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福山インドール合成 Fukuyama Indole Synthesis

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概要

ラジカル開始剤およびトリブチルスズヒドリド存在下、3-置換、および2,3-二置換インドールを合成する非常に強力な方法論。

特に第二世代法は、置換基導入の多様性に優れた方法である。2位にsp3炭素を導入(カップリング反応では通常導入不可)することも可能である。

原料のイソチオシアネートは、キノリンのチオホスゲン開裂によって容易に調製される。大量合成にも適用可能である。
fukuyama_indole_3.gif

基本文献

  • Fukuyama, T.; Chen, X.; Peng, G. J. Am. Chem. Soc. 1994116, 3127. DOI: 10.1021/ja00086a054
  • Tokuyama, H.; Yamashita, T.; Reding, M. T.; Kaburagi, Y.; Fukuyama, T. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 3791. DOI: 10.1021/ja983681v

 

反応機構

どちらもラジカル環化機構で進行する。オレフィンのジオメトリーがtransの場合、熱力学的生成物である6員環化体(テトラヒドロキノリン)の副生が増える。

<第一世代法>

fukuyama_indole_4.gif

<第二世代法>

fukuyama_indole_5.gif

反応例

本インドール合成を鍵反応とする(+)-Vinblastineの全合成[1]は、有機合成化学における金字塔の一つである。
fukuyama_indole_6.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Yokoshima, S.; Ueda, T.; Kobayashi, S.; Sato, A.; Kuboyama, T.; Tokuyama, H.; Fukuyama, T.J. Am. Chem. Soc. 2002124, 2137. DOI:10.1021/ja0177049

 

関連反応

 

関連書籍

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