[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

ウォルフ転位 Wolff Rearrangement

[スポンサーリンク]

 

概要

ジアゾケトンの脱窒素で生じたカルベンがケテンに転位する反応。ケテンは水やアルコールで捕捉され、対応するカルボン酸やエステルを与える。環状化合物のWolff転位は有効な環縮小反応である。

酸塩化物とジアゾメタンとの反応で生じるジアゾケトンのWolff転位は、特にArndt-Eistert合成と呼ばれ、カルボン酸の1炭素伸長法として有用である。

基本文献

  • Wolff, L. Liebigs Ann. Chem. 1902, 325, 129.
  • Wolff, L. Ann. 1912, 394, 25.
  • Meier, H.; Zeller, K.-P. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 197514, 32. doi:10.1002/anie.197500321
  • Torres, M.; Lown, W. M.; Gunning, H. E.; Strausz, O. P. Pure Appl. Chem. 1980, 52, 1623. doi:10.1351/pac198052061623
  • Gill, G. B. Comprehensive Organic Synthesis 19913, 887.
  • Yogev. A.; Loewenstein, R. M. J.; Amar, D. Chem. Rev. 199494, 1091. DOI: 10.1021/ja00759a010
  • Kirmse, W. Eur. J. Org. Chem. 2002, 2193. [abstract]

 

反応機構

α-ケトカルベン中間体を経由する機構が提唱されている。(参考:J. Am. Chem. Soc. 1996118, 1551; J. Am. Chem. Soc. 1999121, 5930.)
wolff_rearr_2.gif

反応例

wolff.4.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

 

関連書籍

 

関連反応

外部リンク

関連記事

  1. アーント・アイシュタート合成 Arndt-Eistert Syn…
  2. クラブトリー触媒 Crabtree’s Cataly…
  3. PCC/PDC酸化 PCC/PDC Oxidation
  4. カルボン酸の保護 Protection of Carboxyli…
  5. フリース転位 Fries Rearrangment
  6. ストーク エナミン Stork Enamine
  7. 福山クロスカップリング Fukuyama Cross Coupl…
  8. グレーサー反応 Glaser Reaction

注目情報

ピックアップ記事

  1. 2009年9月人気化学書籍ランキング
  2. ルテイン / lutein
  3. 2005年3月分の気になる化学関連ニュース投票結果
  4. ポリアクリル酸ナトリウム Sodium polyacrylate
  5. 北川 進 Susumu Kitagawa
  6. カーボンナノチューブの毒性を和らげる長さ
  7. 直接クプラート化によるフルオロアルキル銅錯体の形成と応用
  8. [5+1]環化戦略による触媒的置換シクロヘキサン合成
  9. ケンダール・ハウク Kendall N. Houk
  10. 第70回―「ペプチドの自己組織化現象を追究する」Aline Miller教授

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

化学CMアップデート

いろいろ忙しくてケムステからほぼ一年離れておりましたが、少しだけ復活しました。その復活第一弾は化学企…

固有のキラリティーを生むカリックス[4]アレーン合成法の開発

不斉有機触媒を利用した分子間反応により、カリックスアレーンを構築することが可能である。固有キラリ…

服部 倫弘 Tomohiro Hattori

服部 倫弘 (Tomohiro Hattori) は、日本の有機化学者。中部大学…

ぱたぱた組み替わるブルバレン誘導体を高度に置換する

容易に合成可能なビシクロノナン骨格を利用した、簡潔でエナンチオ選択的に多様な官能基をもつバルバラロン…

今年は Carl Bosch 生誕 150周年です

Tshozoです。タイトルの件、本国で特に大きなイベントはないようなのですが、筆者が書かずに誰が…

ペンタフルベンが環構築の立役者!Bipolarolide D の全合成

4つの五員環が連結するユニークな構造をもつ天然物bipolarolide Dの全合成を達成した。エナ…

植物由来アルカロイドライブラリーから新たな不斉有機触媒の発見

第632回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府(中分子化学研究室)博士課程後期3年の…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP