[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

玉尾・フレミング酸化 Tamao-Fleming Oxidation

[スポンサーリンク]

概要

アルコキシドなどのヘテロ元素置換基を持つ有機ケイ素化合物は、フッ素源および弱塩基の存在下、過酸化水素によって酸化されてアルコールを生成する。大変穏和な条件下進行する。

ケイ素結合炭素上の立体化学は保持される。

基本文献

  • Tamao, K.; Akita, M.; Kumada, M.Organometallics 19832, 1694. DOI: 10.1021/om50005a041
  • Tamao, K.; Kakui, T.; Akita, M.; Iwahara, T.; Kanatani, R.; Yoshida, J.; Kumada, M. Tetrahedron 1983, 39, 983. doi:10.1016/S0040-4020(01)88597-5
  • Fleming, I.; Henning, R.; Plaut, H. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1984, 29. DOI: 10.1039/C39840000029
  • Fleming, I.; Henning, R.; Parker, D.C.; Plaut, H.; Sanderson, P.E.J. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 1995, 317. doi:10.1039/P19950000317
  • Review: Jones, G. R.; Landais, Y. Tetrahedron 199652, 7599. DOI: 10.1016/S0040-4020(96)00038-5
  • 総説: 玉尾皓平, 有機合成化学協会誌, 1988, 46, 861.
  • Tamao, K. Org. Synth. 1994, 73, 94.

 

反応機構

高配位シリケート種を経由すると考えられている。 Si→Oへの転位は立体保持で進む。(参考:J. Am. Chem. Soc. 2001123 , 1970)
m-ol-011.gif

反応例

オレフィンのヒドロシリル化反応と組み合わせれば、anti-Markovnikov型アルコールを合成することができる。分子内ヒドロシリル化と分子間ヒドロホウ素化は互いに相補的な立体選択性で進行するので、ヒドロホウ素化では得にくいアルコールの合成に利用される。ポリオールの立体選択的合成に特に有効である[1]
tamao_ox_3.gif
求核的ヒドロキシメチル化[2]:アルデヒド・ケトン・有機ハロゲン化合物などをシリルメチルGrignard試薬と反応させた後、玉尾酸化を適用すると、ヒドロキシメチル基が導入された化合物が得られる。
tamao_ox_4.gif
ケイ素求核剤をα,β-不飽和カルボニル化合物へと1,4-付加させ、引き続き玉尾酸化を行うと、β-ヒドロキシカルボニル化合物(アルドール)が得られる。以下はMichael-アルドールプロセスへと展開した手法を天然物合成に応用した例である。[3]
tamao_ox_6.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Tamao, K. et al. J. Am. Chem. Soc. 1986108, 6090. DOI: 10.1021/ja00279a097

[2] Tamao, K. et al. Org. Synth. 1990, 69, 96.

[3] Williams, D. J. et al. J. Org. Chem. 199964, 6005. DOI: 10.1021/jo9905672

 

関連反応

 

関連書籍

[amazonjs asin=”0198556624″ locale=”JP” title=”Organic Synthesis: The Role of Boron and Silicon (Oxford Chemistry Primers)”][amazonjs asin=”0471196584″ locale=”JP” title=”Silicon in Organic, Organometallic, and Polymer Chemistry (Wiley-Interscience Publication)”][amazonjs asin=”3527323201″ locale=”JP” title=”Modern Oxidation Methods”][amazonjs asin=”3527306684″ locale=”JP” title=”Silicon-mediated Transformations of Functional Groups”]

 

関連リンク

関連記事

  1. ジオトロピー転位 dyotropic rearrangement…
  2. 根岸クロスカップリング Negishi Cross Coupli…
  3. カルボニル化を伴うクロスカップリング Carbonylative…
  4. 水素化ジイソブチルアルミニウム Diisobutylalumin…
  5. トリメチレンメタン付加環化 Trimethylenemethan…
  6. マーデルング インドール合成 Madelung Indole S…
  7. 福山アミン合成 Fukuyama Amine Synthesis…
  8. ミズロウ・エヴァンス転位 Mislow-Evans Rearra…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 製造業の研究開発、生産現場におけるDX×ノーコード
  2. 巧みに骨格構築!Daphgracilineの全合成
  3. リアルタイムで分子の自己組織化を観察・操作することに成功
  4. 留学せずに英語をマスターできるかやってみた(6年目)(留学後編)
  5. お前はもう死んでいる:不安定な試薬たち|第4回「有機合成実験テクニック」(リケラボコラボレーション)
  6. MEDCHEM NEWSと提携しました
  7. マテリアルズ・インフォマティクス適用のためのテーマ検討の進め方とは?
  8. 美術品保存と高分子
  9. ヴィクター・アンブロス Victor Ambros
  10. 荷電π電子系が発現するジラジカル性をイオンペア形成によって制御

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

【新規事業のヒントをお探しの方へ】イノベーションを生み出すマイクロ波技術の基本と活用事例

新しい技術を活用したビジネスの創出や、既存事業の付加価値向上を検討されている方向けのセミナーです。…

わざと失敗する実験【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3.反応操作をしな…

CIPイノベーション共創プログラム「有機電解合成の今:最新技術動向と化学品製造への応用の可能性」

日本化学会第106春季年会(2026)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「有機電解合…

CIPイノベーション共創プログラム「世界を変えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第106春季年会(2026)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「世界を変え…

年会特別企画「XAFSと化学:錯体, 触媒からリュウグウまで –放射光ことはじめ」

放射光施設を利用したX線吸収分光法(XAFS)は、物質の電子状態や局所構造を元素選択的に明らかにでき…

超公聴会 2026 で発表します!!【YouTube 配信】

超公聴会は、今年度博士号を取得する大学院生が公聴会の内容を持ち寄ってオンライン上で発表する会です。主…

日本化学会 第106春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part II (3/16 追記)

さて、Part Iに引き続きPart II!年会をさらに盛り上げる企画として、2011年より…

凍結乾燥の常識を覆す!マイクロ波導入による乾燥時間短縮と効率化

「凍結乾燥は時間がかかるもの」と諦めていませんか?医薬品や食品、新素材開発において、品質を維…

日本化学会 第106春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part I (3/16追記)

まだ寒い日が続いておりますが、あっという間に3月になりました。今年も日本化学会春季年会の季節です。…

アムホテリシンBのはなし 70年前に開発された奇跡の抗真菌薬

Tshozoです。以前から自身の体調不良を記事にしているのですが、昨今流行りのAIには産み出せな…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP