[スポンサーリンク]

F

福山アミン合成 Fukuyama Amine Synthesis

[スポンサーリンク]

アルコール、ハロゲン化合物→窒素化合物

概要

穏和な条件で二級アミンが合成できるきわめて強力な手法。

ニトロベンゼンスルホンアミド(ノシル(Ns)アミド)のプロトンは酸性度が高く、光延反応条件によりアルキル化することが可能である。
弱塩基・アルキルハライドを用いるアルキル化条件に伏すこともできる。

トルエンスルホニル(Ts)アミドなどでも同様の変換に伏すことは可能だが、Ns基の場合はチオールの求核攻撃によって容易に脱保護が行える。この点で脱保護の難しいTs基よりも優れる。

Ns基はアミンの保護と活性化の二役をこなす、次世代型保護基と言える。

基本文献

 

開発の歴史

福山透らによって1995年に開発された。ちなみに福山は1995年にライス大教授から東京大学へと移り、現在名古屋大学特任教授である。

福山透

福山透

 

反応機構

脱保護:Ns基はチオールの求核付加によりMeisenheimerコンプレックスを経由し、引き続き二酸化硫黄の脱離を伴って脱保護される。他のスルホン系保護基に比べ、脱保護が容易な点が特長である。
fukuyama_amine_2.gif

反応例

ニトロ2置換のDNs保護基も同様の手法に用いられる。Nsと区別して脱保護することも可能。
fukuyama_amine_3.gif
大環状アミンの合成にも用いることが出来る[1]。
fukuyama_amine_4.gif

実験手順

ノシル基の脱保護[2] fukuyama_amine_5.gif

攪拌子を備えた100mL二径フラスコに、窒素雰囲気下、チオフェノール(7.82mL, 76.5mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液を調製する。溶液を氷冷し、10.9M水酸化カリウム水溶液(7.02mL,
76.5mmol)を10分かけて加える。5分攪拌後、氷浴を取り除き、N-(4-Methoxybenzyl)-N-(3-phenylpropyl)-2-nitrobenzenesulfonamide
(13.5g, 30.6mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液を20分かけて加える。溶液を50℃にて40分過熱攪拌し、室温まで放冷する。水(80mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×80mL)で抽出する。有機層を合わせ、飽和食塩水(80mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。ろ過して減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製する。濃縮後得られた油状物質をジクロロメタン(120mL)に溶解させ、1M水酸化ナトリウム水溶液(80mL)、飽和食塩水(40mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過して濃縮、減圧蒸留にて精製(150℃,0.25mmHg)することで目的のアミンを無色油状物質として得る(6.98-7.08 g, 収率89-91%)。

参考文献

  1. Fujiwara, A.; Kan, T.; Fukuyama, T. Synlett 2000, 1667. DOI: 10.1055/s-2000-7950
  2. Kurosawa, W.; Kan, T.; Fukuyama, T. Org. Synth. 200279, 186. [PDF]

関連記事

Ns基とNos基とDNs基

関連反応

 

関連書籍

外部リンク

関連記事

  1. コーリー・バクシ・柴田還元 Corey-Bakshi-Shiba…
  2. コルベ・シュミット反応 Kolbe-Schmitt Reacti…
  3. ウギ反応 Ugi Reaction
  4. [2+2]光環化反応 [2+2] Photocyclizatio…
  5. 求電子的トリフルオロメチル化 Electrophilic Tri…
  6. シュタウディンガー反応 Staudinger Reaction
  7. ブレデレック試薬 Bredereck’s Reage…
  8. 水素化ホウ素亜鉛 Zinc Bodohydride

注目情報

ピックアップ記事

  1. 卓上NMR
  2. ありふれた試薬でカルボン酸をエノラート化:カルボン酸の触媒的α-重水素化反応
  3. ヘリウム Helium -空気より軽い! 超伝導磁石の冷却材
  4. 天然の保護基!
  5. 光レドックス触媒と有機分子触媒の協同作用
  6. 第84回―「トップ化学ジャーナルの編集者として」Anne Pichon博士
  7. 第57回―「アニオン認識の超分子化学」Phil Gale教授
  8. STAP細胞問題から見えた市民と科学者の乖離ー前編
  9. 武田薬、米国販売不振で11年ぶり減益 3月期連結決算
  10. 非常に小さな反転障壁を示す有機リン化合物の合成

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

【新規事業のヒントをお探しの方へ】イノベーションを生み出すマイクロ波技術の基本と活用事例

新しい技術を活用したビジネスの創出や、既存事業の付加価値向上を検討されている方向けのセミナーです。…

わざと失敗する実験【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3.反応操作をしな…

CIPイノベーション共創プログラム「有機電解合成の今:最新技術動向と化学品製造への応用の可能性」

日本化学会第106春季年会(2026)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「有機電解合…

CIPイノベーション共創プログラム「世界を変えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第106春季年会(2026)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「世界を変え…

年会特別企画「XAFSと化学:錯体, 触媒からリュウグウまで –放射光ことはじめ」

放射光施設を利用したX線吸収分光法(XAFS)は、物質の電子状態や局所構造を元素選択的に明らかにでき…

超公聴会 2026 で発表します!!【YouTube 配信】

超公聴会は、今年度博士号を取得する大学院生が公聴会の内容を持ち寄ってオンライン上で発表する会です。主…

日本化学会 第106春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part II (3/16 追記)

さて、Part Iに引き続きPart II!年会をさらに盛り上げる企画として、2011年より…

凍結乾燥の常識を覆す!マイクロ波導入による乾燥時間短縮と効率化

「凍結乾燥は時間がかかるもの」と諦めていませんか?医薬品や食品、新素材開発において、品質を維…

日本化学会 第106春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part I (3/16追記)

まだ寒い日が続いておりますが、あっという間に3月になりました。今年も日本化学会春季年会の季節です。…

アムホテリシンBのはなし 70年前に開発された奇跡の抗真菌薬

Tshozoです。以前から自身の体調不良を記事にしているのですが、昨今流行りのAIには産み出せな…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP