[スポンサーリンク]

E

エッシェンモーザーメチレン化 Eschenmoser Methylenation

[スポンサーリンク]

 

概要

Eschenmoser試薬はカルボニルα位にアミノメチル基を導入させる目的で用いられる。アミン部位を脱離させることで、全体としてメチレン基の導入変換になる。試薬は市販されている。

 

基本文献

  • Eschenmoser, A. Angew. Chem. Int. Ed. 197110, 330.
  • Danishefsky, S. J.; Kitahara, T.; McKee, R.; Schuda, P. F. J. Am. Chem. Soc. 1976, 98, 6715. DOI: 10.1021/ja00437a058
  • Ganen, B.; Ikota, N.; Muralidharan, V. B.; Wade, W. S.; Young, S. D.; Yukimoto, Y. J. Am. Chem. Soc. 1982104, 6787. DOI: 10.1021/ja00388a055

 

反応機構

eschenmoser_methylene_2.gif

反応例

Gelsemineの合成[1] eschenmoser_methylene_3.gif
Bredereck試薬は強力なα-アミノメチレン化試薬である。[2] 強塩基であるt-ブトキシドが系中生成するため、酸性度の低いメチレンも反応する。以下に活用例を示す。[3] eschenmoser_methylene_4.gif
Merrilactone Aの合成[4] eschenmoser_methylene_5.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Danishefsky, S. J. et al. Tetrahedron Lett. 200243, 545. doi:10.1016/S0040-4039(01)02212-2

[2] Rosso, G. B. Synlett 2006, 809. DOI: 10.1055/s-2006-933118

[3] Haefliger, W.; Knecht, H. Tetrahedron Lett. 198325, 285. doi:10.1016/S0040-4039(00)99863-0

[4] (a) Inoue, M.; Sato, T.; Hirama, M. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 10772. DOI: 10.1021/ja036587+ (b) Inoue, M.; Sato, T.; Hirama, M. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 4843. doi:10.1002/anie.200601358
(c) Inoue, M.; Lee, N.; Kasuya, S.; Sato, T.; Hirama, M.; Moriyama, M.; Fukuyama, Y. J. Org. Chem. 2007, 72, 3065. DOI: 10.1021/jo0700474

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. カンプス キノリン合成 Camps Quinoline Synt…
  2. [2+2]光環化反応 [2+2] Photocyclizatio…
  3. ペイン転位 Payne Rearrangement
  4. バートン・ケロッグ反応 Barton-Kellogg React…
  5. マクミラン触媒 MacMillan’s Cataly…
  6. スルホキシド/セレノキシドのsyn-β脱離 Syn-β-elim…
  7. [6π]光環化 [6π]Photocyclization
  8. シュガフ脱離 Chugaev Elimination

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. -ハロゲン化アルキル合成に光あれ-光酸化還元/コバルト協働触媒系によるハロゲン化アルキルの合成法
  2. 後発医薬品、相次ぎ発売・特許切れ好機に
  3. オルト−トルイジンと発がんの関係
  4. 第19回「心に残る反応・分子を見つけたい」ー京都大学 依光英樹准教授
  5. 第9回 野依フォーラム若手育成塾
  6. picoSpin世界最小NMRシステムの販売開始
  7. 製薬、3強時代に 「第一三共」きょう発足
  8. 第38回ケムステVシンポ「多様なキャリアに目を向ける:化学分野のAltac」を開催します!
  9. システインの位置選択的修飾を実現する「π-クランプ法」
  10. アルゴン Argon 空気中の体積1%を占め、医療用レーザーにも使われる

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP