[スポンサーリンク]

ケムステVシンポ

第五回ケムステVシンポジウム「最先端ケムバイオ」開催報告

[スポンサーリンク]

動画を編集し公開しました(8月3日)。講演動画はこちら(ケムステチャンネルへの登録をよろしくお願いいたします)。

 

こんにちは、Macyです。

少々時間は経ちましたが、7/7(火) 18:00に開催された第5回ケムステVシンポ「最先端ケムバイオ」の開催報告をします!

ですが、まず最初に。。。

開始時のトラブルのお詫び

第5回にもなりましたが、未確認トラブルというのはまだ起こるものですね。YouTube Liveの設定の段階でミスがあり、開始が15分ほど遅れてしまいました。URLの貼り直しなどもあったため、皆さんを混乱させてしまい、申し訳ありませんでした。リハーサルではうまく行っていたので、リハーサルと本番が逆だったら良かったのにと心底思いました。座談会も併催したため色々すっ飛ばして会を進行してしまいましたが、なんとか終えることができてよかったです。すばらしい講演内容に助けられました。原因は判明したので、次回以降のファシリテーターに引き継いで再発防止に努めます!

それでは、緊急事態宣言解除後はじめてのVシンポ、どのような変化があったのかまとめていこうと思います!

参加人数

今回は1546人の参加登録がありました。リアルタイムで視聴していたのは約500~600人程度でしたが、数日間動画を継続して公開していたので、非公開になるまでに2183回視聴されました。ケミカルバイオロジー分野の中でも選りすぐりの先生をお招きしたので、もう少し参加人数は増えると思っていましたが、やはり緊急事態宣言が明けた事はVシンポの参加事情にも大きく影響したようです。Liveで視聴する必要性がなくなったことと、ほぼ全ての参加者が仕事を再開していたことで忙しくなり、後で公開された動画を見れば良いと判断した人が多かったと思われます。

今回はケミカルバイオロジーということで製薬企業に務めている人たちにも多く聴いていただけるかと考えていましたが、実際27%の登録者が化学・医薬系企業の方でした。大学生・大学院生はいつものVシンポ同様に合計で50%近くでした。複合分野は魅力的なものの、その魅力をより深く理解している人たちの参加が増えたのでは無いでしょうか。

ちなみに参加者の37%は初参加ということで第5回までやってきた割に、結構多いなと驚きました。やはり興味のあるテーマに反応して、聴きにくる人が多いということですね。製薬企業の友人にも意識的に声をかけたので、この効果も大きかったかもしれません。

 

変更点1: 協賛企業の増加

第5回シンポジウムから、3つの企業に協賛頂いてシンポジウムを開催しています。これに伴いCMやアンケートが増えてしまっている点は若干の申し訳無さを感じています。Vシンポ自体のアンケートについて事前・事後のアンケート量を減らすなど工夫していこうと思います。

 

変更点2: 初めての18:00開催

講師の先生方の都合などもあり、遅めの時間に開始となりました。「お家でゴールデンタイムにVシンポ」くらいの気持ちで考えていましたが、冷静に考えると筆者は学生時代に平日18~20時に家にいた事はほとんどありませんでした笑

研究室配属前の学生や企業の方々は多少参加しやすい時間帯だったのかと思っています。ただ、先にも述べたように、緊急事態宣言明けでやりたかった仕事や勉強、課題、実験などを超スピードでやっている人が多い中、参加が難しいと言う声が多かったように思えます。

後日、YouTubeのケムステチャンネルに動画をアップロードしますが、今回も未発表の内容にモザイクがかかっています。また、今後動画公開をNGと言う講演者の先生もいます。無料で素晴らしい講演が聴けるケムステVシンポには、(特に学生の皆さん)時間を作ってぜひ参加していただけると良いなと思います!

 

変更点3: 座談会の形式変更

Vシンポ併催のV座談会は、Zoomのブレークアウトルームを利用する形式から、Spatial.Chatの利用に変更しました!

この点は今回最も成功した点だと思います。Spatial.Chatは、ブラウザ(Google ChromeかSafari)で動作するチャットアプリで、自分のアイコンを他人のアイコンに近づけるとその人の会話が聞こえてくるというシステムです。現実空間を歩いて人に近寄るかのような感覚があり、バーチャル特有のバリアを破って話しやすくなったのかなと思いました!

参加者は学部1,2年生からポスドクまで幅広い年齢層でしたが、学部生からドクターの学生やポスドクを含め先輩方への質問といった話の振り方も見られ、かなり充実していました。先生への質問も白熱していて、研究の話や他愛のない雑談が絶え間なくかわされていた印象です。

さらに、Spatial.Chatはホストがルームを去った後もルームが消えないので、希望する人はルームに残ってご自由に懇親してくださいと言ってルームを去り、懇親会の続きをしてもらいました。完全に個人の意思にまかせましたが、参加していた筆者の研究室の学生は一時間くらい懇親していたようです。まさに横の繋がりを広げる学会の懇親会のように、V懇親会が開催できた良い事例になったと思います。

 

写真は安藤先生テーブルの様子。他のテーブルに声をかけに行こうと思ったら楽しい話に飲み込まれてしまい記念写真の撮影を忘れてしまいました(汗

 

Spatial.Chatの反省点「とにかく重い」

Google Chromeをインストールすることがしっかり全員に伝わっていなかったので、最初少し時間がかかってしまいました。

また、安定して全員接続できたと思っていたら、重くなりすぎてブラウザやPCがフリーズしたりした参加者もいたようです。思っていたよりも大人数が入ると重くなりPCのメモリを専有してしまうため、ブラウザ以外のアプリケーションは全て閉じてChromeかSafariのみを開いて参加するのが無難です。実際、私も途中でかなり重くなりましたが、Activity Monitor(タスクマネージャー)を開いて他のアプリをバシバシ切ったらすぐに動作が快適になりました。今後はGoogle Chromeのインストールと参加前に起動しているアプリケーションを落とすことを覚えておいていただけたらと思います!

 

その他意識したこと

予習復習

Vシンポでは極力質疑応答の時間を取りたいと思い、先生方の紹介を省くために会告に研究者データベースとインタビュー記事を早めにアップすることにしました。興味ある視聴者は事前に記事を読むことで、講演内容の理解がより深まったのではないでしょうか。次回以降も予習のつもりで事前にアップされた記事を読むと(特に学生の皆さんには)非常に有益だと思うのでやってみてはいかがでしょうか?

実際、私も核偏極に関してはド素人だったので、事前に記事を読み、挙げられていたレビューにもさっと目を通して本番に臨みましたが、予習ありとなしとでは理解度が大違いだったと思います。

コロナウイルスに負けず、学びを止めないということを念頭にやってきたシンポジウムです。多くの人が満足いただける素晴らしい講演者を毎回呼ばせていただきこちらも非常に勉強になります。息抜き程度の心構えで、夕飯中のBGMくらいの感覚で聴いて頂いて全く構わないのですが、積極的に勉強しに行く姿勢も持つと良いと思います!学びの姿勢やVシンポ・座談会に申し込む行動力は、自身の研究や就職活動などなど、色々なところで活きてくること間違いなしです。しかも今回から導入した座談会後の懇親会で縦と横のつながりも強化できるので良いことだらけです。

 

質疑応答に関するコメント

アンケートで、”学会の後は懇親会や休み時間に直接講演者に話しかけて聞けなかった質問をすることができるが、Vシンポではそれができない”という声が有りました。実際、リアルタイムで質問を投稿できる性質上、普段の学会からは想像がつかないほど沢山質問が上がっていますし、拾ってもらえないと不完全燃焼になってしまう気持ちはわかります。筆者も学会ではよく質問する方なので、第1回シンポのときは質問したいのに拾ってもらえないなぁと思っていた所はあります。

今後も時間の都合上改善できるかわかりませんが、アイデアを絞り出して今後改善できたらなと思います。

 

アンケートでの講演内容リクエスト

今回は企業人の参加が多かったので、アンケートでもメドケムやプロセス関連の話も聞きたいと言った声が多く寄せられた印象です。実は企業の講演者を招く試みはすでにCSJカレントレビューコラボを中心に始まっています。いつかはわかりませんが、就活生にも目に鱗な話になることは間違いないので、企業から講演者を呼ぶことも考えて行こうと思います!

 

外部モデレーター

今回はケムステスタッフでもなく、もともと交流の深い人でもない、外部からのモデレーター参加を呼びかけました。今回参加してくれた谷藤さん(東大・助教)とは学会でたまたま連続講演だったこともあり、うちのラボを見学しに来たこともあったので面識は有りましたが、モデレーターとして参加してくれたことで色々話すことができてとても良かったと思います!

今回は事情によりできないが次回以降はやってみたいという人も何人かいて、連絡をくれましたし、中には座談会に参加してくれていたので直接話すことができた人もいました。

Vシンポを通じてどんどん輪が広がっているのを実感しますケムステslackの使い方に慣れたことでも多くの人とのつながりができました。ケムステslackは最近の化学ニュースや最新論文の大きな情報ソースにもなっていて、かなりおすすめです。slackの使い方に慣れたことで、研究室の連絡をメールやLINEからslackに切り替えるのもスムーズに行き、大満足しております。

話は少し逸れましたが、会告でも宣言している通りケムステスタッフは来る者を拒まぬスタイルですので、またどんな形であれご連絡いただけるのをお待ちしています!

 

おわりに

トラブルがあっても、事後アンケートで温かいコメントがたくさん寄せられて、次も視聴すると答えていただけるので、今後も運営頑張ろうと思えます!

皆さんありがとうございます!

これからはCSJカレントレビューの企画を継続することはもちろん、これまでとは一風変わった方式のVシンポも企画されています。

第6回Vシンポ第7回Vシンポもすでに間近に迫っていますので、ぜひ参加登録お願いします!!あとデータベースなどでの予習も忘れずに!

 

協賛企業(東京化成工業)からのお知らせ

東京化成工業

  • ウェブサイトをリニューアルしました。ぜひお越しください。
    弊社では,ケミカルバイオロジーに関する試薬を多数取り扱っています。
    ケミカルバイオロジーの製品カテゴリーページはこちら https://bit.ly/3gMIbBd

 

メルク

  • 新しい創薬モダリティツールのPROTAC®化合物、高品質な脂質製品ブランドAvanti®をはじめとしたケミカルバイオロジー研究に役立つ情報を公開中→詳しくはこちら
    ケミカルバイオロジーの最新情報はAldrich ChemNewsで!→詳しくはこちら

 

島津製作所

 

「科学技術で社会に貢献する」。人々の願いを実現し、社会に貢献するために。島津製作所はこれからも挑戦を続けていきます。今年で創業145周年を迎えました。→詳しくはこちら

分析計測技術に関するWebinar動画を公開中!会員制サービス「Shim-Solutions Club」に是非ご登録下さい(登録無料)。→詳しくはこちら

お願い:本Vシンポは協賛企業の支援を受けて完全無料で運営しています。ぜひ協賛企業のウェブサイトを訪問してください。

 

関連リンク

Vシンポと座談会の様子について語ってくれています!第2回の座談会にも参加してブログを投稿していただいています。ありがとうございます!

Macy

投稿者の記事一覧

有機合成を専門とする教員。将来取り組む研究分野を探し求める「なんでも屋」。若いうちに色々なケミストリーに触れようと邁進中。

関連記事

  1. BASFとはどんな会社?-1
  2. 電子学術情報の利活用
  3. 材料開発の未来とロードマップ -「人の付加価値を高めるインフォマ…
  4. 製薬系企業研究者との懇談会(オンライン)
  5. ノルゾアンタミンの全合成
  6. Wolfram|Alphaでお手軽物性チェック!「Reagent…
  7. 製品開発職を検討する上でおさえたい3つのポイント
  8. 新たな環状スズ化合物の合成とダブルカップリングへの応用

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. リモートワークで結果を出す人、出せない人
  2. サム・ゲルマン Samuel H. Gellman
  3. Hybrid Materials 2013に参加してきました!
  4. 【予告】ケムステ新コンテンツ「元素の基本と仕組み」
  5. ChemDrawの使い方 【基本機能編】
  6. シュミット転位 Schmidt Rearrangement
  7. 富大工学部実験研究棟で火事
  8. 高効率・高正確な人工核酸ポリメラーゼの開発
  9. C-H結合活性化を経るラクトンの不斉合成
  10. 観客が分泌する化学物質を測定することで映画のレーティングが可能になるかもしれない

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

カルボン酸β位のC–Hをベターに臭素化できる配位子さん!

カルボン酸のb位C(sp3)–H結合を直接臭素化できるイソキノリン配位子が開発された。イソキノリンに…

【12月開催】第十四回 マツモトファインケミカル技術セミナー   有機金属化合物 オルガチックスの性状、反応性とその用途

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

保護基の使用を最小限に抑えたペプチド伸長反応の開発

第584回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 薬学系研究科 有機合成化学教室(金井研究室)の…

【ナード研究所】新卒採用情報(2025年卒)

NARDでの業務は、「研究すること」。入社から、30代・40代・50代……

書類選考は3分で決まる!面接に進める人、進めない人

人事担当者は面接に進む人、進まない人をどう判断しているのか?転職活動中の方から、…

期待度⭘!サンドイッチ化合物の新顔「シクロセン」

π共役系配位子と金属が交互に配位しながら環を形成したサンドイッチ化合物の合成が達成された。嵩高い置換…

塩基が肝!シクロヘキセンのcis-1,3-カルボホウ素化反応

ニッケル触媒を用いたシクロヘキセンの位置および立体選択的なカルボホウ素化反応が開発された。用いる塩基…

中国へ行ってきました 西安・上海・北京編①

2015年(もう8年前ですね)、中国に講演旅行に行った際に記事を書きました(実は途中で断念し最後まで…

アゾ重合開始剤の特徴と選び方

ラジカル重合はビニルモノマーなどの重合に用いられる方法で、開始反応、成長反応、停止反応を素反応とする…

先端事例から深掘りする、マテリアルズ・インフォマティクスと計算科学の融合

開催日:2023/12/20 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP