[スポンサーリンク]

B

バートン脱カルボキシル化 Barton Decarboxylation

[スポンサーリンク]

 

概要

カルボン酸から一炭素減炭したアルカンを得ることが出来る有用な手法。中間体として生成する炭素ラジカルは、酸素などの様々な捕捉剤と反応しうるため、官能基化も可能である。

基本文献

 

反応機構

BM_decarbox_2.gif

反応例

(+)-Atisineの合成[1]:官能基選択的に反応が進行する。
BM_decarbox_3.gif
ラジカル中間体捕捉による官能基化[2] BM_decarbox_4.gif

実験手順

脱カルボン酸を経る臭素化[3] BM_decarbox_5.gif

バブラー、ジムロート、攪拌子を備えた250mL丸底フラスコに、窒素雰囲気下、Bartonエステル(8.06g, 27.1mmol)、ブロモトリクロロメタン(3mL, 30.0mmol)、ジクロロメタン(100mL)を加える。反応溶液に250Wタングステンランプを照射しつつ、30分加熱還流する。溶液の色は明黄色から薄黄色に変化していく。室温に放冷後、溶媒をエバポレータで除去し、カラムクロマトグラフィ(展開系:ヘキサン)で精製することで目的物を得る(5.81g, 収率98%)。

 

実験のコツ・テクニック

※Bartonエステルはlight-sensitiveなので暗所で取り扱うこと。

 

参考文献

[1] (a) Ihara, M. et al. J. Am. Chem. Soc. 1988110, 1963. DOI: 10.1021/ja00214a050 (b) J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 1164. DOI: 10.1021/ja00159a042
[2] Zhu, J.; Klunder, A. J. H.; Zwanenburg, B. Tetrahedron 1995, 51, 5099. doi:10.1016/0040-4020(95)98707-O
[3] Barton, D. H. R.; MacKinnon, J.; Perchet, R. N.; Tse, C.-L. Org.Synth. 1998, 75, 124.  DOI: 10.15227/orgsyn.075.0124

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. ゲヴァルト チオフェン合成 Gewald Thiophene S…
  2. 有機銅アート試薬 Organocuprate
  3. コーリー・ニコラウ マクロラクトン化 Corey-Nicolao…
  4. ヨードラクトン化反応 Iodolactonization
  5. PCC/PDC酸化 PCC/PDC Oxidation
  6. フリース転位 Fries Rearrangment
  7. N末端選択的タンパク質修飾反応 N-Terminus Selec…
  8. ライマー・チーマン反応 Reimer-Tiemann React…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 藤田 誠 Makoto Fujita
  2. 液クロ虎の巻シリーズ
  3. 炭素繊維は鉄とアルミに勝るか? 2
  4. ルーシェ還元 Luche Reduction
  5. アルバート・エッシェンモーザー Albert Eschenmoser
  6. ヴィンス・ロテロ Vincent M. Rotello
  7. こんなサービスが欲しかった! 「Chemistry Reference Resolver」
  8. ロナルド・ブレズロウ Ronald Breslow
  9. 未来の科学者を育てる政策~スーパーサイエンスハイスクール(SSH)~
  10. 日本のお家芸、糖転移酵素を触媒とするための簡便糖ドナー合成法

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年8月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

カルベン転移反応 ~フラスコ内での反応を生体内へ~

有機化学を履修したことのある方は、ほとんど全員と言っても過言でもないほどカルベンについて教科書で習っ…

ナノ学会 第22回大会 付設展示会ケムステキャンペーン

ナノ学会の第22回大会が東北大学青葉山新キャンパスにて開催されます。協賛団体であるACS(ア…

【酵素模倣】酸素ガスを用いた MOF 内での高スピン鉄(IV)オキソの発生

Long らは酸素分子を酸化剤に用いて酵素を模倣した反応活性種を金属-有機構造体中に発生させ、C-H…

【書評】奇跡の薬 16 の物語 ペニシリンからリアップ、バイアグラ、新型コロナワクチンまで

ペニシリンはたまたま混入したアオカビから発見された──だけではない.薬の…

MEDCHEM NEWS 33-2 号「2022年度医薬化学部会賞」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける分子生成の基礎と応用

開催日:2024/05/22 申込みはこちら■開催概要「分子生成」という技術は様々な問題…

AlphaFold3の登場!!再びブレイクスルーとなりうるのか~実際にβ版を使用してみた~

2021年にタンパク質の立体構造予測ツールであるAlphaFold2 (AF2) が登場し、様々な分…

【5月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 有機金属化合物 オルガチックスによる「密着性向上効果の発現(プライマー)」

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける回帰手法の基礎

開催日:2024/05/15 申込みはこちら■開催概要マテリアルズ・インフォマティクスを…

分子は基板表面で「寝返り」をうつ!「一時停止」蒸着法で自発分極の制御自在

第613回のスポットライトリサーチは、千葉大学 石井久夫研究室の大原 正裕(おおはら まさひろ)さん…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP