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I

ヨードラクトン化反応 Iodolactonization

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概要

γ,δ-不飽和カルボン酸にヨウ素を反応させ、ヨードニウム中間体を経てラクトン化する反応。温和な条件で進行し、位置および立体特異的に対応するラクトンが得られる。

求電子剤としてはヨウ素の他に、セレニウムカチオン等価体なども用いられる。

 

基本文献

 

反応機構

オレフィンにヨウ素が反応したヨードニウム中間体を経由して進行する。
i_lactone_2.gif

反応例

Merrilactone Aの合成[1] i_lactone_5.gif
タミフルの合成[2]:ヨードラクタム化反応を鍵工程とする。
i_lactone_3.gif
Garsubellin Aの合成[3]:ケトエステルを用いる分子内環化反応により、三環性骨格を構築している。
i_lactone_4.gif
Corey lactone合成プロセスにおける使用
i_lactone_6.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] (a) Birman, V. B.; Danishefsky, S. J. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 2080.DOI: 10.1021/ja012495d (b) Meng, Z.; Danishefsky, S. J. Angew. Chem. Int. Ed. 200544, 1511. doi:10.1002/anie.200462509

[2] Yeung, Y.-Y.; Hong, S.; Corey, E. J. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 6310. DOI: 10.1021/ja0616433

[3] Siegel, D. R.; Danishefsky, S. J.J. Am. Chem. Soc. 2006128, 1048. DOI: 10.1021/ja057418n

 

関連反応

 

関連書籍

 

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