[スポンサーリンク]

A

アーント・アイシュタート合成 Arndt-Eistert Synthesis

[スポンサーリンク]

 

概要

酸塩化物とジアゾメタンとの反応で生じるジアゾケトンのWolff転位は、特にArndt-Eistert合成と呼ばれ、カルボン酸の1炭素伸長法として有効である。

爆発性の低いトリメチルシリルジアゾメタンを用いると、より安全に実験を行うことができる。

 

基本文献

  • Eistert, B.; Arndt, F. Chem Ber. 192760, 1364.
  • Arndt, F.; Eistert, B. Ber.1935, 68, 200. doi:10.1002/cber.19350680142
  • Bachmann, W. E.; Struve, W. S. Org. React.19421, 38.
  • Meier, H. et al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl.197514, 32.
  • Aoyama, T.; Shiori, T. Chem. Pharm. Bull.198129, 3248.
  • Smith, A. B., III et al. J. Am. Chem. Soc.1986108, 3110. DOI: 10.1021/ja00271a054
  • Ye, T.; McKervey, M. A. Chem. Rev.199494, 1091. DOI:10.1021/cr00028a010
  • Cesar, J.; Dolenc, M. S. Tetrahedron Lett.200142, 7099. doi:10.1016/S0040-4039(01)01458-7

 

反応機構

Wolff転位と同様。J. Am. Chem. Soc. 194264, 3043も参照。

 

反応例

acid-a1.gif

 

SeebachらはArndt-Eistert Synthesisを応用してホモペプチドの迅速合成に成功している。[1]

2014-08-29_10-04-02

実験手順

文献[1]

ジアゾケトンの合成:Et3N (1.39 mL, 10.0 mmol) と CICO2Et (953 pL, 10.0 mmol)をBoc-Leu-Sar-Leu-OH (4.16 g, 10.0 mmol) のTHF溶液 (50 mL,distilled from Na/K)に アルゴン下下- 15 ‘Cで加えた。15分後 5 “C付近まで昇温しCH2N2 のエーテル溶液を黄色の色が消えなくなるまで加えた。室温に昇温し、さらに3時間撹拌した。過剰のCH2N2は少量の酢酸を加え反応させ潰す。飽和NaHCO3と飽和塩化アンモニウム、brineで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ethyl acetate/hexane 2/1)により精製し、ジアゾケトンを収率86%  (3.76g. 8.60 mmol)で得た。

ホモペプチド合成:安息香酸銀 (16.0 mg. 70.0 pmol)のEt3N (215 pL. 1.54 mmol)溶液をジアゾケトンと  (238 mg, 541 pmol)、H-Ala-Sar-MeLeu-OBzl (528 mg, 3.40 mmol) のTHF (10 mL)溶液にアルゴンおよび光照射下  -25 “C で加えた。反応温度を室温に戻し、3時間撹拌した後、エーテルを加えた。HCl(0.2 N, 2 x )、飽和NaHCO3とbrineで有機層を洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去後、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーl (ethyl acetate)で精製し目的のホモペプチド(257 mg, 326 pmol, 60%)を得た。

 

実験のコツ・テクニック

ジアゾメタンは大変危険なので、パスツールピペットで取る際は必ず、先を火で炙ってなめしておくこと。

参考文献

[1] Podlech, J.; Seebach, D.  Angew. Chem. Int. Ed., 1995, 34, 471.DOI: 10.1002/anie.199504711

 

関連動画

 

関連反応

関連書籍

外部リンク

関連記事

  1. ダキン・ウェスト反応 Dakin-West Reaction
  2. クネーフェナーゲル ピリジン合成 Knoevenagel Pyr…
  3. マルコフニコフ則 Markovnikov’s Rul…
  4. ゾムレ・ハウザー転位 Sommelet-Hauser Rearr…
  5. エッシェンモーザーカップリング Eschenmoser Coup…
  6. ノリッシュ・ヤン反応 Norrish-Yang Reaction…
  7. クメン法 Cumene Process
  8. プメラー転位 Pummerer Rearrangement

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. トリフェニル-2,6-キシリルビスムトニウムテトラフルオロボラート:Triphenyl-2,6-xylylbismuthonium Tetrafluoroborate
  2. ポール・モドリッチ Paul L. Modrich
  3. ペニシリン ぺにしりん penicillin
  4. ウルフ賞化学部門―受賞者一覧
  5. フォルスター・デッカー アミン合成 Forster-Decker Amine Synthesis
  6. 安全性・耐久性・高活性を兼ね備えた次世代型スマート触媒の開発
  7. 実例で分かるスケールアップの原理と晶析【終了】
  8. 有機反応を俯瞰する ーヘテロ環合成: C—C 結合で切る
  9. ポルフィリン化学100年の謎を解明:calix[3]pyrroleの合成と反応性
  10. 5歳児の唾液でイグ・ノーベル化学賞=日本人、13年連続

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
« 5月   7月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

注目情報

最新記事

元素記号に例えるなら何タイプ? 高校生向け「起業家タイプ診断」

今回は化学の本質とは少し離れますが、元素をモチーフにしたあるコンテンツをご紹介します。実験の合間…

多価不飽和脂肪酸による光合成の不活性化メカニズムの解明:脂肪酸を活用した光合成活性の制御技術開発の可能性

第346回のスポットライトリサーチは、東京大学 大学院総合文化研究科(和田・神保研究…

10手で陥落!(+)-pepluanol Aの全合成

高度な縮環構造をもつ複雑天然物ペプラノールAの全合成が、わずか10工程で達成された。Diels–Al…

吉野彰氏が2021年10月度「私の履歴書」を連載。

今年の10月はノーベル化学賞が有機化学分野から出て、物理学賞を真鍋淑郎先生が受賞して、非常に盛り上が…

ガラス工房にお邪魔してみたー匠の技から試験管制作体験までー

実験器具を試して見たシリーズ第10弾! ついにシリーズ10回目を迎えました。今回は特別編です…

ダイセルよりサステナブルな素材に関する開発成果と包括的連携が発表される

株式会社ダイセルは、環境にやさしい酢酸セルロースを当社独自の技術で加工した真球状微粒子を開発し、20…

市販の化合物からナノグラフェンライブラリを構築 〜新反応によりナノグラフェンの多様性指向型合成が可能に〜

第345回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院 理論化学研究室(前田・高橋研究室)…

PCに眠る未採択申請書を活用して、外部資金を狙う新たな手法

みなさんは毎年何本の研究申請書を書きますか?そして、残念ながら日の目を見ずに、アイデアのままパソコン…

フラーレン〜ケージを拡張、時々、内包〜

トリアジン誘導体とN-フェニルマレイミドを用いた、フラーレンのケージを拡張する新規手法が開発された。…

エキノコックスにかかわる化学物質について

Tshozoです。40年以上前、手塚治虫氏の作品「ブラック・ジャック」でこういう話が載ってい…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP