[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

スルホン系保護基 Sulfonyl Protective Group

 

概要

スルホン系保護基は保護以外の目的でも頻用される。酸性条件・酸化条件に強い保護基。

よく使われるものにはメタンスルホニル(Methanesulfonyl, Ms)、トルエンスルホニル(Toluenesulfonyl
Ts)基、ニトロベンゼンスルホニル(nitrobenzenesulfonyl,
Ns)基
、トリフルオロメタンスルホニル(trifluoromethanesulfonyl, Tf)基
があげられる。

PG_sulfonyl_2.gif

アルコールをスルホニル化すれば脱離能が向上し、置換/脱離反応に活性となる。このため、脂肪族アルコール保護に使われるケースは稀である。一方で、保護基の電子求引性を利用し、電子豊富フェノールの酸化防止保護目的で用いられることは多い。

アミンの保護には有効である。スルホンアミドとして保護すれば、アミンの求核性・塩基性をうまく抑えることができる。

特に一級アミンを保護した場合には、スルホンアミドのN-Hプロトンの酸性度が十分高くなる。このため、光延反応やアルキル化条件へと伏すことができ、二級アミン合成にも用いることができる。この目的においては、Tsに比べて脱保護の容易なNs基がよく用いられる(福山アミン合成)。

基本文献

 

反応機構

Ms基とTs基は保護時の反応機構が異なる。活性種を効率的に生成する目的で、それぞれ性質の異なる塩基が用いられる。すなわち、Ms保護ではトリエチルアミン、Ts保護ではピリジン(orDMAP-トリエチルアミン)を用いることが一般的。
PG_sulfonyl_3.gif
他方、脱保護は比較的難しい。穏和な条件下に脱保護を行いたい場合は、Mg/MeOHなどの一電子還元条件を用いる。
PG_sulfonyl_4.gif
Ns基はチオラートの求核付加によって穏和な条件下脱保護できるため、合成化学的に価値が高い(福山アミン合成を参照)。

 

反応例

トリフルオロメタンスルホニル化にはTf2Oを用いることが一般的だが、エノールの保護には適していないことが多い。代替試薬としてMcMurry’s
reagent
Comin’s reagentが用いられる。
PG_sulfonyl_5.gif
Mg-MeOH系によるTs基の脱保護[1] PG_sulfonyl_7.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Sridhar, M.; Ashokkumar, B.; Narendar, R. Tetrahedron Lett.
1998, 39, 2847. doi:10.1016/S0040-4039(98)00314-1

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

The following two tabs change content below.
Hiro

Hiro

Hiro

最新記事 by Hiro (全て見る)

関連記事

  1. 右田・小杉・スティル クロスカップリング Migita-Kosu…
  2. コーリー・ギルマン・ガネム酸化 Corey-Gilman-Gan…
  3. 芳香族メタ光環化付加 Aromatic meta-photoc…
  4. ブレデレック イミダゾール合成 Bredereck Imidaz…
  5. フィッツィンガー キノリン合成 Pfitzinger Quino…
  6. モッシャー法 Mosher Method
  7. カラッシュ付加反応 Kharasch Addition
  8. ウィルゲロット反応 Willgerodt Reaction

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. キラル超原子価ヨウ素試薬を用いる不斉酸化
  2. フェニル酢酸を基質とするC-H活性化型溝呂木-Heck反応
  3. ChemDrawの使い方【作図編③:表】
  4. 第30回「化学研究の成果とワクワク感を子供たちにも伝えたい」 玉尾皓平教授
  5. Wolfram|Alphaでお手軽物性チェック!「Reagent Table Widget」
  6. 原子移動ラジカル重合 Atom Transfer Radical Polymerization
  7. 2005年3月分の気になる化学関連ニュース投票結果
  8. トムソン・ロイターのIP & Science事業売却へ
  9. 大麻複合物が乳がんの転移抑止効果―米医療チームが発見
  10. 小林 修 Shu Kobayashi

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

銀カルベノイドの金属特性を活用したフェノール類の不斉脱芳香族化反応

第120回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府 薬化学研究室(根本哲宏教授) 博士後…

宮坂 力 Tsutomu Miyasaka

宮坂 力 (みやさか つとむ、1954年-)は、日本のエネルギー化学・物理化学者である。国際的な通称…

クラリベイト・アナリティクスが「引用栄誉賞2017」を発表

9月20日に、クラリベイト・アナリティクス社から2017年の引用栄誉賞が発表されました。昨年までのト…

役に立たない「アートとしての科学」

科学の研究には、真理の探究という側面と、役立つ発明という側面があります。この二面性を表す言葉…

表現型スクリーニング Phenotypic Screening

表現型スクリーニング(Phenotypic Screening)とは、特定の生物現象に影響を与える化…

NMR解析ソフト。まとめてみた。①

合成に関連する研究分野の方々にとって、NMR測定とはもはやルーティーンワークでしょう。反応を仕掛けて…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP