[スポンサーリンク]

M

メルドラム酸 Meldrum’s Acid

[スポンサーリンク]

カルボン酸誘導体 → カルボン酸誘導体

概要

2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneは通称メルドラム酸(Meldrum’s Acid)と呼ばれる。活性メチレン部のプロトンは、例外的に高い酸性度(pKa=4.97)を示すことが知られており、このため酸という名前を冠する。

穏和な条件にてアルデヒドとKnoevenagel縮合を起こす(上図)。得られる生成物は強力なMichaelアクセプター、またはDiels-Alder反応におけるジエノフィルとして働く。

基本文献

  •  Meldrum, A. N. J. Chem. Soc. 1908, 93, 598.
  •  Hanford, W. E.; Sauer, J. P. Org. React. 1946111, 124.
  •  Oikawa, Y.; Sugano, K.; Yonemitsu, O. J. Org. Chem. 197843, 2087. DOI: 10.1021/jo00404a066
  • Bonifacio, V. D.B. Synlett 2004, 1649. DOI: 10.1055/s-2004-829539

 

反応機構

 

反応例

以下の手順を踏む事で、β-ケトエステルを一般性高く合成する事が出来る。かさ高いt-ブチルエステルをもつ基質も収率良く合成可能。
meldrum_acid_2.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ステッター反応 Stetter reaction
  2. シリル系保護基 Silyl Protective Group
  3. フィッシャー オキサゾール合成 Fischer Oxazole …
  4. クメン法 Cumene Process
  5. シャウ ピリミジン合成 Shaw Pyrimidine Synt…
  6. ティシチェンコ反応 Tishchenko Reaction
  7. クラプコ脱炭酸 Krapcho Decarboxylation
  8. メーヤワイン・ポンドルフ・ヴァーレイ還元 Meerwein-Po…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ルチッカ大員環合成 Ruzicka Large Ring Synthesis
  2. 10-メチルアクリジニウム触媒を用いたBaeyer-Villiger酸化反応
  3. 流れる電子ッ!壊れるピリジンッ!含窒素多環式骨格構築!
  4. 大阪大学インタラクティブ合宿セミナーに参加しました
  5. 辻・トロスト反応 Tsuji-Trost Reaction
  6. イグノーベル賞2024振り返り
  7. シャンパンの泡、脱気の泡
  8. Mgが実現する:芳香族アミンを使った鈴木―宮浦カップリング
  9. REACH/RoHS関連法案の最新動向【終了】
  10. 「超分子重合によるp-nヘテロ接合の構築」― インド国立学際科学技術研究所・Ajayaghosh研より

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年1月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

細谷 昌弘 Masahiro HOSOYA

細谷 昌弘(ほそや まさひろ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の創薬科学者である。塩野義製薬株式…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP