[スポンサーリンク]

I

三枝・伊藤酸化 Saegusa-Ito Oxidation

[スポンサーリンク]

 

概要

ケトンをシリルエノールエーテルに変換し、Pd(OAc)2を作用させると、α,β-不飽和ケトンへと変換できる。

高価なパラジウムが当量必要となることが欠点であり、パラジウムを触媒量に減ずる工夫がなされている。DMSO中でO2を再酸化剤として用いる手法(Larock変法)、安価な銅(II)を酸化剤として用いる方法、シリルエノールエーテルの代わりに安定なアリルカーボネートを用いる方法(辻変法)などが知られている。

ito_saegusa_4.gif

基本文献

<Tsuji Modification>

<Larock Modification>

  •  Larock, R. C.; Hightower, T. R.; Kraus, G. A.; Hahn, P.; Zheng, D. A. Tetrahedron Lett. 1995, 36, 2423. doi:10.1016/0040-4039(95)00306-W

 

反応機構

参考:Angew. Chem. Int. Ed. 1999, 38, 2015.

ito_saegusa_2.gif

反応例

Norzoanthamineの合成[1]

ito_saegusa_3.gif

近年ではシリルエノールエーテルを経由することなく、触媒量のPdかつ酸素酸化条件で行う手法も開発されている。[2][3]

ito_saegusa_5.gifito_saegusa_7.gif

条件を調節することでフェノール合成へも応用可能。[4]

ito_saegusa_6.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Miyashita, M.; Sasaki, M.; Hattori, I.; Sakai, M.; Tanino, K.Science 2004, 305, 495. DOI: 10.1126/science.1098851
[2] (a) Zhu, J.; Liu, J.; Ma, R.; Xie, H.; Li, J.; Jiang, H.; Wang, W. Adv. Synth. Catal. 2009, 351, 1229. DOI: 10.1002/adsc.200900011 (b) Liu, J.; Zhu, J.; Jiang, H.; Wang, W.; Li, J. Chem. Asian J. 2009, 4, 1712. DOI: 10.1002/asia.200900238
[3] (a) Diao, T.; Stahl, S. S. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 14566. doi:10.1021/ja206575j (b) Diao, T.; Wadzinski, T. J.; Stahl, S. S. Chem. Sci. 2012, 3, 887. DOI: 10.1039/C1SC00724F
[4] Izawa, Y.; Pun, D.; Stahl, S. S. Science 2011, 333, 209. DOI: 10.1126/science.1204183

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ルーシェ還元 Luche Reduction
  2. カルボン酸の保護 Protection of Carboxyli…
  3. ジスルフィド架橋型タンパク質修飾法 Disulfide-Brid…
  4. ブレデレック イミダゾール合成 Bredereck Imidaz…
  5. カーン グリコシド化反応 Kahne Glycosidation…
  6. カルバメート系保護基 Carbamate Protection
  7. コーリー・チャイコフスキー反応 Corey-Chaykovsky…
  8. ヒンスバーグ チオフェン合成 Hinsberg Thiophen…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. なぜあなたの研究は進まないのか?
  2. マイクロリアクター徹底活用セミナー【終了】
  3. 第162回―「天然物の合成から作用機序の解明まで」Karl Gademann教授
  4. アライン種の新しい発生法
  5. 金属-金属結合をもつ二核ランタノイド錯体 -単分子磁石の記録を次々に更新-
  6. 市民公開講座 ~驚きのかがく~
  7. ティム・ジャミソン Timothy F. Jamison
  8. アントニオ・M・エチャヴァレン Antonio M. Echavarren
  9. 電子実験ノートSignals Notebookを紹介します ①
  10. ビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II) ジクロリド:Bis(tri-o-tolylphosphine)palladium(II) Dichloride

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

注目情報

最新記事

スクショの友 Snagit

スクリーンショット(スクショ)は、手軽に画像や図をコピーすることができ、資料作成などにおいて便利な機…

第28回Vシンポ「電子顕微鏡で分子を見る!」を開催します!

こんにちは、今回第28回Vシンポの運営&amp;司会を務めさせていただくMacyです、よろしくお願い…

量子アルゴリズム国際ハッカソンQPARC Challengeで、で京都大学の学生チームが優勝!!

そこかしこで「量子コンピュータ」という言葉を聞くようになった昨今ですが、実際に何がどこまでできるのか…

Nature主催の動画コンペ「Science in Shorts」に応募してみました

以前のケムステ記事で、Springer Nature社が独・メルク社と共同で、動画コンペ「Scien…

クオラムセンシング阻害活性を有する新規アゾキシアルケン化合物の発見―薬剤耐性菌の出現を抑える感染症治療薬への応用に期待―

第405回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院統合生命科学研究科 生物工学プログラム 細胞機能…

【著者インタビュー動画あり!】有機化学1000本ノック スペクトル解析編

今年4月に発売された書籍で、発売記念著者インタビュー動画も発売前に撮影したのですが、書籍の到…

Dihydropyridazinone環構造を有する初の天然物 Actinopyridazinoneを発見 ~微生物の持つヒドラジン生合成経路の多様性を解明~

第404回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院 天然物化学研究室の有馬 陸(あり…

化学企業のグローバル・トップ50が発表【2022年版】

The world’s chemical industry didn’t just gr…

常温常圧アンモニア合成~20年かけて性能が約10000倍に!!!

Tshozoです。先日ChemRxivに、東京大学西林研究室による最新の触媒成果が発表されました…

第172回―「小分子変換を指向した固体触媒化学およびナノ材料化学」C.N.R.Rao教授

第172回の海外化学者インタビューは、C.N.R. Rao教授です。CSIR Centre for …

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP