理解できる建前にもなっています。ただ細かな概念が固まっていない「これからの話」ですから、そもそもが厳密性からはほど遠い。加えて文章だけから読み手に想像力を広げてもらおうとしても、よほど小説などを読み慣れていないと、実のところ難しい。SNSが普及して長い文章をみんな読めなくなったとも言われる昨今、テキストベースの伝達には限界を感じていました。そんな中でも何とかして自分達を知ってもらわなければ始まらないのも確か。現代の研究者はそのジレンマに常日頃から対峙しているわけです。

そういった諸々を踏まえたうえで、むしろ直感的かつざっくりと領域を知ってもらえる、親しみやすい広報コンテンツが必要だとの結論に至り、マンガの力を借りることにしたわけです。筆者個人がマンガ大好きという自分勝手な理由もあります(笑)

今回依頼した漫画家さんは?

ことり野デス子先生という、ウェブ・商業で幅広くご活躍の漫画家さんに依頼しました。

依頼した理由は、とにかくマンガが面白かったから。それにつきます。加えて絵柄もストーリー構築力も素晴らしい!毎度オチがポジティブ!(化学よりずっと難しいはずの)数学マンガまで描いてるぞ!そして何よりネコは正義!!(笑)

極めつけはこのツイートです。どうやら研究アウトリーチも超やる気があれど、ツテに困っていそうだったご様子。

これを目ざとく見つけた筆者は半ば勝利(?)を確信し、全くツテもないままメール凸したところ、快くお仕事を引き受けていただけました。そして研究紹介マンガのみならず、厚かましくも領域ホームページのトップ絵・カットまでお願いし、唯一無二のおかわわわわわわわな領域ホームページが出来上がったのです。理系分野なんて傍目からすれば、青系直線クールでお堅く近寄りがたいノリなんですが、そこはひねくれものの自分。とにかく真逆の表現にしたかったんですね。こういうのもアリだと思って頂ければ幸いです。余は満足であるぞ。

アニメ「かぐや様は告らせたい」公式 on Twitter: ""奇跡的相性"な何かに出逢って「おかわわわわわわわわわわわわわ!!」となってしまった時にご使用ください。四宮かぐやの場合。 #かぐや様 @anime_kaguya https://t.co/tCRKbWKg61 https://t.co/VM09KAovDT" / Twitter

実にことり野先生は、難しい研究内容にも頑張って食らいついてきてくれる、とても意欲的な方でした。このマンガを描いて貰うために、研究室も見学頂きました。化学系のリアルな肌感覚がないとイメージも湧かないだろうと思ったからです。するとそのときの様子をメイキングマンガに仕立てるという、充実アフターフォローまでいただけました!

サイコミ人材少なすぎ!?ならば自ら発掘だ!

自分の仕事を分かりやすく学生や一般市民に伝えたいとは、現場の研究者なら誰しも常々思っているはずです。国や社会からもアウトリーチ・分野融合は普通に求められるご時世です。前提知識の無い人たちにも、なんとか話を知ってもらわねばならない。しかし諸々の事情から学術研究者は誰しも余裕がなくなっているので、優れた科学コミュニケータや学術広報にお願いしたくなるニーズは年々高まる一方です。

ただ筆者個人はどうしても気になっていたことが一つありました。それは「現場人材をストーリーで表現できる絵師」がサイコミ業界にほとんど居ないという事実です。

そんなこんなで今回は、「科学コミュニケーションに今後ともコミットしてくれそうなタレント発掘」を、初めから狙ってやってました。領域発足で依頼理由が出来たので、研究”外”人材発掘をも国家予算でやってしまおうと考えたのです。科学イラストレータさんなどは、現役でご活躍の方も多くいらっしゃいますが、漫画家さんはやはりストーリー力が強い!特に描いて頂いた話の4ページ目は、それなしには出来上がってこないと思いました。

研究者コミュニティの発想は、「ああ、あの先生が依頼しているなら、自分も依頼して見よう!」です。ウェットなクチコミと事例の蓄積がとにかく大事。分かりやすい事例を一つ作っておくことで、周りが依頼しやすい状況が出来上がるのです。長くお付き合いできるクリエイターさんは、科学コミュニティ全てにとって貴重な人財です。

ことり野先生のマンガをお気に召された方は、論文表紙や研究イラストなども、積極的に依頼されてみてはいかがでしょうか(糖化学ノックインの専売特許というわけでもありません笑)。研究者だけだと、ここまでかみ砕いて表現することはまずできません。クリエイターの目を一旦通し、巧みに表現頂くことで、素晴らしい広報になるという好例ではないでしょうか。優れた表現者が側に居るだけで、研究者としても伝え方の勉強になります。

お仕事を依頼するときは本人の力量もそうなんですが、やはり未経験の話に対する貪欲さを筆者としては重視しています。ちゃんと依頼内容そのものに興味を持ち学ぼうとするモチベが高い人と一緒に仕事をしたいと思うのは、これ真っ当な人間心理ではないでしょうか。今回のお話をして、これぞ「学術分野”外”融合研究」なのだと捉えていただければ本望です!

関連書籍

関連リンク

 

糖化学ノックイン

投稿者の記事一覧

2021年度科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)「糖化学ノックイン」の広報アカウントです。生体分子現象の一つ「糖タンパク質の膜動態」にフォーカスし、生命系を理解し制御するための新たな反応化学技術「ケミカルノックイン」の確立を目指しています。
領域ホームページ:https://glycan-chemical-knockin.com/

関連記事

  1. 分子機械を組み合わせてアメーバ型分子ロボットを作製
  2. 鉄とヒ素から広がる夢の世界
  3. 日本プロセス化学会2019 ウインターシンポジウム
  4. 論文執筆&出版を学ぶポータルサイト
  5. お前はもう死んでいる:不安定な試薬たち|第4回「有機合成実験テク…
  6. ヒドロキシ基をスパッと(S)、カット(C)、して(S)、アルキル…
  7. シクロペンタジエニル錯体の合成に一筋の光か?
  8. 高分子化学をふまえて「神経のような動きをする」電子素子をつくる

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 可視光応答性光触媒を用いる高反応性アルキンの生成
  2. 光速の文献管理ソフト「Paperpile」
  3. ラリー・オーヴァーマン Larry E. Overman
  4. Keith Fagnou Organic Chemistry Symposium
  5. 福井鉄道と大研化学工業、11月に電池使い車両運行実験
  6. JAMSTEC、深度1万900mに棲むエビから新酵素を発見 – バイオ燃料応用に期待
  7. いま企業がアカデミア出身者に期待していること
  8. ターボグリニャール試薬 Turbo Grignard Reagent
  9. 一重項酸素 Singlet Oxygen
  10. 9‐Dechlorochrysophaentin Aの合成と細胞壁合成阻害活性の評価

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年12月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

注目情報

最新記事

毎年恒例のマニアックなスケジュール帳:元素手帳2023

hodaです。去年もケムステで紹介されていた元素手帳2022ですが、2023年バージョンも発…

二刀流センサーで細胞を光らせろ!― 合成分子でタンパク質の蛍光を制御する化学遺伝学センサーの開発 ―

第447回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 理学系研究科化学専攻 生体分子化学研究室(キャ…

【12月開催】第4回 マツモトファインケミカル技術セミナー有機金属化合物「オルガチックス」の触媒としての利用-ウレタン化触媒としての利用-

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合…

化学ゆるキャラ大集合

企業PRの手段の一つとして、キャラクターを作りホームページやSNSで登場させることがよく行われていま…

最先端バイオエコノミー社会を実現する合成生物学【対面講座】

開講期間2022年12月12日(月)13:00~16:202022年12月13日(火)1…

複雑なモノマー配列を持ったポリエステル系ブロックポリマーをワンステップで合成

第446回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院工学研究院 応用化学部門 高分子化学研究室(…

河崎 悠也 Yuuya Kawasaki

河崎 悠也 (かわさき ゆうや) は、日本の有機化学者。九州大学先導物質化学研究所 …

研究者1名からでも始められるMIの検討-スモールスタートに取り組む前の3つのステップ-

開催日:2022/12/07  申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の…

吉田 優 Suguru Yoshida

 吉田 優(よしだ すぐる)は、日本の化学者。専門は、有機合成化学、ケミカルバイオロジー。2…

小山 靖人 Yasuhito Koyama

小山 靖人(こやま やすひと)は、日本の有機化学者。富山県立大学工学部医薬品工学…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP